チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

T2 トレインスポッティング

ダニー・ボイル監督作「T2 トレインスポッティング」("T2 Trainspotting" : 2017)[BD]

大金を持ち逃げしたレントンが二十年ぶりにエディンバラに戻り、再会したかつての悪友達と犯罪稼業に手を染めていく様を描くクライム・コメディ・ドラマ作品。

 

レントンが12000ポンドを持ち逃げし、エディンバラから行方を晦ましてから二十年後。殺人罪で刑務所に服役するベグビーは、仮出所を切望するも申請を却下され続け、限界的責任能力を主張しなかった弁護士に憤激し、面会中に襲いかかる。工事現場の大工や配管工などを生業とするスパッドは、15年に及ぶヘロイン漬けから一度は立ち直り、別居する妻ゲイル、息子ファーガスと面会するなどして穏やかに暮らしていたが、失業と同時に妻子と遠ざかり、再びヘロインに手を出す様になり、グループセラピーに通っている。相変わらずコカイン漬けのサイモンは、おばから継いだ閑寂とするパブを営みながら、ブルガリア出身の恋人ベロニカを利用して、社会的地位のある男にペニスバンドでファックする様子を盗撮して金を強請る悪事を繰り返す。46歳になったレントンは、移住先のアムステルダムから20年ぶりにエディンバラに戻ってくる。

ベグビーは刑務所から脱走すべく、囚人仲間に頼んで腹を鉄の棒で刺してもらい、病院に搬送される。サイモンは標的の男に盗撮カメラを発見され、恐喝の機会をふいにする。ベロニカは嫌気が差し、元々在籍していたギャングが営むサウナ(実態は売春宿)に戻る事を希望するが、サイモンはベロニカを宥めすかす。実家に戻ったレントンは、父から母の死を知らされる。レントンは母の意向で当時のままにされた自室を懐かしむと、レコードをかけようとして止める。

スパッドは妻への謝意を遺書に綴ると、アパートで服毒自殺を図る。そこへレントンがやってきて、ドアに空いた穴からスパッドの様子を確認すると、部屋に押し入ってスパッドを助ける。スパッドは人生を潰し、死をも潰したレントンに憤怒すると、分前の4000ポンドをヘロインに使ってしまった事を明かす。レントンは落ち着きを取り戻したスパッドに二~三日滞在する意向を示す。スパッドはサイモンに会うよう促す。一方、ベグビーは見張りの刑事を欺き、入院中の病院から脱走する。

夜、レントンはサイモンのパブを訪ねる。レントンアムステルダムで妻と二人の子供と一緒に暮らしている事、会計講座を受けて在庫管理ソフトの小さな会社に勤めている事を明かす。サイモンは妻と息子がロンドンにいて10年会っていない事、パブを継いだものの開店休業状態が続いている事を明かすと、金を持ち逃げした事への怒りをレントンにぶつける。取っ組み合いの大喧嘩の末、レントンは気絶する。程なく目を覚ましたレントンは、分前の4000ポンドを置いて立ち去る。サイモンはそれに納得せず、自らの計画に相棒として誘い込んで後悔させてやろうと決意する。一方、ベグビーは妻ジューンと息子フランクJrが暮らす自宅へ逃げ戻る。ベグビーは久しぶりに対面したフランクJrを自らのビジネスに協力させる意向を示す。フランクJrはホテル経営の学位を取得すべく大学に通っている事を明かすが、ベグビーは笑い飛ばす。ベグビーはジューンとセックスしようとするが勃起できない事に気付く。

サイモンはパブを改築してサウナを開業し、ベロニカをマダムに据える計画を企図し、その為の資金を工面するとベロニカに約束する。レントンは不健康なスパッドを山へジョギングに連れ出す。スパッドはヘロイン断ちへの決意を新たにする。レントンは夢中になれる事を探すよう促し、ボクシングを例に挙げる。アムステルダムに帰る直前、レントンは再びサイモン、ベロニカと会う。サイモンが離席すると、ベロニカはレントンにサイモンのビジネスを助けて欲しいと請うが、レントンは立ち去る。サイモンはレントンを黙って行かせた事に憤る。レントンは空港で帰るのを翻意し、サイモンの家を訪ねる。レントンは子供がいると言ったのは嘘で、15年の結婚生活を終えようと考えている事、会社の合併に伴い、学歴も資格も無い自分は失業の憂き目に遭いそうな事、三ヶ月前に急性冠不全で倒れ、手術をし、全快した事を明かすと、帰るべき家庭も家も無いのに、この先の人生に何をすればいいのかと嘆き、サイモンが打診した計画の資金調達に協力する意向を示す。

ベグビーはフランクJrを率いて金持ちの家に侵入し、金目の物を強盗すると、それを仲間のマイキーの倉庫に持ち込んで換金する。ベグビーは再びジューンとのセックスに臨むが、勃起不全に苦悩を募らせる。一方、レントン達はプロテスタントの集会に忍び込み、参加者らの服やバッグから大量のキャッシュカードを首尾よく盗み出すと、直ちにATMで現金を引き出して荒稼ぎする。スパッドは一念発起してボクシングジムに通い始めるが、初日でノックアウトされ、ジムを後にする。スパッドはその足で妻子が暮らす家を訪ね、ゲイルから昔の思い出が詰まった写真の数々を受け取る。一方、ベグビーはフランクJrから強盗への協力を拒否され、憤慨し、失望を露わにして出ていく。

程なく、サイモンは恐喝した男から身元を特定され、訴えられる。それを知ったレントンはベロニカと共に、弁護士として出世したダイアンの事務所を訪ね、弁護を依頼する。ダイアンは原告の依頼に拠る合意に基づく行為であり、その代金を請求しただけだとする弁護方針を立て、サイモンが微罪で済むよう取り計らうと、ベロニカはレントンの恋人には若すぎると釘を刺す。

サイモンは弁護料で開業資金を費消し、新たな資金源を必要とする。レントンは、中小企業向けの地域再生を主眼にした振興事業用の10万ポンドを上限とするゼロ金利融資に目をつけ、直ちに申請する。スパッドは改築工事の協力に応じる。そんな折、ベグビーがサイモンを訪ねてやってくる。サイモンは、友人が出張先のアムステルダムのカフェでレントンを見つけ、悠々自適に暮らしている様だったと嘘をつく。ベグビーは憤怒し、すぐにもアムステルダムに乗り込む意向を示す。サイモンはベグビーにパスポートと航空券が揃うまで大人しくしているよう促す。ベグビーはレントンに対する殺意を露わにする。

ベロニカはレントンに、サイモンとは肉体関係が一度も無い事を明かす。レントンは人生訓を熱弁してベロニカの気を引き、セックスする。ベロニカは故郷が恋しく、帰国を望んでいるものの、手ぶらでは無理なのだと説く。スパッドは改築作業に精を出す傍ら、自らのアパートから家財を棄て去り、一心不乱に小説を綴り始める。ベグビーはマイキーの倉庫に潜伏している最中に、隠された大量のバイアグラを見つけ、持ち出す。

程なく、レントンはサイモンと共に融資審査のプレゼンに臨み、大言壮語をひけらかして熱弁を振るう。ベロニカはスパッドの昔語りに興味を示し、それを自伝として綴るよう勧める。その後、レントン、サイモン、スパッドは二十年前にトミー、ベグビーを含む五人で訪れた高原に、亡きトミーを偲びに出かける。レントンはスパッドが綴ったトミーへの弔辞を読む。スパッドは持参した花を手向ける。サイモンはトミーの死の責任をレントンに問う。レントンはサイモンがアリソンの赤子を死なせた罪について論う。

街に戻ると、レントンとサイモンはスパッドのヘロインを射ってクラブへ繰り出す。一方、ベグビーはバイアグラを飲んで、同じクラブに女をナンパしにやってくる。レントンはベグビーと偶然トイレで鉢合わせになるや、慌てて店を飛び出し、ベグビーは猛追する。レントンは立体駐車場に逃げ込むと、外へ出ようとする車にしがみついて逃走を図るが、その際にベグビーにナイフで腕を切られる。レントンは車から振り落とされるもベグビーから逃げ切る。ベグビーは勃起を自覚する。

翌日、レントンはサイモンにベグビーの脱走の件を問い質す。サイモンはいつでも差し出せたが黙っていたのだと説く。その矢先に、二人はエディンバラの全てのサウナを仕切るギャングのボスに拉致され、街の外の森へ連行される。夜、二人はボスから出店を止めるよう恫喝され、森に裸で置き去りにされる。翌朝、二人は歩いて街に戻ると、ベロニカのアパートに身を寄せる。サイモンはサウナ開業の計画が潰れた事を嘆くが、ベロニカは10万ポンドの融資が認められた事を伝える。

サイモンはベロニカに、今度は自分がレントンを裏切る番だと息巻く。一方、レントンもサイモンに義理は無いと説き、裏切る意向をベロニカに伝える。スパッドは手書きの原稿をベロニカの部屋に届けてアパートに戻る。そこに待ち受けていたベグビーは、スパッドにレントンの居場所を問い質すが、スパッドはしらを切る。ベグビーは壁一面に貼り付けられた手書きの原稿が、自分達の過去を仔細に綴っていると気付き、その一部をスパッドに朗読させる。ベグビーはスパッドが綴った自らの武勇伝に興奮するが、レントンが金を持ち逃げした際にスパッドに分前を残し、それをスパッドが黙っていた事を知って憤激する。そこへ、スパッドの原稿に目を通したベロニカがやってくる。ベグビーはベロニカがサイモンの恋人だと知ると、レントンの居場所を問い質し、携帯を差し出すよう命じる。ベロニカは代わりに自分とスパッドの解放を求め、携帯を渡す。

ベロニカはスパッドを自宅へ連れて行くと、自らの企てへの協力を求める。ベグビーはベロニカを装ってレントンとサイモンそれぞれをパブへ呼び出す。ベグビーはスパッドの原稿から、酒浸りだった惨めな自分の父親に関する記述を読むや、自宅に戻る。ベグビーはひと仕事して姿を消す意向を示すと、最後にフランクJrに別れを告げに来た事を明かす。ベグビーはフランクJrに、しっかり生きて、父親の自分を超えるよう諭して出ていく。

レントンとサイモンはパブで対面し、ベロニカにハメられたと悟る。間もなくスパッドが血相を変えてやってきて、直ちに逃げるよう促す。そこへベグビーが現れ、全員死ぬしか無いと説くと、まずサイモンを殴り飛ばし、レントンにサシでの勝負を求める。レントンは二階に逃れる。レントンに対する恨みを露わにするベグビーは、屋上へ逃れようとしたレントンを捕まえると、床に空いた大穴から階下へ突き落とす。レントンは剥き出しのケーブルで首を吊られる。ベグビーはレントンの体を引っ張って縊死させようとする。そこにサイモンが駆けつけ、ベグビーを催涙スプレーで退け、レントンを助け出す。ベグビーは持参したショットガンに弾を装填し、レントンら目掛けて撃とうとするが、スパッドは便器でベグビーを殴り飛ばして、それを阻止する。

レントン達は昏睡したベグビーを車のトランクに閉じ込めると、刑務所の前に車ごと置き去りにする。その頃、裏切りを実行したベロニカは、故郷のソフィアに戻る。ベロニカはスパッドに一緒に来るよう誘ったが、スパッドはそれを拒んだ為、分前をゲイルとファーガスに送る事を約束し、スパッドはサインを忠実に真似る才能を使ってレントン、サイモン名義で融資された10万ドルを、ベロニカの口座に送金したのだった。スパッドはゲイルの家を訪ね、小説の原稿を託す。ゲイルはそれにタイトルを付ける。レントンは実家に戻り、父と抱き合うと、自室でレコードを再生する。三人の人生の再スタートが示唆される。

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