チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

I missed you, BYS.

昨晩から「数年に一度の猛吹雪」などというオドロオドロしいフレーズと共に、警戒を呼びかけるアナウンスがされ続けている。昨日はドカ雪が積もりに積もり、30~40センチ程の深さになったが、今日は一転して気温が上がり、霙から雨に変わるらしい。氷雨で濡れ鼠になるのはゴメンだから、恒例の火曜市への買い出しはパスしようかと考えているところ。風邪の初期症状は収まりつつあるし、ここで無理はしたくないのである。

昨日は通院日だったので、新雪で覆われたロード・トゥ・クリニックをヘトヘトになりながら往復してきた。今年最後の診療ということで、先生とは今年の総括的な内容でポツポツと会話をし、来年への淡い期待なんかも告げておいた。正直なところ、来年になれば、より一層状況が悪化するだけだとは思うが、それを先生に話しても詮無い事。全ては自分次第なのだ。そう言いながら、今年もあっという間に1年が経ってしまったワケだが・・・

さて、通院と言えば、馴染みの調剤薬局で、会える美人薬剤師Sさんこと、BYSへの拝顔が何よりの楽しみなのだが、ここ数ヶ月の間、一度もそのお姿を確認できずに、とても寂しい思いをしていた。しかし昨日、久しぶりにBYSに再会する事ができた!再会とは言っても、10メートル程離れた場所から、BYSの働きぶりを生暖かい目で観察しただけなのだが、BYSはお元気そうで本当に良かった。そして相変わらずお美しい方である。脳内のBYSのイメージがぼやけ始めていたから、早速最新のイメージにアップデートし、自分の順番が回ってくるのを待った。残念ながら、昨日はBYSに調剤を担当してもらえなかったが、年の瀬にほっこりと幸せな気持ちになり、ドカ雪の中、帰路に就いた。来年こそBYSの調剤の機会が廻ってくる様に願って・・・Merry Christmas, BYS.

ハンパなくキモい戯言を垂れ流し、お目汚ししてしまった事を深くお詫び申し上げる。

 

映画鑑賞記

ブランドン・クローネンバーグ監督作「アンチヴァイラル」("Antiviral" : 2012)

セレブ信仰が蔓延り、そのウィルスまで売買される頽廃的な社会で起こる、ある事件の顛末を描くホラー作品。

庶民のセレブに対する憬れが、その全てに同一化したいという欲望まで生じさせた時代。社会にはセレブの細胞から培養した食用肉や、セレブから抽出したウィルスを売るビジネスが蔓延り、セレブに陶酔する庶民らがそういった「商品」に群がるのだった。ルーカス・クリニックでは、セレブからウィルスの提供を受けると、まずその解析を行い、抗ウィルスを作製することで治療を行う。次にそのウィルスを、セレブと同じ症状に罹ることで、同一の体験をしたいと望む客の体内に注入し宿す、という施術を行っていた。ルーカス・クリニックに勤務するシド(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)もまた、連日、セレブに魅了された客を相手に施術を行う有能な男だった。しかしその一方で、彼は自身の体内に、商品であるウィルスを秘密裏に宿す事で、社外に持ち出し、闇取引で横流しするという不正を行っていた。ある時、同僚のデレクが同様の不正で逮捕され、シドがデレクの担当していた顧客セレブのハンナ(サラ・ガドン)の元へ代理として遣わされる。ハンナは重い病に冒されており、シドは解析の為にウィルスの提供を受けるのだが、それを即座に自身の体内に宿す。シドもまたハンナに魅せられた男だったのである。ところがそれ以降、シドはハンナを巡って何者かが画策する事件に巻き込まれていくのだった。

ホラーの巨匠デヴィッド・クローネンバーグの息子ブランドンの初監督作品。退廃的な美しさに彩られ、独特な世界観で構築された、なんとも奇天烈な感じのホラー作品。本作の世界では、庶民のセレブ愛が昂じる余り、セレブから培養した肉が公然と売りに出されたりしており、人々が殺到する程に人気を博していたりする。なんともグロテスクな設定ではあるのだけど、それに至る経緯などは深く語られる事もなく、食べたからどうなるってワケでも無い様子。しかしレストランなんかでも普通に提供されていたりして、厳密には人肉食とは違うけれども、それに近いことが行われている社会らしい。シドが勤務するのは、セレブから抽出したウィルスを客に宿す施術を行っているクリニックで、セレブと同じ病気に罹って喜んじゃう客で引きも切らない。ウィルスには施術前にセキュリティをかけるから、指定した客以外には発症しないという事になっていると。このぶっ飛んだ設定がアタマに入ってくるまで、結構時間がかかるのよね。最上級のセレブ、ハンナのウィルスを巡って、闇組織とライバル企業の仕掛けた罠に、シドが翻弄されながらも、ハンナに対する偏執的な愛を成就させるまでを描ききる、やや難解なハナシではある。他ではなかなかお目に掛かれない怪作であり、1作目とは思えぬその完成度には舌を巻きますな。

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