チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

サバイバー

ジェームズ・マクティーグ監督作「サバイバー」("Survivor" : 2015)[BD]

テロへの関与を疑われた大使館職員が、捜査当局と、テロ組織の仕向けた殺し屋に追われながらも、陰謀を暴き、テロ計画を阻止すべく奔走する様を描くスリラー作品。

 

ワシントンD.C.出身で外交保安局の職員ケイトは、911で親友を亡くして以来、テロを未然に防ぐ為に職務に心血を注いでおり、その優れた能力と功績が認められ、ロンドンの米国大使館の査証申請を扱う係官に着任する。ケイトはチームのリーダー、サムの右腕として、5人のメンバーらと共に不審人物による査証の申請に目を光らせる。

12月29日、サムはメンバー達に気になる申請書は全てケイトに回す様に命じる。メンバーの一人、ナオミは医療ガスを専門に扱う科学者バラン博士の対応をケイトに依頼し、ケイトはそれに応じる。バランは医学会へ出席する為の訪米だと説くが、ケイトはバランが一般医なのに小児科の学会へ出席する意義を訝り、顧問を務めるヴィッカー製薬の照会状を要求する。そこに年長のメンバーで、ケイトと対立しがちなビルが介入する。ケイトはバランの申請に係る不自然な点を論うが、ビルはそれを意に介さず、人員不足で常に業務が遅れ気味であり、搭乗できなかったら自分に苦情が寄せられ、大使も激怒するのだと説き、ケイトを痛烈に非難する。ケイトは自分の仕事をしているだけだと反論し、バランの申請を保留扱いに処す。バランはテロ組織のボス、パヴルーの元へ戻り、新任のケイトが障害で出国できない事を報告する。パヴルーは直ちにコードネーム「時計屋」と称される超一流の殺し屋ナッシュの元を訪ね、対処を依頼する。

その夜、ケイトは独りで残業を続ける最中、チームが最近調査した不審な科学者4人が皆、ビルの承認で渡米した事を知ると、ナオミに問い合わせる。ナオミは、途中でビルが調査の手伝いを申し出た為に、引き継いだ事を明かす。一方、ナッシュは高性能小型爆弾の製作に取り掛かる。

翌日、ケイトはヴィッカー製薬を訪ね、バランの上司に照会状の件を問い合わせると共に、バランの人物証明書を要求する。上司はそれに憤慨し、逆に内務省の公式文書の提出を要求する。ケイトは大使館に戻ると、ハウイの管理する、申請者の記録された査証リストのUSBを、サムの許可を得たと偽って受け取る。

バランの上司の横槍で、対テロ捜査の指揮官アンダーソン警部が大使館に送り込まれる。アンダーソンはケイトのヴィッカーへの対応を非難し、司法長官や内務大臣までもが問題視する一大事になっている事を明かす。そこに大臣から苦情の連絡を受けた、大使クレインが駆けつける。ケイトは調査の詳細に関して秘匿する。アンダーソンはバランが政府にコネを持つ医師だと説くが、サムは全幅の信頼を寄せるケイトの意向を尊重する意思を示す。アンダーソンは、バランの妻が数年前に米国での緊急治療を目的に査証の申請をしたものの、官僚主義者の対応のせいで査証が拒否され、死んだ事を明かすと、バランの心情に格別に配慮する様に促す。クレインはケイトを非難すると、サムに事態の収拾を命じる。サムはケイトの勘を信じる意向を示す。

その日、ケイトはチームの同僚4人と共に、ビルの誕生日祝いをする為にレストランへ向かう。ケイトはビルに折り入って話を持ちかけるが、ビルは緊急の電話で呼び出され、大使館に戻る。ビルは自らが承認したバランを含む5人の科学者のファイルを全て消去する。程なく、ナッシュが送った爆弾を収めた小包がレストランに届き、ケイト達が店に到着するのに合わせて、爆弾が料理の装飾に詰め込まれる。一同はビルへのプレゼントを用意しておらず、ケイトが代表してレストランの前に雑貨屋へ買いに出る。レストランの前で待機するナッシュは、テーブルに料理が運ばれた直後に遠隔操作で起爆すると、激しい爆発でレストランは大破する。ケイトは爆風で吹き飛ばされるも、間もなく意識を取り戻し、惨状を目の当たりにする。ナッシュはケイトが生きている事を知ると、銃で始末しようとするが、不意に傍のガスボンベが破裂した事で遮られる。ケイトはナッシュの銃撃を退け、人気の多い大通りに逃げ込む。

サムは大使館で爆破を察知し、情報分析官のサリーに防犯映像の解析を依頼すると、現場に急行する。アンダーソンは標的が大使館職員で、店内にいた4人を含め、十数人が死傷し、防犯カメラが全滅した事を明かすと、ケイトの死体が無い事から生きている可能性を説く。サリーはビルがレストランにいなかった事をサムに伝える。アンダーソンはケイトを容疑者に指定し、警察とMI5への照会を要請すると、ケイトの親友で画家のリサの監視を部下に指示する。サリーはケイトのIDカードに搭載された探査装置の信号を追跡する。

ケイトは緊急時プロトコルに従い、公園に向かう。そこでビルと遭遇し、ケイトは皆を救えなかった事を嘆く。ビルは、余計なマネをしたと詰ると、銃口を突き付ける。ケイトは咄嗟にビルと揉み合い、その最中に銃が暴発し、ビルを死なせてしまう。銃を手にして立ち尽くすケイトの様子が、集まった市民に撮影される。そこにナッシュが現れると、ケイトは銃を捨てて逃走する。ナッシュは密かにビルのIDカードを奪取し、姿を消す。

程なく、サムが公園に駆け付け、ビルの死を知る。アンダーソンは撮影された動画を証拠と称し、ケイトを殺人容疑で指名手配する事を通告する。サムは外交特権がある事から、逮捕させずに自らの手で見つける意向を示す。サリーはケイトのIDカードが爆風の衝撃で損傷し、電波が途絶えがちである事から、ビルのIDを追う様に促す。ナッシュは技術者を介してビルのIDカードを解析し、ケイトのIDカードを探知できる機能を携帯に実装する。

ケイトは信頼を寄せるサリーに連絡を試みるも、テレビ報道で顔が割れており、苦慮する。一方、サムはビルのIDを追跡するも、技術者の死体を発見するのみで不振に終わる。サリーはクレインの来訪を伝え、サムを大使館に呼び戻す。ケイトはリサに連絡すると、服と現金の用意を依頼し、落ち合う場所をセント・パンクラス駅の露店に指定する。一方、ナッシュはパヴルーの立ち会いの元、バランと共にニューヨークで計画するテロの予行演習に臨む。バランが製造したガスがマンションの球体部に充填され、ナッシュが本番に見立てた長距離射程で、バランの用意した特殊な銃弾で球体を狙撃して爆破させる事に成功する。ナッシュは、荷物が確実にニューヨークに届けば、ケイトを始末した後に自らが渡米するだけだと自信を見せる。

クレインはケイトがもはや重荷でしかないと説くが、サムはあくまでケイトの無実を主張する。ハウイは、テロの脅威に気付いた場合に真っ先に調べる部分が収められた、査証リストのUSBをケイトに渡した事を明かす。また、5人の申請者のファイルがケイトのIDで消去されている事が判明する。クレインはケイトが何度も深夜に作業していた事を訝り、テロへの関与を疑う。サムは、911で親友を失ったケイトは皆が忘れかけた熱意を持っており、大事な戦力だと説くと、仲間を窮地に見捨てるべきでは無いと主張する。クレインは、手段を選ばずケイトを連行する様に命じる。レストランにおける爆発物の鑑識結果が、二年前にパリで起きたテロと一致し、サムは誰も顔と素性を知らない「時計屋」による犯行だと確信する。

セント・パンクラス駅でケイトのIDが再び反応し、サムは急行する。また、アンダーソンも部下を率いて駆け付ける。ナッシュは警察無線を使って、捜査員を翻弄しつつ、ケイトを追跡する。ケイトはリサからバッグを受け取ると、地下鉄のトンネルに逃げ込む。アンダーソンはサムの追跡を制止し、ケイトの捜索に向かう。ケイトはアンダーソン達を撒いて、地下道に逃げ込む。そこに先回りしていたナッシュが小型爆弾を炸裂させる。難を逃れたケイトは死んだ振りをしてナッシュを欺き、不意を突いて逃走する。

地上に出たケイトはビルの住んでいたアパートの部屋に侵入し、そこで待ち受けていたサムと出会う。サムは追跡を防ぐ為にケイトのIDカードを破壊すると、殺し屋の「時計屋」が追っている事を明かす。ケイトはハウイから受け取ったUSBをサムに手渡すと、一ヶ月にチームが処理した600以上の申請の内、ビルが扱ったのが5件、その内の1件がバランであり、自分が問い質すとそれを無視して勝手に承認していた事を明かし、バランが可燃ガスの専門家である事を危惧する。二人は南京錠の掛かった不審な部屋を捜索し、隠されたディスクを発見する。それには、アフガンで戦死したとされるビルの息子ジョニーが、テロ組織に捕らえられ、人質にされている映像が収められており、二人はビルがテロ組織に脅迫され、犯行に加担していた事を悟る。

サムはケイトを逃す為に、待機させていた職員に連絡を取るが、誰も応答せず、ナッシュの襲来を悟る。二人は部屋から脱出を図った矢先に、ドアが小型爆弾で吹き飛ばされ、衝撃でサムが昏倒する。ケイトはナッシュの追撃を躱し、アパートを脱出すると、サリーに連絡し、サムが一命を取り留めた事を知る。しかし、クレインはサムの負傷もケイトの犯行と見做し、躊躇せずに殺す様にアンダーソンに命じる。ケイトは自ら陰謀を暴くべく、大使館へ入る為の協力をサリーに要請する。

ケイトはサリーの援護で大使館の保管室に侵入すると、パスポートを偽造し、更に、奪取したHDDの記録から、バランがヒースロー空港からJFK空港に向かった事を知る。ケイトはサリーにテロの阻止を依頼する。ケイトは侵入が発覚するも、大使館から首尾良く脱出する。

程なく、JFK空港にバランが到着する。サリーはバランを止める様にクレインに進言するが、クレインはケイトの保身目的の策略だと突き放す。一方、ナッシュはニューヨークへ出発せず、パヴルーの元に訪れると、バランとは異なり、パヴルーの目的がテロそのものでは無く、暴落する株で大儲けする事だと喝破し、テロの完遂と引き換えに、空売り利益の半分を要求する。ケイトは偽造パスポートで出国すると、ビルが承認した5人を結びつける情報をサリーに送信する。一方、クレインはケイトがニューヨークに向かった事を知ると、捜査当局に緊急警報を発令する。

ニューヨークに到着したケイトは、白タクに乗り、大晦日を祝う人々で賑わう都心へ向かう。バランはプラントに集結した科学者達と共にガスの製造を終え、搬出する。程なく、ケイトは電飾が施された名物のタイム・ボールに冷却ガスを流し込む事を知り、それがテロに悪用されるのだと察知すると、タイムズ・スクエアへ急行する。

新年の訪れまで30分弱となる頃、バランは業者を装ってスクエアに到着すると、冷却ガスと偽って、ボールに可燃ガスを注入し、既定の場所に設置する。ケイトはバランを発見すると、テロ計画の全容を把握し、バランを尾行する。ケイトは襲いかかってきた組織の男を撃退し、銃を奪うと、バランとナッシュが合流し、入っていったビルに潜入する。バランはナッシュに狙撃の準備を急がせる。

新年まで残り5分、ナッシュはバランと共に屋上に上がると、銃を組み立て、超長距離のボールに照準を合わせる。バランはこの瞬間を10年待っていたと説くと、アメリカに思い知らせる様にナッシュに命じる。ナッシュはそのビルが爆破域外で安全だと聞き出すと、バランを刺し殺し、引き金に手をかける。そこへケイトが駆け付け、ナッシュを銃撃する。狙撃は既の所でボールから外れる。ナッシュは再度、狙撃を試みようとするが、ケイトがそれを妨害する。取っ組み合いの末に、ナッシュは地上へ転落し、同時に新年が訪れる。そこに警察が駆け付け、遂にケイトの容疑が晴れる。ケイトはサムからの連絡を受け、サムが回復した事を知る。サムはケイトがスクエアにいる100万人を救ったのだと労う。

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