チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択

ケリー・ライヒャルト監督作「ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択」("Certain Women" : 2016)[DVD]

冬のモンタナを舞台に、それぞれ全く異なる人生を送る三人の女達が経験する転機の行方を描くドラマ作品。

 

真冬のモンタナ州リビングストン。法律事務所を営む弁護士ローラは、依頼人の元大工フラーが勤務先で怪我をした事に伴う労災請求に係る件で相談に乗っていた。しかし、訴権が既に消滅している事を諭してもフラーは納得せず、ローラは八ヶ月も事務所に押しかけ続けるフラーに手を焼き、ビリングスの人身被害専門の弁護士を紹介する。後日、フラーは妻と一緒にその弁護士の元へ相談に訪れ、ローラも同席する。その弁護士はローラと同じ様に、フラーが既に和解金を受け取っている事から訴権放棄と見做され、会社に責任は問えないと説く。フラーは酷く落胆する。その直後、ローラはかねてから交際している既婚者のライアンから連絡を受け、多忙を理由に別れを切り出される。フラーは事務所の前で妻に置き去りにされると、ローラの車に乗り込む。ローラは渋々フラーを送ってやる事にするが、フラーは間もなく自らの人生の悲惨さを嘆き、殺人衝動をも吐露し始める。ローラは痺れを切らしてフラーを降ろそうとする。フラーは終いに泣き出す。その夜遅く、ローラは警察から連絡を受け、フラーが警備員を人質に取って会社に立て籠もっていると知らされる。現場に駆けつけたローラは、刑事と人質交渉人から状況の説明を受けると、防弾チョッキを着せられ、連絡用の携帯を持たされ、フラーの要求するファイルを探すべく、一人で建物三階の書類保管庫へ向かう。ローラはファイルを見つけると、フラーが待つ部屋に移動し、フラーがショットガンを携えながらも警備員の男と和やかに会話しているのを目の当たりにする。フラーはファイルに収められた雇用主たる会社側の言い分を読むようローラに命じる。ローラはそれに従い、会社へ提出された調査報告書を音読する。そこには、会社のずさんな体制がフラーの事故に繋がった事で損害賠償の訴因となり、労災法が適用されると結論付けられている一方で、会社側が用意した人物により、フラーにとって不利な証言の数々が列挙されており、またローラが関わった医師の診断書にもフラーに複視や記憶障害、失神の症状があると記載されており、フラーは自らが会社にハメられたのだと確信する。フラーはローラに改めて裁判をどうすべきか問い質す。ローラはフラーに投降し、理学療法を受けるべきだと訴える。フラーは警備員を解放すると、建物正面を包囲する警察をローラが引きつけている間に裏口から脱出する意向を示す。ローラはフラーから、銃を突きつけられた様に装って車と3000ドルの用意を警察に伝え、時間を稼ぐよう命じられるが、それに従わず、建物から出るやフラーが逃走を企てている事を警察に伝える。フラーは直ちに逮捕される。

ジーナは夫ライアンとの間に儲けた十代の娘ガスリーが、常日頃、反抗的な態度を示す事に手を焼いていた。ジーナとライアンはモンタナの郊外に新居の建築を計画しており、旧知の老夫アルバートの家の敷地に埋まる開拓時代の砂岩を融通してもらうべく、週末にアルバートの元を訪ねる。ガスリーは週末を潰された事に不貞腐れ、車に留まる。アルバートは訪ねてきたジーナ達に対し、先日倒れたばかりだという話をする。ジーナ達はアルバートの身を気遣いながらも、地元の岩で家を建てる計画を明かすと、庭に埋まった砂岩を売って欲しいと請う。アルバートは兄と共にその土地を買った時には既にその岩があった事を明かすと、ジーナ達に砂岩を譲る意向を示す。ライアンはアルバートの心情を慮り、無理強いはしないと説く。アルバートはそれを受け、もう少し考えると答える。ジーナは高くても買う意向を示す。ジーナはライアンが後押ししなかった事に不満を抱く一方で、アルバートに売却を強要している様で若干の後ろめたさを覚える。後日、ジーナ達はアルバートから砂岩を譲り受け、ライアンの仲間達と一緒に砂岩をトラックに積み込む。ジーナは窓越しに作業を眺めるアルバートに微笑んで手を振るが、アルバートはそれを無視する。

孤独な女ジェイミーは、家族の元を離れ、冬期だけベルフライの牧場に住み込んで馬の世話を担っていた。ある夜、ジェイミーは作業を終えて、トラックで町へ出かける。ジェイミーは通りがかった学校に車が入っていくのを見るや、それに倣って校内に向かい、中年の男女数名が集まる教室に入って着座する。間もなく、その日初めて担当するという講師ベスが現れ、学校法の授業を始める。授業後、ジェイミーは通りがかりで登録者では無い事を明かすと、リビングストンから車で4時間の遠出で空腹を訴えるベスをダイナーへ案内する。ジェイミーは食事を注文せず、ベスが食べながら話すのを見守る。ベスはロースクールに通っている内に、勘違いで講師を引き受けてしまった事を悔いると、再び四時間かけてリビングストンに帰り、翌朝の法律事務所での勤務に備えねばならない事を明かす。ジェイミーは授業が面白かったと評価する。ベスは授業が毎週火曜と木曜の二日ずつ、9週間続き、誰も登録の有無は確認しないと説く。ジェイミーは馬を見に来るよう誘うが、ベスはそれを断り、翌日の仕事に備えて帰路に就く。二日後、ジェイミーは再び授業に出席し、ベスとダイナーに行く。ベスはリビングストンから通うのが大変な事から、代任を探している事を明かす。二人は互いの過去について少しずつ語り合う。次の授業の夜、ジェイミーはトラックでは無く、馬に乗っていく。その日、ベスは授業に遅れてやってくる。ジェイミーはベスを馬に同乗させ、食堂へ連れて行く。ベスは貧しい家庭で育った為に、弁護士になれた事自体は良かったものの、勤務先では雑用に忙殺され、夜は学校法を勉強し、授業の日は早退してベルフライまで長時間運転する事が大変だとする、その胸中を吐露する。ジェイミーは再びベスを馬に乗せて車まで送る。ジェイミーはベスとの交流に喜びを見出す。次の授業の夜、ベスの代任の弁護士がやってくる。ジェイミーは落胆し、そそくさと教室を出ると、牧場には戻らず、その足でリビングストンを目指す。夜中にリビングストンに到着したジェイミーは、町を歩き回り、法律事務所を探す。翌朝、ジェイミーはローラの法律事務所を訪ねると、受付でベスについて問い合わせ、ベスが所属する別の事務所の住所を教えてもらう。ジェイミーがその事務所の前に到着して間もなく、ベスが車で出勤する。ジェイミーは戸惑うベスに授業を楽しみにしていたと伝える。ベスは運転が大変であり、代任を頼んだ事ついて言いそびれた事を弁解する。ジェイミーは二度と会えないのは嫌だから会いに来たと伝え、帰路に就く。ベルフライに着いて間もなく、ジェイミーは運転中に居眠りしてトラックを車線から脱落させ、畑に突っ込む。

後日、ローラは収監されたフラーに面会し、食事を差し入れる。フラーは妻が自分を捨てた後、一年間文通をしていたワイオミングの囚人と農場で暮らし始めたという旨を綴った、手紙を寄越してきた事を明かす。フラーはローラに手紙を書いても返事をくれない事に不満を漏らすと、返事は救いになると説く。ローラは返事を書く気になれなかったのだと答える。フラーは逮捕された一件については気にする必要は無いと説き、なんでも構わないから返事が欲しいと請う。ローラは応諾する。一方、ジーナ達は家の建築予定地の前でキャンプする。ジーナはそこに運び込んだ砂岩の山を満足気に眺める。他方、ジェイミーは独りで黙々と馬の世話に励む。

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