チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

フレンチアルプスで起きたこと

リューベン・オストルンド監督作「フレンチアルプスで起きたこと」("Force Majeure" : 2014)[DVD]

平凡な四人家族がバカンスに訪れたスキーリゾートで雪崩の脅威に遭遇し、事なきを得るものの、それがきっかけとなって不和を生じさせていく様を描くコメディ・ドラマ作品。

 

スウェーデンの四人家族(父トマス、母エバ、娘ヴェラ、息子ハリー)は、仕事漬けのトマスの家族サービスでフレンチアルプスのリゾートホテルにバカンスにやってくる。初日、四人は早速スキーを満喫した後、休息を取る。翌日、四人は雪山を眺望するテラスのレストランで昼食を取る。その最中、雪山で爆破に因る人工雪崩が起きる。四人を含む、テラスに居合わせた客達は、最初こそ小規模な雪崩の見世物だと高を括るものの、やがて雪崩がホテルの方へ押し寄せてくると、一斉にパニックに陥る。トマスは助けを求めるエバと子供達を置き去りにして、一目散に逃げ出す。間もなく、雪崩はホテルの目の前で収まり、エバ達は雪の飛沫に覆われただけで事なきを得る。トマスは他の客達と共に何食わぬ顔で席に戻ってくるが、エバ達との間に不協和音が生じ、一家は無言のまま食事を続ける。その後、一家はスキーに出かけるも沈黙が続き、早めにホテルに戻ってくる。エバは子供達を部屋に入れると、トマスの言い分を聞こうとする。トマスはエバに軽く弁解する。子供達は両親の態度を見て拗ね始める。夜、トマスは持参したドローンを外に飛ばして遊び、一家は何事もなかったかの様に振る舞う。その後、トマスとエヴァは、ホテルで知り合ったシャーロットとその行きずりの男とバーで談笑する。その際、トマスは昼の雪崩について笑い話として語る。エバは咄嗟に、トマスが携帯と手袋を掴んで、自分達を置き去りにして逃げ出した事を明かす。トマスはそれを否定し、認識の違いだと強弁する。二人は蟠りを抱えたまま部屋に戻ると、子供達が寝た後で部屋の前の通路に出て口論する。エバは起きた事を認めないのはおかしいと説き、トマスはエバが自分の見方を押し付けていると反駁する。エバは夫婦で認識を共有すべきだと主張する。トマスは休暇を台無しにする事を嫌い、全て水に流す事で落着を図るよう求める。しかし、エバの不満は解消されず、口論は続く。

翌日、エバはトマスに子供達を任せ、一人で滑りに行く。その後、エバはバーでシャーロットと談笑する。エバは男性経験の多そうなシャーロットに対し、浮気について夫がどう考えているのか尋ねる。シャーロットは互いに責任を自覚している事から問題は生じず、自らは夫が浮気したら嫉妬せず、逆に喜ぶと答えると、人生で大切なのは夫や子供達だけではなく、また妻や母親の立場だけでは自尊心を満たせないのだと説く。エバは子供を傷つける事にならないか尋ねる。シャーロットは、子供達を健康で幸せに育てようと努力しており、何よりも自分が喜ぶ事が大切なのだと答える。エバはシャーロットの考え方は気楽に過ぎ、社会への挑発に当たると詰る。一方、トマスは拗ねて言う事を聞かないハリーにその理由を尋ね、ハリーはエバと別れないで欲しいと訴える。エバは再びゲレンデに出た際に、人気のない林の中からトマスと子供達の様子を見て落涙する。

その夜、一家はホテルで出会ったカップルのマッツとファニを部屋に招いて夕食を囲む。食事の後、トマスとエヴァはマッツとファニと酒を飲みながら談笑する。酒が進んだエヴァは突然、昨日の雪崩について蒸し返し始め、困惑するマッツとファニに当時の状況を詳細に描写し、涙を堪えながら語る。エバは黙りこくるトマスに何か話すよう促す。マッツは広い視野と寛大な精神で考え方を見直すよう促すと、突発的な状況では思ってもみない行動を取るものであり、動物なら極限の状況で生き延びたいと考えるのは当然だと説き、トマスを擁護する。エバはその指摘に疑義を呈す。トマスはエバの話が大げさだと説き、再び認識の違いだと主張する。エバは一目瞭然の証拠と称し、携帯で撮った当時の一部始終をマッツとファニに見せる。マッツは、トマスが雪崩に飲まれてしまっては家族を救えないから、一旦退避した後で戻ってこようと考えたのではないかと説き、トマスに助け舟を出す。マッツとファニが去った後、エバは子供達と眠りに就き、トマスは茫然自失して泣く。マッツとファニは部屋に戻る途中で、雪崩の件について議論を続ける。ファニはマッツもトマスと同じ様に逃げ出しそうなタイプだと指摘する。マッツはそれを否定するが、ファニはマッツが子供達の面倒を元妻に押し付け、自分とバカンスに興じている事を論拠に挙げる。マッツは部屋に戻った後もファニの指摘に蟠りを抱き続ける。ファニは仮定の話だと説き、考えすぎないよう諭す。マッツはファニに自分を信じて欲しいと請う。

翌日、トマスはマッツと一緒にゲレンデに出かけると、人気のない山頂付近まで登って、滑りを楽しむ。マッツは尚も思いつめるトマスに、腹の底から叫んで、溜まったものを吐き出すよう勧める。トマスはそれに応じる。トマスはゲレンデを降りてマッツとしばし寛いだ後、ホテルに戻るが、キーを忘れた事に気付く。部屋には誰もおらず、エバと連絡が取れない為に、トマスは途方に暮れ、方々を探し回る。その最中、トマスは男達の乱痴気騒ぎに巻き込まれ、裸で酒を浴びせられる。トマスがホテルに戻ると、エバが部屋から現れ、プールで泳いでいた事を明かす。トマスはエバの体を求めようとするが、エバは素っ気ない態度であしらう。トマスは癇癪を起こし、エバを通路に呼び出す。トマスは座り込むや、自らへの失望を露わにし、これまでの嘘や浮気をも告白し、更に最低な男だと嘆いて人目を憚らず喚き始める。エバはトマスを部屋に戻すも、落ち着かせるのに苦慮する。寝室で二人のやり取りを聞いていたヴェラとハリーは、トマスの元に駆け寄って一緒に泣き始める。ヴェラはエバにも同じ様に振る舞うよう求める。

翌日、一家は最後のスキーに出かける。吹雪いて視界が悪い中、トマスはハリー、ヴェラ、エバの順番で並んで滑るよう促す。トマスは下まで滑りきったところで、エバがいない事に気付く。トマスはエバが助けを求める声を聞くなり、ヴェラとハリーをその場に残し、エバを助けに行く。間もなく、トマスはエバを抱えて戻ってくる。一家はエバの無事を喜ぶ。午後、一家はホテルを出発し、バスで山道を下る。バスにはマッツ、ファニ、シャーロットらも乗り合わせる。運転手がカーブで何度も停止と発進を繰り返すと、エバはその危なっかしい運転に痺れを切らし、降ろすよう命じる。運転手がドアを開けてエバが外に飛び出すと、他の乗客達も一斉に降り始め、シャーロットだけが車内に留まる。バスはそのまま山道を下っていく。一同はその様子を見届けると、日の入りが近づいた薄暗い山道を、歩いて降りる。トマスは他の客に勧められ、子供達の前では吸った事のなかったタバコを吸う。

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