チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

偽りの忠誠 ナチスが愛した女

デヴィッド・ルボー監督作「偽りの忠誠 ナチスが愛した女」("The Exception" : 2016)[DVD]

第二次大戦中、退位したドイツ皇帝の護衛隊指揮を命じられたナチス高官と、メイドとして潜入していた英国スパイの女が恋に落ち、互いに使命と愛の狭間で葛藤する様を描くロマンティック・戦争ドラマ作品。

 

1940年5月、ベルリン。ポーランド侵攻の際に、義憤に駆られて上官を殴った廉で現場を外されたナチス親衛隊のブラント大尉は、軍法会議を免れるも、戦地で殺した女子供の悪夢に苛まれ続ける。ドイツがベルギーとオランダに侵攻した日、ブラントは辞令を受け、退位を強いられた後も大きな影響力を持ち、オランダの片田舎で隠遁生活を送る元皇帝ヴィルヘルム二世の安全を図るべく、皇帝護衛隊の指揮官に就任し、ユトレヒト郊外のヴィルヘルムの屋敷へ赴く。

到着したブラントを皇帝の副官シグルド大佐が迎え、メイドへ手出しせぬよう釘を刺す。ベルリンの支持者と密通し、ヴィルヘルムの復権を画策する妻ヘルミーネは、ブラントの就任を好機と捉え、ブラントに良い印象を与えるようヴィルヘルムに促す。間もなく、ブラントはゲシュタポのディートリッヒ警部補の元へ挨拶に訪れる。ディートリッヒはブラントにヴィルヘルムの動向把握の協力を求め、ヴィルヘルムのドイツ政権への言動や先の大戦への見解などを逐一報告するよう要請すると、周辺で傍受された無線から英国のスパイがおり、ヴィルヘルムの暗殺を企んでいる可能性を伝える。一方、屋敷で働きだして間もない新人メイドのミーカはヴィルヘルムに気に入られるが、ヘルミーネには疎まれる。その夜、ブラントは屋敷の離れの宿舎にミーカを呼び出すと、服を脱がせて半ば強引にセックスするが、戦地で負った腹の古傷の痛みを訴えて途中で止める。

翌晩、ブラントは晩餐に出席する為に屋敷を訪ねる。シグルドは聞き役に徹するようブラントに命じる。ヴィルヘルムは歯に衣着せぬ物言いで、自らが統治していた頃のドイツの昔話を饒舌に語る。ヘルミーネはブラントに話を向ける。ブラントは両親の死について、あたかもヴィルヘルムの悪政に原因を求めるかの様に皮肉を並べ立てる。ヴィルヘルムは途端に憤慨し始め、ドイツに人生を捧げてきたのに今やこの有様であり、恩を仇で返されている自分こそ被害者だと主張して退席する。ヘルミーネはヒトラーへの批判の意図は無いとブラントに弁解する。ブラントが宿舎に戻ると、待ち伏せていたミーカはブラントに服を脱ぐよう促し、古傷に触れる。ミーカはブラントをベッドに押し倒すと、跨って一方的にセックスし、そのまま屋敷へ戻る。

翌日、ブラントは屋敷への移住を申請する。シグルドはブラントから聞いたスパイの件をヴィルヘルムに報告する。ヴィルヘルムは意に介さず、日課とする池のカモの餌やりに行く。ヘルミーネは晩餐の件で気落ちしているヴィルヘルムを案じる。シグルドは復権への希望が負担になっていると説くが、ヘルミーネは復権まで気丈でいなければならないと応える。ミーカはヴィルヘルムに促され、餌やりに付き合い、ヴィルヘルムの境遇に同情する。その後、ミーカはブラントを屋敷に用意された部屋へ案内し、自分の部屋の場所も教える。間もなく、屋敷にディートリッヒがやってきて、無線の発信元が村にあるのは確実な事から、探知機を増やして場所を突き止める意向をブラントに伝える。ミーカは買い物を装って村へ行き、英国への無線連絡を担っている牧師の元を訪ねると、スパイだと察知されている事を報せる。牧師は機を見計らって作戦を実行するよう命じ、それが済めば解放すると約束する。ミーカは屋敷に戻るや、拳銃を部屋の隅の穴の中に隠す。

ブラントはミーカの留守中に部屋に忍び込んで待ち伏せし、ニーチェの「善悪の彼岸」を見つける。ブラントは戻ってきたミーカに、宿舎に呼び出した夜の事について詫びる。二人は惹かれ合いセックスする。ブラントは古傷について問われ、榴散弾で負った事を明かす。ミーカは自らがユダヤ人だと明かす。ブラントはそれでも構わないと応える。明け方、ブラントはミーカに素性を黙っているよう促し、部屋を後にする。ブラントはテーブルに置いていた煙草の箱に付いた拳銃の香りに気付く。そこへディートリッヒがやってきて、明日ヒムラーが屋敷を訪問し、晩餐に同席する事を報せると、訪問に備えて屋敷のがさ入れを行う意向を示す。ブラントは直ちにヒムラー訪問の件をヴィルヘルムに伝えに行くが、ベルリンから報せを受けたヘルミーネが先に伝える。ブラントはディートリッヒにはヴィルヘルムの冗談が通じないとシグルドに忠告する。その際、ブラントはメイドは銃の手入れはしないと聞く。ヘルミーネはブラントに対し、ヴィルヘルムの冗談を聞き流すよう請うと、自分が奔走して貰えている手当がいつ打ち切られてもおかしくない事から、此度のヒムラーの訪問は極めて重要だと説く。更にヘルミーネは、訪問の目的は帝政復古しか考えられず、厳しい時代だからこそ英知と経験があり、教会や貴族や軍から忠誠を集める皇帝が必要だと説くと、ヒムラーに意見を求められたら不利益にならぬよう取り計らって欲しいと懇願する。

間もなく、ゲシュタポによるがさ入れが始まる。ブラントは自らミーカの部屋を担当し、スパイの証拠たる物を探す。ヴィルヘルムはミーカを伴ってカモの餌やりを行う。ヴィルヘルムはミーカに恋人の有無を尋ねる。ミーカは知り合ったばかりの気になる人がいると答える。ヴィルヘルムは自らの過去の恋愛について饒舌に語ると、ミーカに選択を誤らず、未来を恐れず、今を楽しむよう促す。ブラントは物証を見つけられず、がさ入れを終える。その後、ミーカは拳銃を持ち出して牧師の元へ向かう。ミーカは牧師にヒムラーの訪問を報せると、任務を変更し、ヒムラーを殺害して、親衛隊に殺された父と夫の恨みを晴らす決意を示す。牧師は自殺行為だと制止するが、ミーカは決行をロンドンに伝えるよう請う。牧師は承諾し、明日屋敷に行って返事を伝えると約束する。ブラントは二人が密会している様子を窓の外から盗み見る。

その夜、ゲシュタポは無線の発信元を特定し、牧師を拘束する。ミーカはブラントの部屋で一夜を共にする。ミーカは悪夢で目覚めたブラントにその内容を尋ねる。ブラントは初任地のポーランドで親衛隊が女子供ばかりを殺し、まだ息のあった女の子も助けられなかった事で、隊長をドイツ国民の恥だと考えて部隊の前で殴った事を明かす。ブラントはミーカの帰り際に求婚し、ユダヤ人でも自分が守ると誓うが、ミーカはできるわけが無いと答える。そこにヘルミーネがやってきて、二人の関係が発覚する。ヘルミーネは二人をヴィルヘルムの元へ連行すると、ブラントを叱責し、ミーカに解雇を言い渡す。ヴィルヘルムはそれを止め、二人以外を退席させると、自らも過去に不道徳な関係を持った事を明かし、偽善は不道徳では無いと説く事で寛大に対処する。その直後、ブラントはディートリッヒから連絡を受ける。ディートリッヒは拘束の後、拷問した牧師の元へブラントを招くと、じきにスパイを白状するとの見込みを伝える。ブラントはミーカがスパイだと確信し、愕然とする。一方、ヘルミーネはヒムラーの訪問を喜ばないシグルドを非難する。シグルドはヒムラーに対するヴィルヘルムの忌憚なき言動への憂慮を示すと、手当が打ち切られ、夫妻共々殺されるかもしれないと危惧する。ミーカはヒムラーの到着を前に、殺害決行に備える。

午後、ヒムラーが屋敷に到着する。ヴィルヘルムとヘルミーネは玄関でヒムラーを迎え、屋敷へ招き入れる。ブラントはミーカと二人きりになると、牧師が捕まった事を明かし、自分と寝たのは命令なのかと問い質すが、ミーカはそれを否定する。ブラントはミーカに屋敷から逃げるよう命じ、自分に国を裏切らせないよう請う。ミーカはブラントが使命を果たせば、自分もそうすると答える。一方、ヘルミーネはヒムラーに賄賂を送る。その後、ヴィルヘルムはヒムラーとの二人きりでの会談に応じ、条件付きでの皇帝としての復帰を打診される。ヴィルヘルムはそれをヘルミーネに伝える。ヘルミーネは甚く喜び、ベルリンへの引っ越しを計画する。晩餐直前、ブラントとディートリッヒが宿舎でくつろいでいると、ヒムラーがやってくる。ヒムラーはヴィルヘルムにヒトラーの意思として伝えた皇帝復帰の話が実は罠であり、君主制の信奉者や支持者を一掃するのが目的だと明かすと、屋敷内外のやり取りを見張るよう二人に命じる。その後の晩餐で、ヒムラーユダヤ人に対する対策の必要性を説き、かつて研究施設で視察した、障害を持つユダヤ人の子供達をいとも簡単に薬殺する様子を冷徹に語ると、その場を後にする。それを聞いていたミーカは、それが今のドイツの正義であり、ブラントは異端なのだと説く。

ブラントは国家への忠誠に勝るものがあるかとシグルドに尋ねる。シグルドはまず忠誠に値するか考える事だと答える。ブラントはヒムラーの提案が罠だと明かし、ヴィルヘルムに伝えるよう促す。シグルドはブラントに謝意を示す。ミーカは森へ薪割りに行ったヴィルヘルムに会いに行き、別れを告げると、チャーチルからのメッセージを伝える。その矢先にヴィルヘルムが不調で倒れ、ミーカは屋敷へ助けを求めに行く。ヘルミーネとシグルドは直ちにヴィルヘルムの元へ向かう。その時、ブラントはゲシュタポからスパイの正体判明の連絡を受ける。ブラントはミーカの逃走を手引きする。ヴィルヘルムは英国へ亡命し、戦後にドイツの皇帝になるよう提案されたが、丁重に断った事をヘルミーネに伝えると、ベルリンには戻らずにヘルミーネと屋敷に留まる決意を示し、それが定めだと説く。ヘルミーネは理解を示す。

間もなく、ゲシュタポが屋敷に駆け付ける。ブラントはヴィルヘルムを病院へ搬送すべくバンに乗せると、隠れていたミーカを拾って敷地から出ようとする。ディートリッヒと門番はブラントに荷台を調べさせるよう命じる。ミーカは咄嗟に錠剤を口に含んで自殺に備える。門番が荷台を開けると、ブラントはミーカの拳銃で門番とディートリッヒを射殺し、逃走する。ブラントは屋敷から離れたところでバンを止める。ミーカは荷台から降りると、ブラントに一緒に来るよう促す。ブラントは国を捨てられないと応えると、守りたいものができたと説く。ミーカはブラントに口づけして森の中へ向かう。ブラントはミーカに改めて求婚する。ミーカは快諾して去っていく。ブラントは拳銃を傍の池に捨て、バンを病院へと走らせる。

数ヶ月後、ベルリンで事務作業に従事するブラントの元へ「善悪の彼岸」が届く。ブラントはその背表紙に記された「私の愚かな友達へ、ロンドンより」を見るや、ヴィルヘルムの屋敷に連絡し、朗報が来たと伝える。ブラントはミーカに想いを馳せて微笑む。一方、子を身籠ったミーカは、チャーチルの元へ招かれる。

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