チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー

ジュリアス・ケンプ監督作「レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー」("Reykjavik Whale Watching Massacre" : 2009)[DVD]

ホエール・ウォッチングに訪れた観光客らが遭遇する、惨劇の顛末を描くホラー作品。

アネット、レオン、マリー、日本人のノブヨシ、ユウコ夫妻とそのメイドのエンドウ、ドイツ人婦人3人組、ジョンの10人の観光客と、船長ペートゥルと助手ビョルンを乗せた小型漁船ポセイドン号は、レイキャビクの港を出発し、鯨が出没する海域を目指す。鯨の出没地点の変化を察知したペートゥルは、無線で海域に通じている船乗りに助言を呼びかける。途中、アネットはビョルンに船室に連れ込まれレイプされそうになる。一方、甲板では酩酊状態のジョンがマストに登り、ペートゥルと客達が降りるように促す。よろけたジョンは、金属の支柱を掴み落下し、それがペートゥルに突き刺さってしまう。客達には為す術もなく、ペートゥルはそのまま息絶える。ビョルンはペートゥルの死を見届けると、船を捨て、備え付けの小型ボートに乗り逃げて行く。

船員を失い、海上に取り残されたポセイドン号の元に、ペートゥルの無線を聞きつけた一隻の小型船が救助に訪れる。船主トリグヴィに導かれ、客達は小型船に移る。小型船は港とは別の方角に向かった為、レオンは港に向かう様に要求するが、トリグヴィには英語が通じなかった。

日が暮れ、小型船は捕鯨用の大型船に辿り着く。トリグヴィは嵐が来ると告げ、客達に船を移るように指示する。そこにはトリグヴィのママと弟シギーが待ち受けていた。実は彼らは、元々、捕鯨を生業としていたのだが、捕鯨禁止措置を受けた為に、廃業を余儀なくされた家族だった。家族は、環境保護団体や動物愛護団体に対し、憎悪を募らせていた。また、観光客を目の敵にしており、船に招き入れては監禁し、殺害する蛮行を繰り返していたのだった。

レオンが違和感を感じたのも束の間、シギーはドイツ人の1人に襲い掛かり殺す。トリグヴィが更に1人を殺す。恐れ慄いた客達は、散り散りになり船内に逃げ込む。ノブヨシは1人で海に飛び込むも、トリグヴィの放った銛に射抜かれ死ぬ。アネットはシギーに捕まり、船室に監禁される。ママがドイツ人を甚振る間に、エンドウは船内の薬品で発火物を作り、ユウコに持たせる。ママがドイツ人を突き刺す瞬間に、エンドウがユウコを押し出し、ドイツ人とユウコは串刺しとなる。死に際にユウコは薬品に着火し、巻き添えとなったママは瀕死の重傷を負う。駆けつけたトリグヴィとシギーは激昂し、血眼になって残りの客達を追う。

エンドウは備え付けの小型艇で脱出を図る。レオンとマリーはエンドウに同乗させる様に求めるが、エンドウは無視して大型船を離れ、陸地を目指す。ところがボートにはジョンも先に乗っており、エンドウは煩わしく思う。レオンとマリーは救命ボートを発見し、脱出を図る事にするが、その前にレオンはアネットの救出に向かう。自ら拘束を解いたアネットはレオンと出会い、ボートに向かう。レオンはトリグヴィを船内に閉じ込める事に成功する。一方、シギーはマリーを襲いにかかるが、発煙筒で撃退される。付近にいた沿岸警備隊の船が、発煙筒が上がるのに気付き、大型船に進路を向ける。

その頃、エンドウの小型艇は陸地に接岸し、アントンの暮らす灯台に立ち寄る。アントンはポセイドン号の出発前に、港にいた薄気味悪い男だった。エンドウはアントンを言葉巧みに唆し、ジョンを殺させると、灯台を全焼させる。

レオンはアネットとマリーをボートに乗せ、海に送り出すと、自身は船内に残り、沿岸警備隊の到着を待つ。シギーが絶命寸前にトリグヴィを解放し、トリグヴィはレオンを殺そうとするが、レオンは逆にトリグヴィからライフルを奪い、抵抗しない様に銃口を向ける。そこへ沿岸警備隊が到着するが、ライフルを構えるレオンの方が殺人犯だと誤解し、隊員はレオンを狙撃してしまう。レオンは頭部を撃ちぬかれ、その反動でライフルを発砲し、トリグヴィの頭部を撃ち抜く。

アネットとマリーを乗せたボートは、シャチに遭遇する。シャチに攻撃するマリーを、アネットは制止しようとするが、マリーは我が身可愛さでアネットを海に突き落とす。マリーはシャチの反撃に遭い、ボートと一緒に海中深く引きずり込まれる。

翌朝、エンドウはアントンを殺すと、雇い主のユウコに成りすまし、飛行機でレイキャビクを発つ。その頃、アネットは尚も海を漂流し続けていた。

 

アイスランド発の超B級ホラー作品。反捕鯨漁に対するアンチテーゼ的なプロパガンダ臭がほのかに漂う。シリアスなホラーでありながら、苦笑必至のおバカな展開が連続するので、そういう意味ではコメディ・ホラーとも言える。テンポは程々に良く、予定調和ではないが荒唐無稽になり過ぎないところに好感が持てる。日本人としては、エンドウ役の裕木奈江が注目するポイントで、主役級の存在感を放っている。金持ち日本人夫婦のメイドという役なのだが、掴みどころのないポジションで、最後は雇い主の身分まで奪って自分だけ逃げ果せるという、予想外の展開に唖然とした。件の日本人夫婦役は、ブラジルで活動する日系俳優らしいが、どちらも日本語をネイティブで話せないのか、カタコトになっていて、これがB級具合を更に増している。セリフもかなりゲスい(笑)とまれ、再び裕木奈江出演で続編が制作されるらしいから、ちょっと楽しみである。

f:id:horohhoo:20150406173823j:plain

f:id:horohhoo:20150406173827j:plain

f:id:horohhoo:20150406173829j:plain

f:id:horohhoo:20150406173833j:plain

f:id:horohhoo:20150406173836j:plain

f:id:horohhoo:20150406173838j:plain