チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。4年目。

狼たちの処刑台

ダニエル・バーバー監督作「狼たちの処刑台」("Harry Brown" : 2009)[DVD]

団地の一室で孤独に暮らす老人が、親友を殺したギャング達への復讐に駆り立てられていく様を描くスリラー作品。

ハリー・ブラウンはかつて英国海兵隊員として活躍したが、いまではロンドンの公営団地の一室で孤独な年金生活を送る老人である。ハリーの妻キャスは病に臥して入院しており、ハリーもまた肺気腫を患う。団地には悪質な不良グループからなるギャングが幅を利かせ、凶悪な犯罪が頻発しており、ハリーは治安の悪化ぶりを憂う。団地からキャスの入院する病院を結ぶ地下道は、ギャングの溜まり場となっており、おいそれと通ることができず、ハリーは見舞いの度に迂回を余儀なくされる。

ある日、キャスを見舞ったハリーは、意識が不明瞭なキャスの容態を慮る。その後、ハリーは、シドが経営する行き着けのパブで酒を飲みながら、いつもの様に親友のレンとチェスに興じる。店内で不良達が堂々とヤクの受け渡しをしており、シドがそれを見て見ぬ振りを決め込んでいる事に、レンは嘆く。その夜、ハリーは部屋に面する通りで、ギャング達が一般人に凄惨なリンチを加える場面を目撃する。就寝中、病院からキャス危篤の連絡を受けたハリーは、慌てて病院に向かうも、地下道を迂回した事で、キャスの最期を看取る事ができず、悔やむ。

ハリーは、幼くして死んだ娘レイチェルの隣にキャスの墓を設け、ひっそりと弔う。そこへレンも駆け付け、2人はシドのパブで酒を飲みながら語らい合う。ハリーはキャストの馴れ初めを話すと、キャスに会った事で海兵隊員としての過去を封印したと打ち明ける。一方、レンは頻繁にギャング達に嫌がらせを受けており、身の危険を感じている事を打ち明け、護身用に携行している銃剣を見せる。ハリーは警察に相談する様に促すが、レンはそれが無駄だと告げる。その夜、レンは再びギャングに嫌がらせを受けた為に、反抗の意思を示した事で、地下道でリンチを受け、惨殺される。

翌日、ハリーの部屋に、フランプトン警部補とヒコック巡査部長が訪ねてくる。フランプトンはレンが殺害された事を伝え、前日のレンの様子をハリーに尋ねる。フランプトンが去った後、ハリーは打ちひしがれ、慟哭する。警察はギャングのリーダー格ノエルと、仲間のカール、マーキー、ディーンを殺人容疑で逮捕する。フランプトンとヒコックが取り調べに臨むが、ノエルらは弁護士を盾にし、事件に関して供述を拒み、黙秘を貫いた上、露骨に反抗的な態度を示し、フランプトンらを挑発する。

レンの葬儀を終えたハリーは、パブで深酒をする。その帰り道、人通りの無い夜の運河沿いで、ディーンにナイフを突きつけられ、金を要求される。ハリーは咄嗟に反撃し、意図せずディーンを殺してしまう。帰宅後、ハリーは返り血の着いた服を処分し、証拠を隠滅すると眠りに就く。

翌日、ハリーの部屋に再びフランプトンが訪れる。フランプトンは、レンが銃剣を所持していた事から、元海兵隊員のハリーがレンに融通した可能性を疑う。ハリーは、レンが護身用に携行していた事を伝え、警察がレンの相談に取り合わなかった事を責める。フランプトンが、ノエル達が正当防衛の過失致死を主張している事を伝えると、ハリーは激昂する。その後、ハリーはレンの住んでいた部屋を訪ね、ギャング達に狼藉の限りを尽くされた惨状を知り、部屋の目前が地下道に面し、非常に危険な場所である事を確認する。

その夜、ハリーはヤクの売人ケニーの後を付け、ヤクの手配人ストレッチのアジトを訪ねる。ハリーはハト退治と称して、ストレッチに銃を所望し、取引を持ちかけると、アジトの内部が大麻工場である事を知る。室内でヤクを打たれ、発作を起こしている少女の安否をハリーが気遣い、救急車を呼ぶべきだと主張すると、ストレッチは憤る。ハリーは不意を突いてケニーとストレッチを射殺すると、少女を救出し、銃の入ったバッグを奪い、工場を炎上させて車で立ち去る。ハリーはバッグの中に大量の現金を発見すると、その一部を少女に持たせて、少女を病院の前に送り届け、その場から立ち去る。

翌日、署長チャイルズはストレッチ、ケニー殺害事件を重く見て、署を上げて銃犯罪の摘発に乗り出す方針を決め、レン殺害の件を後回しにする事をフランプトンに告げる。ハリーは現金を教会に寄付した後、ノエルにヤクを捌かせている元締めの存在を知り、その男を追跡して殺害すると、一緒にいたマーキーを拉致し、拷問する。ハリーはギャングがレンにどんな仕打ちをしたのか自白する様に強要し、マーキーは携帯に一部始終を録画している事を打ち明け、再生する。ハリーはその動画で、レンがギャングに凄惨なリンチを加えられた後、銃剣で刺殺される様子を確認する。マーキーはレンを刺したのがノエルだと弁明し、命乞いする。

ハリーはマーキーを地下道に連行すると、囮にしてノエルとカールの注意を引きつける。ノエルとカールが発砲すると、マーキーが死に、ハリーは反撃してカールを射殺するが、ノエルを取り逃がす。ノエルの後を追うハリーは、運河沿いで呼吸困難を起こし、銃を咄嗟に川に投げ捨てると、その場で意識を失う。

病院で意識を取り戻したハリーは、ヒコックとフランプトンの尋問を受けるが、看護師が面会謝絶を告げる。フランプトンはハリーのコートから火薬臭を察知し、カールとマーキーの死への関与を疑う。フランプトンは署に戻り、チャイルズにハリーが容疑者の可能性を進言するが、相手にされず、他部署への異動を命じられる。チャイルズは機動隊を率い、団地に蔓延るギャング達の一斉摘発に乗り出す。しかしギャング達は暴徒と化し、猛烈な抵抗を始め、火炎瓶で機動隊を退ける。

ハリーは復讐を完遂する為に、病院を抜け出す。それを知ったフランプトンはハリーの意図を悟り、ヒコックと共に団地へ急行する。しかし、フランプトン達の車はギャングの襲撃に遭い、衝突事故を起こし、ヒコックが致命傷を負い、フランプトンも負傷する。ハリーは自室から銃を持ち出すと、フランプトン達を救出し、シドのパブに逃げ込む。

フランプトンはハリーに復讐には終わりが無いと諭し、シドがノエルの叔父だと伝える。ハリーはシドに銃を向け、隠れているノエルを呼び出すと、マーキーの携帯をシドに突きつける。しかし、ハリーは再び呼吸困難を起こし、シドはその隙に銃を奪い、ハリーを殴り倒す。フランプトンが署に応援を要請すると、ノエルが激しく暴行を加える。シドはノエルの失態を叱りつけると、3人を殺して、隠蔽工作を図る様に命じる。シドがヒコックを殺し、その後、ノエルがフランプトンを殺そうとすると、ハリーが隠し持っていた銃でノエルを射殺する。ハリーはシドに反撃を受け、追い詰められるが、シドは警察の応援部隊による店外からの狙撃を受けて死ぬ。

後日、殉職したヒコックと、生還したフランプトンに女王陛下からの勲章を授けられる。しかし、警察は失態を認めず、団地周辺の犯罪件数の減少を成果として強調する。治安が回復し、地下道が綺麗に整備され直すと、ハリーは利用し始める。

 

 

邦題がハードボイルドな挽歌テイストを醸し出しているが、内容とはかなりかけ離れていて、釣りタイトル臭い。ギャングが蔓延り、極めて治安の悪い団地で暮らす孤独な老人による復讐譚である。元海兵隊員で、北アイルランドでの武勲もあるハリーだが、なにぶんもう老齢で尚且つ持病もあり、アクションスターよろしく派手な肉弾戦など敵わず、ギャング達との関わりを避け、妻を見舞うだけの日々。そんなハリーが妻を喪い、その直後に親友のレンまで、殺され喪ってしまう。警察は頼りにならず、義憤に駆られたハリーは、単身、復讐に乗り出すと。アクションシーンは無くとも、終始、重苦しく陰鬱な空気が漂うスリラーな展開で、こんな救いの無い場所がリアルであるんだろうなぁと思わせる。まさに英国っぽい作品。

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