チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ブラッド・ファーザー

ジャン=フランソワ・リシェ監督作「ブラッド・ファーザー」("Blood Father" : 2016)[BD]

酒とドラッグで人生を失い、長い服役を終えて間もない男が、失踪中だった娘から助けを求められ、襲い来るギャングから命懸けで娘を守る為に奮闘する様を描くアクション・クライム・スリラー作品。

 

2015年、ロサンゼルス近郊。17歳の家出少女リディアは、不動産業を営む裏でドラッグを売り捌いている恋人ジョナと手下のギャングに連れられ、民家へ押し入る。ジョナは家主の男を射殺すると、その妻に隠した金の在り処を問い質すが、要領を得ない為に、リディアを唆してその女を拳銃で殺すよう命じる。躊躇うリディアは女が抵抗した拍子に、過ってジョナ目掛けて発砲して殺してしまい、その場から逃走する。

その頃、リディアの父ジョンは9年の服役の末に仮釈放された後、ロス郊外のトレーラーパークで彫師を生業としながら、目的も無く日々を過ごしていた。酒とドラッグで人生を台無しにした事を後悔するジョンは、断酒の誓いを守りつつ、別れた妻の元から3年前に失踪したリディアの安否を心配していた。そんな折、突然リディアから電話がかかってくる。リディアは動転した様子で、逃げる為の金を無心する。ジョンは直ちに古びた愛車でリディアを迎えに行く。

夜、ジョンはブロードウェイを彷徨う酔ったリディアを見つけ、明け方トレーラーパークに連れ帰る。ジョンはリディアを休ませると、バッグの中から酒、拳銃、コカインを見つけ、その荒んだ生活ぶりを悟る。リディアは恋人の裏社会の仲間が追ってくる為に逃げねばならず、その為に金が必要だと訴える。ジョンはそれを真に受けず、酒とドラッグを一週間断つよう命じる。ジョンは再婚を繰り返して成り上がった妻に連絡するが、関わり合いを拒まれる。リディアは隠し持っていたコカインでハイになる。ジョンはリディアを叱ると、パークの隣人で良き理解者のカーヴィに相談する。カーヴィはリディアを医者に連れて行くよう促す。

その夜、ジョナの手下の三人組のギャングがリディアを探してやってくる。ジョンは引き取るよう命じる。三人はそれに応じず、トレーラーに銃撃を始める。ジョンは仮釈消滅を覚悟して反撃に出る。三人は小銃とショットガンで更に激しい攻撃を浴びせた後、車をぶつけてトレーラーを横転させる。そこへカーヴィがパークの自警団を率いて駆け付け、三人組は退散する。難を逃れたジョンはリディアを連れて、警察が到着する直前に愛車でパークを離れる。

ジョンは三人の内、二人がメキシコ系ギャング、一人がPEN1だった事から大金が絡んでいると悟ると、追われている理由をリディアに問い質す。リディアはジョナとはパーティで出会い、家出して友達の部屋に居候していた自分に手を差し伸べてくれたのを機に付き合い始めた事、ジョナに住み込みで小さなコテージの管理を頼まれたものの、不手際でそこに隠してあったブツを紛失してしまった事、次に別の家に押し入った際にジョナを殺すに至った経緯について打ち明ける。

夜、ジョン達はロスから南東に離れたモーテルに宿泊するが、二人が殺人容疑で指名手配されていると知った日勤の店番が通報し、間もなく警官二人がやってくる。ジョン達は夜勤の男から裏口への脱出を手引してもらい、警官の様子を窺う。間もなく、モーテルに全身入れ墨の殺し屋が現れ、警官二人をショットガンで射殺する。ジョン達は殺し屋の銃撃から逃れながら、盗難車で逃走する。ジョンはその殺し屋が麻薬カルテルの手下だと見抜き、ジョナが普通の男では無いと確信する。ジョンはかつて服役していた刑務所で気脈を通じる仲となり、現在も収監中の大物犯罪者リオスに連絡を図り、ジョナの素性について問い合わせる。

ジョンはかつての仲間であり、服役のきっかけにもなったプリーチャーを探す為、手掛かりを求めてエル・セントロのバーをリディアと共に訪ねる。リディアはジョンを巻き込む事を厭い、単身メキシコに逃れる意向を示す。ジョンはメキシコに逃れようとも、体を売って稼ぐ事になるのが関の山だと諭す。二人はそこで得た情報に基づき、プリーチャーがナチや南軍の戦利品を売って暮らす敷地を訪ねる。ジョンは服役中に沈黙を貫いた貸しについて主張し、約束した愛用のバイクと金をプリーチャーに要求する。その夜、プリーチャーの仲間のバイカー達が一堂に会して大騒ぎする。ジョンはバイクを手入れしながら、人生を無駄にして長らくリディアの傍にいてやれなかった事を悔いると、父親失格だと詫びる。

翌朝、ジョンとリディアはプリーチャーの元へ連行される。プリーチャーはリディアに懸かっている三万ドルの報奨金を知り、通報する意向を示す。ジョンはかつて父親の様に慕い、それが故に沈黙を貫いた事への裏切りに憤慨すると、ショットガンを奪ってプリーチャーを脅し、愛用のバイクで逃走する。間もなく、二人のバイカーが追ってきて、ジョン達に銃撃を始める。ジョン達は二人を撃退すると、ユマのモーテルに身を寄せる。ジョンは諦めから自殺を口にするリディアに、人生はこれからだと励ますと、変装の染髪を命じて単身刑務所へ向かう。

ジョンは刑務所でリオスと面会する。リオスはジョナの叔父がメキシコの刑務所で指揮を執るカルテルのボスであり、ジョナは問題行動が多い為にファミリーから遠ざけられ、ロスでブツの管理をさせられていた事を明かす。ジョンは殺し屋に狙われており、復讐にしては追跡が大掛かりである事から、その真意について測りかねる。リオスはジョナが大金を盗み、その罪をリディアになすりつけようと企図したのだと説くと、自らがカルテルのボスに話を通す意向を示し、リディアを更生させるよう諭す。一方、リディアはカーヴィから連絡を受け、一人では危険である為、人のいる場所へ移り、誰も信用せぬよう命じられる。リディアはそれに従ってアミューズメント施設に訪れる。そこへ、首に致命傷を受けながらも輸血によって生き延びたジョナが現れ、手下にリディアを拉致させる。

ジョンは刑務所を出た直後にカーヴィに連絡を試みる。電話に出たジョナは拉致したカーヴィの声を聞かせると、その場でカーヴィを射殺する。ジョンはジョナの企てを全て聞いた事を明かすと、カルテルの殺し屋を専属の様に使っている事を叔父に知らせると脅し、リディアを解放する取引を持ちかける。ジョナは渋々それに応じる。ジョンはプリーチャーの格納庫に戻ると、プリーチャーを射殺して武器を持ち出し、ジョナに指定された砂漠の荒野に向かう。

ジョンはジョナと三人のギャングが待ち受ける場所に到着すると、丸腰をアピールしてバイクから離れる。ジョナはジョンの手首を縛ってリディアと一緒に車に乗せると、手下にバイクを退けるよう命じる。手下二人がバイクを動かしたその時、ジョンが仕掛けた地雷が爆発する。ジョンは不意を突いて同乗していた手下を射殺し、リディアと共に車から脱出する。ジョナはその場から逃走する。ジョンは高台で待機していたカルテルの殺し屋に狙撃され、負傷する。ジョンはリディアと共に車に身を隠して待ち伏せ、殺し屋を射殺するが、同時に胸に銃撃を受けて致命傷を負う。ジョンはダメな父親で何一つ残してやれなかった事を詫び、リディアの腕の中で息絶える。間もなく、ジョナは駆け付けた警察に見つかり、逮捕される。ジョナはリオスとその一派が待つ刑務所に収監される。

一年後、更生したリディアは、グループセラピーで亡きジョンへの慕情と感謝、そして再起への決意を語る。

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