チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ザ・ドア 交差する世界

アノ・サオル監督作「ザ・ドア 交差する世界」("Die Tür" : 2009)[DVD]

娘を事故死させた咎に苦しむ男が、過去の世界に通じるドアを見つけ、その世界の自分自身に成り代わって人生をやり直そうと企てる様を描くSFスリラー作品。

 

画家のダビッドは会社勤めの妻マヤ、幼い娘レオニーと共に住宅街で暮らしている。個展の準備を進めるダビッドは、ある時、作業を中断すると、庭で蝶探しをするレオニーの誘いを断って、斜向いの家に住む浮気相手ギアの元へ訪れる。ギアと情を通じた後、帰宅したダビッドは、庭のプールでレオニーが排水溝に靴紐を絡ませて、溺死しているのを見つける。

それから5年が経ち、悲しみに打ちひしがれて身持ちを崩したダビッドは、レオニーの死を機に離婚したマヤの元を訪ねて許しを請うも、マヤはダビッドを拒絶する。ダビッドは電話でもう関わらないとマヤに伝えると、絶望の末に庭のプールに身投げする。間もなく、ダビッドの様子を心配したマヤからの連絡を受けて、親友のマックスが駆け付け、ダビッドを救出する。マックスはダビッドをバーに連れ出すと、自分の家に泊まる様に促すが、ダビッドは密かにバーを抜け出し、帰路に就く。その途中、雪道で足を滑らせ転倒したダビッドは、地面に動かない蝶を見つける。蝶は青い羽根をはためかせてその場から飛び去る。ダビッドは蝶に誘われる様に、自宅から程近い場所にある、見知らぬ小さなトンネルに辿り着く。ダビッドはトンネルを抜けた先のドアを開け、そこに広がる別世界を目の当たりにすると、すぐにそれが5年前のあの日の、レオニーが死ぬ直前だと悟る。ダビッドは自宅へ駆け戻り、プールに転落したばかりのレオニーを救出する。

ダビッドがレオニーを二階の部屋で休ませると、程なくしてその世界のダビッドがギアの家から帰宅する。そのダビッドはもう一人のダビッドを不審者と考え、殴り掛かるが、5年後のダビッドは咄嗟に手にしたペンで抵抗し、その世界のダビッドの首を突き刺し、殺してしまう。騒ぎで目覚めたレオニーは、階下を覗き込み、ダビッドの背中越しに何が起きたのか尋ねる。ダビッドは動転し、レオニーに部屋に留まる様に怒鳴りつける。ダビッドは直ちに争った跡を片付け、死体を運び出し、庭の隅に埋めると、やさぐれた身なりを5年前と同じ様に整える。

程なく、マヤが帰宅すると、ダビッドは何事も無かったかの様に振る舞う。しかし、レオニーはダビッドがパパでは無いと主張し、激しく拒絶する。マヤはレオニーに真意を尋ねるが、レオニーはマヤに対しても口を噤む。ダビッドは怒鳴ってしまった事を明かし、弁解する。マヤはダビッドが冒した過去の浮気を発端として、夫婦の間に隙間風が吹いている事を、レオニーが察しているのだと説き、憂慮する。

ダビッドは5年前のダビッドが、ギアと情を通じた際に携帯を忘れてきた事に気付くと、マヤに浮気が発覚するのを恐れ、画廊の前に落ちていたと偽って密かに取りに行く。ギアは人が変わった様に家族が大事だと主張するダビッドに、浮気の継続を強要する。ダビッドはそれを断り、その場を後にする。その時、ダビッドの家に訪れたマックスは、ダビッドがギアの家から出てくるのを目撃する。マックスはダビッドをバーに連れ出すと、浮気を続けている事を詰る。ダビッドはそれを否定すると、自分が5年後の世界からトンネルを抜けてやってきた事、この世界では全てが元通りだった事、この世界のダビッドを事故で死なせてしまい、庭に埋めた事を打ち明ける。マックスは荒唐無稽な話で愚弄し、家族を悲しませるダビッドに憤慨する。ダビッドは5年後のマックスが仕事で成功を収め、将来結婚する妻との間に二児を儲け、幸せに暮らしている事を明かし、信用する様に請う。

レオニーはその後もダビッドを本当のパパと認めようとはせず、一線を画し続ける。マヤは過去に浮気したダビッドを信じようと努めている事を明かす。ある時、レオニーはダビッドにあの時に血を見た事を明かし、本当の父親に何をしたのか尋ねる。ダビッドは遊んでいたら鼻血を出したのだと弁解すると、本当の父親は大事な時にレオニーを守れなかった為に、自分が守護天使として入れ替わったのだと諭す。レオニーはそれを境にダビッドをパパと呼ぶ様になる。また、ダビッドはマヤとも関係を修復する。

夜、自宅で大勢の客を招いてダビッドの誕生日パーティが開かれる。その最中、マックスはレオニーが描いた絵が、ダビッドがもう一人のダビッドを血溜まりの中で抱えている様子を現しているのだと悟ると、事実を確認する為に庭に向かい、そこに埋められた死体を発見する。マックスはダビッドが殺された事実をマヤに知らせようとし、5年後のダビッドはそれを阻もうとする。そこに隣家に住むシギーが忍び寄り、マックスをツルハシで殴り殺す。ダビッドはシギーに促されるままに、マックスの死体を車で運び出すと、人の寄り付かない森の中に埋める。シギーは破滅を避ける為にはそれしか方法が無かったのだと説く。

ダビッドは帰宅するや否や、マヤに危険が迫っており、守る為に向こう側へ連れて行くと伝えると、有無を言わさずに、マヤとレオニーをトンネルへ導く。ところが、ダビッドが元の世界の様子を窺いに行った間に、マヤ達はいなくなる。ダビッドは二人を呼び戻すべく、トンネルから出た矢先にシギーに殴り飛ばされる。シギーはダビッドに銃を突きつけ、こちらが留まるべき世界であり、引き返す事はできないと説き、逃げたら殺すと脅す。

翌日、マヤは昨夜の件についてダビッドに問い質す。ダビッドはマックスにマリファナを勧められ、正気では無かったのだと欺く。シギーはダビッドを自宅へ招くと、懲役刑から数週間前に仮釈放された直後に、こちらの世界を見つけ、古い人生を捨てて留まる事にしたのだと明かす。シギーはまた、こちらの自分を殺すのは幸せの代償、入場料の様なものだと説き、そうやってこちらに留まっている者達が大勢いる事を明かすと、罪悪感に苛まれて帰ろうとしたり、警察に行こうとしたりした者達はみな殺されていると警告する。

その直後、マヤは5年後から来た、近隣に暮らすスザンネとポールが、こちらの世界の二人の家に押し入って、二人を殺す現場を偶然目の当たりにする。当惑したマヤは、その近くで遊んでいた二人の娘ネーレとレオニーを連れ帰ると、ダビッドに二人が殺された事を明かし、通報しようとする。ダビッドはマヤを宥め、落ち着いて説明する様に促すが、マヤはダビッドの様子を訝り、トンネルとの関わりを疑う。

間もなく、ネーレが監禁されているとの通報を受けた警察が駆け付け、同伴したスザンネとポールがネーレを保護する。マヤはそれが本物の両親では無いと訴え、ネーレを連れ戻す様にダビッドに哀願する。警官は去り際に、マヤから目を離さぬ様にダビッドを咎め、ダビッドは警官もまた入れ替わったのだと悟る。

その直後にダビッドは5年後からやってきたマヤから連絡を受け、シギーの家で落ち合う。マヤはダビッド、レオニーと一緒に、こちらでやり直したいとの意向を示す。シギーはこちらの世界のマヤを殺す様に命じ、銃を提供する。ダビッドはマヤの代わりにそれに応じる。一方、レオニーはこちらの世界のマヤに、ネーレがより良い両親の元にいると説くと、自分も新しいパパの方が好きであり、昔のパパは遠いところに行ったのだと明かす。

ダビッドは銃を携えて自宅に戻る途中、5年後から来てこちらに留まっているギアと遭遇する。ギアは昔の事は思い出したくないと説き、レオニーの無事を喜ぶ。ダビッドが本物では無いと悟ったマヤは、侵入したダビッドの不意を突いて殴りつけ、何者なのか問い質す。翻意したダビッドはマヤが殺され、レオニーが奪われると警告し、一緒に向こう側に行くしかないと諭す。シギーはダビッドの翻意を悟り、警官達と共にダビッドを殺しに行く。ダビッドは車で逃走する様に見せかけ、その隙にマヤとレオニーをトンネルに向かわせる。ダビッドは銃撃から逃れる際に、事故を起こして停車する。レオニーの前に5年後のマヤが駆け寄り、連れて行こうとするが、こちらの世界のマヤの哀願に抗しきれずに諦める。マヤとレオニーの逃亡に気付いたシギーは、二人に銃撃を浴びせる。ダビッドは再び車を発進させ、シギーを撥ねようとするが、シギーはボンネットに飛び乗り、ダビッドの首を絞めて殺そうとする。ダビッドはマヤ達がドアを抜け、トンネルに入ったのを確認すると、車をトンネルの建屋に突っ込ませてトンネルを崩壊させる。シギーはその場で息絶える。その後、ダビッドは自宅のプール際に佇む5年後のマヤに寄り添い、その手を握りしめる。

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フィービー・イン・ワンダーランド

ダニエル・バーンズ監督作「フィービー・イン・ワンダーランド」("Phoebe in Wonderland" : 2008)[DVD]

攻撃性や空想癖を伴う精神疾患に苦しむ少女が、学校の演劇部における出会いや稽古に熱中する経験を通じて、病と向き合い、成長していく様を描くドラマ作品。

 

9歳の誕生日を迎えたフィービーは、父ピーター、母ヒラリー、妹オリビアと共に暮らす、空想癖のある少し変わった女の子。両親は共に作家であり、稼ぎ手ピーターの自著の出版が決まる一方、母親業に専念するヒラリーは執筆に苦慮する。ヒラリーの影響を受け、アリス・イン・ワンダーランドの素材に囲まれて育ったフィービーは、新学期を迎えて間もなく、演劇部の顧問を務める教師ドジャーが、アリス・イン・ワンダーランドの舞台オーディションを催す事を知る。

ある時、フィービーはクラスメイトに誂われた拍子に唾を吐きかける。担任は両親を学校に呼び、家庭環境に問題が無いか尋ねる。ヒラリーはフィービーが他の子と違い、自分に正直なだけで問題は無いと擁護する。しかし、ヒラリーはフィービーの奇行への対処に苦慮する様になる。

ある晩、ヒラリーはフィービーとオリビアを連れて白鳥の湖の舞台を観劇する。その翌日、フィービーは意を決してドジャーのオーディションに申し込む。フィービーは指定の時刻に遅れてしまうが、その理由が毎日決まった回数だけ手を洗わないと気が済まないからだと打ち明ける。ドジャーは参加を認め、フィービーは舞台の上で課題をこなす。

帰宅したフィービーは、役を欲する不安に駆られる余り、タイルの上で正しい規則に則った足踏みを繰り返したり、自ら手を傷つけたりする等の奇行に及ぶ。ヒラリーは事を重く見て、精神科医マイルスにフィービーを受診させる。マイルスは何でも話す様に促すが、フィービーは何も話そうとせず診断を終える。

程なく、ドジャーは舞台の配役を発表し、フィービーはアリス役に決まる。子供達はドジャーの指示の下、台本を元に稽古を始める。フィービーは、男子にも関わらずハートの女王を志願した思慮のあるジェイミーに、自分でも説明できない奇行癖があり、死にたいわけでも無いのに、校舎から飛び降りようと考える状態が続いている事を打ち明ける。

フィービーはアリス役を下ろされる事を恐れる余り、奇行を繰り返す内に、おとぎの国の空想に耽っては虚実の区別が付かなくなっていく。ヒラリーはフィービーの精神状態を心配し、再びマイルスに受診させる。フィービーはおとぎの国の話について、決まりがなくて自由であり、こちらの世界にもそう変わって欲しいと訴える。

ドジャーは自らの体験を交えつつ、熱を帯びた演出指導を行い、子供達に発破をかける。フィービーは演技がドジャーに評価される事に喜びを見出す。一方、校長デイビスはドジャーの指導の様子を見て、それが行き過ぎていると問題視する。

フィービーは思った事を抑えきれずに口に出してしまう様になる。ヒラリーはフィービーが強迫性障害だと推察すると共に、執筆に割く時間が作れずに苛立ちを募らせる。ピーターはヒラリーが無理に忙しく振る舞っていると指摘し、ヒラリーはそれに反発する。

その後、フィービーは階段で決まったルールに則って足踏みを繰り返す様になる。フィービーは負傷してもそれを自制できない苦しみをヒラリーに吐露する。ヒラリーはマイルスに相談し、その場でフィービーの病名を知らされ、薬の服用を勧められる。ヒラリーはピーターに、フィービーが自分に愛されていないと思っており、自分と心を通わせたいが為にアリスに夢中になっている事を明かす。

ある時、ジェイミーの衣装に「おかま」と落書きされているのが見つかり、ドジャーは誰の仕業か子供達に問い質す。ドジャーは、かつて女性が舞台に立てなかった為に、少年が女役を演じていた時代があった事を明かすと、その情熱に満ちた演技が客の胸を打ち、賞賛されたのだと説き、ジェイミーはその伝統を受け継いでいるのだと諭す。また、フィービーのクラスで飼育されていたネズミが死に、その日の世話番だったフィービーは皆に責め立てられた末に、また唾を吐きかけてしまう。その夜、フィービーは両親に唾を吐いた事で校長と面談する事になった事を明かし、責められたのが怖くて自分ではどうにもならなかったのだと弁解する。

翌日、ヒラリーは面談の前にドジャーの元を訪ね、アリスの本を執筆している事を明かすと、興味の対象がドジャーと一緒なのが奇遇だと説く。ドジャーは偶然を信じていない事を明かし、フィービーが優秀だと評価する。ヒラリーは演劇部でフィービーが不適切な振る舞いをしていないか尋ねるが、ドジャーはそれを否定する。ヒラリーはピーターと共にデイビスとの面談に臨むと、フィービーが想像力豊かで傷付きやすく、稽古中は問題を起こしていないと主張する。デイビスは家庭内の問題について指摘すると、フィービーが反省するまで劇から外す処分を下す。それを知ったフィービーは憤慨し、空想の世界に逃げ込む。

翌日、ドジャーはフィービーが才能溢れる子であり、舞台に必要だとデイビスに直訴する。デイビスは他の子供達の手前、問題児には罰が必要だと主張する。その後、ドジャーは舞台の天井裏に佇むフィービーを見つける。フィービーは舞台の上では大丈夫なのに、他の場所では自分がだめな子になってしまうと吐露する。ドジャーは、人生の大半が過ぎた頃に、目を開いて自分が何者か見極め、他人とは違う、普通では無いところを探して、それが本当の私と言い聞かせる様に諭す。

その夜、ヒラリーは尽力の末に劇に戻れる様になった事をフィービーに知らせる。ヒラリーが景気付けに買い物に行く事を提案すると、フィービーとオリビアは喜びの余り、弟が欲しいと両親に囃し立てる。ピーターは思わず、ヒラリーが面倒な子をもう欲していないと口走ってしまう。フィービーは精神が不安定な状態に陥り、再び空想に逃げ込む。ピーターは失言を恥じ、フィービーに詫びる。

翌日、ピーターは憤りを露わにするヒラリーに対して謝意を示す。ヒラリーはフィービーに個性を求めながらも、その個性に対して怒っている事、ドジャーに愛情で負けている事、母親に正解は無いのに良い母親でいようとして苦悩している事を明かす。ヒラリーはまた、ピーターが指摘した通りにフィービーの様な子をもう一人育てるのは無理だと認めると、このまま年を取っても他に取り柄が無い為に、子供中心の生活が続く事を嘆きながらも、子供達がいないと生きていけない為にそれを良い事だと考えている事を明かす。

フィービーは稽古に復帰するも、心が抜けた様に身が入らず、その事をドジャーに指摘されると、思いがけずジェイミーをおかまと罵ってしまう。フィービーは天井裏に逃げ込むと、アリスの幻覚に促され、下に飛び降りる。幸い軽傷で済んだフィービーは、校長との面談で、ドジャーについて尋ねられる。フィービーはなんでも自由にやらせてくれる良い先生だと評しながらも、誤って落ちたのか、或いは自ら飛んだのか尋ねられると、幻聴に唆され、ドジャーがしばしば「飛んで」と口にする事を明かす。フィービーは咄嗟に別の意味があるはずだと弁解する。

フィービーは両親に、空想の世界には希望があると説き、自分が壊れていくのが止められないと訴える。ヒラリーはドジャーの元へ押しかけ、天井裏に自由に行き来できる様になっている事を咎めると、フィービーが希望が見つからないと訴えている事を明かす。ドジャーは探し続ければ必ず見つかると説く。

その後、フィービーは稽古に復帰するが、間もなくドジャーが解雇される。フィービーが自分のせいでは無いかと尋ねると、ドジャーは子供達に稽古を続ける様に促してその場を後にする。子供達はドジャーに見捨てられたのだと感じ、セットを壊して暴れ始める。フィービーはそれを制止すると、ドジャーに指示された通りに稽古を続ける様に促す。

その夜、ヒラリーは再びフィービー、オリビアと観劇するが、フィービーは症状を抑えられずに奇声を発する。ヒラリーはフィービーに許しを請い、病と向き合う事を決意する。ヒラリーはピーターに、フィービーの病名「ジル・ド・ラ・トゥレット症候群」を明かすと共に、「突然攻撃的になる」、「特定の行為に執着して止められない」、「何かに熱中すると症状は出なくなる」、「空想の世界が見えるのは病気のせいでは無く、ただの現実逃避」という特徴を示すと、相談しなかったのは、救えるのは自分しかいないと考え、またフィービーを普通の子に変えたくなかったからだと弁解する。ピーターはヒラリーのせいでは無いと諭す。

後日、フィービーは両親同席の下、クラスメイトに自らの病について告白し、理解を求める。演劇部は校長の困惑をよそに、ドジャー不在のまま、稽古を続ける。そしていよいよ舞台を披露する日を迎える。フィービーは本番直前に天井裏に上がり、そこでドジャーと遭遇する。フィービーはドジャーに、自分達にやらせる為にわざとクビになったのでは無いかと尋ねる。ドジャーはフィービーの額にキスをすると、アリスと共に光の中に姿を消す。フィービーは堂々と本番に臨む。

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宇宙大怪獣ドゴラ

本多猪四郎監督作「宇宙大怪獣ドゴラ」(1964)[DVD]

ダイヤ強盗事件を捜査する刑事が、宇宙から襲来した謎の怪物と事件の関係を突き止め、解決に導くべく奔走する様を描く怪獣作品。

 

電波実験所のテレビ衛星が、地球の周回軌道上で原因不明の事故に見舞われて消滅する。一部始終を観測していた桐野技官は、宇宙空間に何らかの変化が存在する事を示唆する。その夜、銀座の宝石店に国際ダイヤ強盗団の一味が押し入り、金庫破りを企てるが、そこに得体の知れぬ細胞状の怪物が出現し、奇怪な力で一味を店外へ追いやる。一味は計画を中止し、逃走するが、金庫内のダイヤは何者かに奪われる。

翌日、警視庁外事課の刑事・駒井は、ダイヤ強盗の容疑がかかった宝石ブローカーのジャクソンを追って、結晶構造研究の権威、宗方博士の屋敷に辿り着く。宗方は駒井に対応している間に、鑑別中のダイヤが無くなった事に気付く。二人の前にジャクソンが姿を現し、不意を突いて駒井を昏倒させると、屋敷から逃げ去る。そこに強盗団の夏井と真木が乗った車が現れ、ジャクソンを銃で脅して車で連れ去る。

国際ダイヤ強盗団日本支部のボスは、ニューヨーク、ロンドン、パリ、香港、ローマなどで相次ぐダイヤ強盗事件の内、組織が実際に関与したのはパリだけである事から、他の何者かが暗躍している事への憤りを露わにする。銀座で現場を指揮した多田は、店に出現したのが人間では無かったと弁解する。そこに連行されてきたジャクソンは、自らを宝石ブローカーと称し、強盗への関与を否定するが、宗方から盗んだダイヤを収めた袋を奪われる。

駒井は、宝石店の堅牢な金庫の扉が蝋細工の様に溶けた跡を撮った写真を宗方の元へ持参し、見解を求める。宗方はそれだけのエネルギーを発する機器を強盗団が扱う可能性に疑義を呈す。また宗方は、ジャクソンに盗まれたのが、研究材料の人造ダイヤだった事を明かすと、宝石としてのダイヤでは無く、生活を豊かにする安い工業材料としてのダイヤの方に興味があるのだと説く。

ボスは真木にダイヤを鑑別させ、それが偽物だと知ると、ジャクソンを監禁させる。しかし、ジャクソンは不意を突いて脱走する。ボスは本部からダイヤの原石を積んだ船が横浜に入港するとの報せを受けると、山梨県のダイヤ磨き工場に運ぶ途中で強奪する計画を企図する。

駒井は宗方の秘書・昌代を自宅近くの工場地帯まで送り、そこで昌代の兄・桐野と出会す。桐野は上空から響き渡る奇怪な音を指摘し、それが衛星の事故時と同じ音だと説く。たちまち黒雲が空を覆い、石炭工場から大量の石炭を吸い上げた後、火花を散らす。

桐野は観測された火花の発生源について、宗方に見解を求める。宗方はそれが炭素物質だと推測する。一方、駒井はジョンソンが銀座のホテルに宿泊しているとの報せを受け、現場に急行する。駒井は部屋に侵入すると、ジョンソンに出頭を求めるが、ジョンソンは不意を突いて逃走する。帰庁した駒井は課長に叱責されると同時に、相次ぐ強盗事件を阻止する様に発破をかけられる。

その夜、港でダイヤの原石を積んだトラックが甲州街道に差し掛かる。待ち伏せしていた強盗団は、罠を仕掛けてトラックを停めると、原石を収めたケースを強奪し、逃走用の車に積み替える。そこにジャクソンが車で駆け付ける。両者が銃撃でせめぎ合う最中、石炭トラックが通り掛かる。強盗団は石炭トラックを奪うと、ジャクソン目掛けて暴走させる。その時、上空に黒雲が立ち込め、トラックから石炭を吸い上げて消える。強盗団はその隙に乗じて逃走する。

一方、ニューヨークで新たに宝石店が襲われ、同時刻にニューヨーク港で石炭竜巻の怪現象が発生する。駒井は強盗時に決まって怪物が現れる理由を測りかねる。課長は怪物がダイヤを盗むという俄に信じがたい話を一蹴する。そこへ昌代から、ジョンソンが宗方の屋敷に現れたとの報せが入る。ジョンソンは世界各地で襲撃された金庫の写真を宗方に提示すると、これほどの強い熱と圧力を出す機械は宗方をおいて造れないと主張する。駒井は課長と共に宗方の屋敷を訪ねると、改めてジョンソンに出頭を求める。ジョンソンは自らが世界ダイヤ保険協会の調査官、通称ダイヤGメンだと明かし、駒井達が誤解していると説く。ジョンソンは一連の強盗事件が強盗団の仕業では無いとの確証を得た事を明かし、真犯人を追う為に警察に協力する意向を示す。

ケースを支部に持ち帰った強盗団は、その中身が氷砂糖とすり替えられている事に気付く。程なく、宗方の屋敷に桐野がやってきて、国連宇宙対策委員会が、怪物の正体を放射能で突然転位した宇宙細胞と結論付けた事を知らせる。過去数回の人工衛星の消滅箇所がいずれも日本列島上空である事から、放射能の吹き溜まりと化した日本上空に生息していた細胞の一種が、放射性物質の影響を受けて異状転位したのだという。宗方は宇宙細胞が強盗事件の犯人であり、石炭とダイヤを同じ炭素物質として隔てなくエネルギー源として食べているのだと推測すると、それが際限なく繁殖し、地球上のあらゆる炭素を含有する物質を食い荒らす事態を危惧する。その時、屋敷に宇宙細胞が侵入し、一同の目の前で金庫の扉を溶かす。

その後、正式にドゴラと命名された宇宙細胞は世界各地で大被害をもたらす。日本の当局は緊急警備令を発し、襲撃が予想される石炭の産地である北九州地方には特別防衛体制を敷く。宗方はダイヤをエネルギーに変えるドゴラを研究すべく、昌代と共に列車で東京から九州へと向かう。ジャクソンもまた九州へ向かうべく、宗方と同じ列車に乗り合わせる。夏井はジョンソンがダイヤの原石を隠し持っているはずだと確信し、車内でジョンソンと密かに接触すると、二人で手を組む事を提案する。ジョンソンは原石の所持を否定し、提案を拒む。一方、駒井は甲州街道で石炭トラックが襲われながらも、原石を積んだ強盗団の車が襲われなかった事から、原石が偽物だったと推測し、突然東京を離れて九州へ向かったジョンソンの行動を訝る。

九州に到着した宗方は、現地で展開する部隊を指揮する北九州防衛隊司令の知己・岩佐と出会う。間もなく、対空レーダーが異状浮遊物反応を感知し、宗方は岩佐と共に司令部へ同行する。集音レーダーが虫の大群の様な音を捉えた為、その原因を探るべく派遣された偵察機は、現場空域で蜜蜂の大群が渦を巻いて飛んでいるのを確認する。程なく、同空域から夥しい結晶体が地上へ落下する。

夏井はジョンソンがチェックインしたホテルで、強盗団と合流する。駒井は先回りして部屋でジョンソンを待ち伏せると、ダイヤの原石の行方と九州に来た理由について問い質すが、ジョンソンは明言を避け、駒井を部屋から追い出す。駒井は偶然にも階下の部屋で宗方達と遭遇する。その矢先に、洞海湾上空にドゴラが巨大なクラゲ状の姿を現し、市民は一斉に避難を開始する。自衛隊はドゴラに集中砲撃を浴びせるが、ドゴラはそれを物ともせず、石炭を吸い上げた後、触手で若戸大橋を破壊する。自衛隊は砲撃に続いて、ミサイルによる攻撃を開始し、成果を上げ始める。ドゴラは消滅したかの様に思われたが、間もなく夥しい数の細胞へと分裂し、空を漂ったまま発光する。その後、繁殖した細胞による被害が世界中に拡大し、水爆攻撃が検討され始める。

翌日、宗方の依頼を受けた駒井は、昌代と共に筑豊の外れに位置する川田炭坑に調査に赴き、そこで宇宙細胞が這い回った痕跡と共に、廃坑全体に広がる地蜂の巣を発見する。報告を受けた宗方は、蜜蜂ではなく地蜂の大群が巣を破壊された事でドゴラを襲い、その際に蜂毒によって細胞に化学変化を起こしたとの見立てを示す。それを受け、自衛隊は直ちに蜂毒の効果を検証する。その後、薬物実験所は宗方の指導により、北九州市に落下した結晶体の分析に成功し、それが蜂毒の宇宙細胞に対する化学作用の結果である事が判明する。その成果は世界中に共有され、各国の薬物工場が蜂毒製造に全力を挙げる。自衛隊は大量の蜂毒を配備し、宇宙細胞を迎え撃つ準備を進める。

九州から引き上げる準備を始めたジョンソンの元へ、駒井が動向を探りに訪れる。そこに強盗団が押しかけ、ジョンソンが隠し持っていた銀行の貸金庫の鍵を見つける。ボスは鍵を奪うと、夏井とサブに銀行へダイヤの原石を取りに行かせる。その矢先に、上空にドゴラの細胞群が出現し、石炭を吸い上げ始める。ボスは駒井とジョンソンを拘束すると、ダイナマイトを仕掛けて夏井達の帰りを待つ。間もなく、サブが戻り、夏井がダイヤを持ち逃げした事を報せる。強盗団はダイナマイトの導火線に火を付けると、組織の迎えが来る海岸へと向かう。

駒井とジャクソンは拘束を断ち、既のところで爆発を免れると、強盗団の後を追う。強盗団は海岸に夏井を追い詰める。ボスは夏井を処刑しようとした矢先に、駒井達が警察を率いて駆け付ける。激しい銃撃戦の最中、夏井は隙を見計らってダイヤを奪って逃走を図るが、その場でボスに射殺される。一方、自衛隊は陸と空からドゴラの細胞群に毒ガスを噴霧する作戦を展開する。間もなく、細胞群は結晶化し、地上へ落下する。強盗団は駒井達から逃れようとした矢先に、巨大な結晶体の下敷きになって全滅する。

ドゴラ撃滅作戦が成功裏に終結し、ダイヤ強盗事件が解決を見た事で、ジャクソンは本物のダイヤは最初から存在せず、囮作戦だった事を駒井に明かす。宗方が宇宙細胞の平和利用に関する国連の会合に招聘され、ジャクソンは宗方と共にニューヨークへ向かう。駒井と昌代は空港で二人の出発を見送る。

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