チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

地球が凍りつく日

ラリー・フェセンデン監督作「地球が凍りつく日」("The Last Winter" : 2006)[DVD]

極北の地で油井開発を目指す会社のチームが、温暖化に伴って凍土から目覚めた、得体の知れぬ存在に襲われていく様を描くスリラー作品。

 

石油開発を営むキック社は、1986年にアラスカの北限地域において石油の試掘を行うも、油井開発には至らず、リグの跡地には白い箱が置かれたまま、その結果は極秘にされてきた。長い年月を経た後、歴史的な決議がなされ、ノース産業は環境保護家と連携して、キック社の油井の秘密を明かす事になる。ノース産業はエネルギー自立を目指して、リグ運搬用の氷道を造り、10年以内の採油所建設とパイプラインの稼働開始を見込み、現地の基地にリーダーのエドを筆頭に6名の専門チームを派遣し、最適な採掘地点の調査に乗り出す。環境調査員のジムと部下のエリオットは、ノース産業が契約違反を犯さぬ様に監視を務めており、温暖化による気温の高まりで氷道が作れないとエドに主張する。エドは事業の支障となる環境調査員を雇う事に否定的で、その上、自分が基地を離れている間に、ジムがアビーと懇ろの仲になっている事を知って、不快感を抱く。エドの甥にあたる新人マクスウェルは、ノース産業のプロモーションビデオを見て、キック社の白い箱に興味を抱く。

温暖化により、永久凍土層の溶解を危惧するジムは、基地から程近い場所にある、打ち捨てられた研究小屋に赴くと、そこで先人の残した記録の数々を発見し、温暖化が急速に進行している証拠を掴む。一方、マクスウェルは単身、キック社の白い箱を訪ねる。マクスウェルが箱に近づいた途端、得体の知れぬ何かがアラスカの大地を駆け巡る。その直後、ジムは研究小屋で原因不明の突風に見舞われ、また、小屋の外に動物が駆け回った様な夥しい数の足跡を発見する。

エドは氷道の代わりに舗装道を造る事を企図するが、エリオットはそれが契約違反だと指摘し、気温が下がるまで待つべきだと諭す。エドはなんとか冬の間に計画を進める為に、運搬車でリグを運ぶ事を提案するが、エリオットはツンドラを損なう事を懸念する。エドはエリオットの主張を一蹴し、ジムと話を付けようとする。日暮れが近づいてもマクスウェルが戻らない為、アビーとリーが捜索に向かう。

エドは運搬車の使用を押し通す為、環境評価書へのサインをジムに強要する。ジムは検討する意向を示すが、エドは本社に根回しをする。その後、マクスウェルがスノーモービルを乗り捨てて行方をくらました事が判明し、エドは皆で捜索を行う事を決意する。その矢先に、マクスウェルが基地に戻る。マクスウェルは不調を訴え、部屋に戻る。程なく、ジムは本社から連絡を受け、昇進を理由に計画から外される事になり、無力感を覚える。

翌日、エドはリグの運搬を強行する意向を固める。ジムはツンドラが凍りきっておらず、運搬車の重さに耐えられないと指摘し、計画を立て直すべきだと主張するが、エドはそれを却下する。ジムは大気中の二酸化炭素が増え、地表が温まると、何千年も凍っていた自然物質が溶け出し、温暖化が急激に進むと警告するが、エドはそれを一笑に付す。

エリオットは研究小屋を訪ね、ジムがノートに残した警告を発見する。ジムはその中で、永久凍土層が溶け出した事で何かが解き放たれた可能性を指摘すると共に、ノース産業が地中から掘り出そうとしている物が脅威をもたらす事を危惧すると、それがウィルスの如き人間への自然による復讐であり、これが最後の冬になると示唆する。その直後、エリオットもまた動物達の駆け抜ける不可解な音と突風を経験する。

その後、二月としては異例な雨が降り始める。また、マクスウェルが不審な挙動を見せ始め、チームはマクスウェルが仕事のできる状態では無いと判断し、帰す事を提案するが、エドはそれに反対する。マクスウェルはジムに対し、キックの油井が呪われており、石油以外にも何百万年も前の動植物の化石が埋まっている事から、自分達は墓泥棒に当たる為、その幽霊が出てくると説き、ここを離れるべきだと主張する。ジムはマクスウェルが基地での厳しい環境に参っているのだと察し、家に帰る様に諭す。マクスウェルは父親に叔父のエドと働く様に強く勧められた事を明かし、それを拒むと、突然、興奮し始める。マクスウェルは、何かが自分達を追い払おうとしており、反撃して来るのだと主張すると、ここで知り得た事実を世間に公表する様にジムに強要する。そこへエドが割って入り、マクスウェルを宥める。

エドはマクスウェルの豹変ぶりを心配し、ジムが悪影響を与えたのだと詰る。アビーはジムがチームに貢献しており、計画から外すのは間違いだと主張するが、エドはアビーに対して失望を露わにする。アビーは計画に口を出し過ぎだとジムを諭し、サインする様に促す。ジムは会社が非難される懸念を伝え、計画の中止を要求するが、アビーは調査結果の口外が契約違反だと警告し、リグを計画通りに運ぶ事が先決だと主張する。その夜、皆が寝静まった後、マクスウェルは裸で基地を抜け出し、行方をくらます。

翌日、エド達はマクスウェルの失踪に気付くと、捜索に赴き、足跡を辿る事で、白い箱の前で凍死したマクスウェルを発見し、遺体を基地に搬送する。電話が故障した為、エドは翌日、本社からフォスターが訪れるのを待ち、遺体を飛行機で搬出する事を決める。エド達はマクスウェルが基地を出る直前に撮った映像を確認する。その中で、マクスウェルは基地に来て以来、感じていた異変について明かすと、雪の中で見た何かを記録する為にカメラを持って基地の外に出る。マクスウェルは目の前に何かがいると主張し、音を聞く様に促すと、その直後に得体の知れない何かに襲われ、そこで映像が途切れる。エドは映像に不快感を募らせ、親が見る事の無い様にテープを焼却する。エリオットはテープが捜査に必要な証拠だと主張するが、エドはそれを黙殺する。ドーンはウェンディゴという精霊の仕業を疑う。

その後、酒に酔いつぶれたモーターに、不審な挙動が目立ち始める。エドはマクスウェルを死なせた自責の念に苛まれる。ジムは永久凍土が溶け、得体の知れない何かが地表に漏れ出しており、異常な空気が全員の判断を鈍らせていると主張し、皆を今すぐ避難させる様にエドに提案するが、エドはそれが馬鹿げた推測だと一蹴する。ジムは会社に報告する意向を示すが、アビーもまたエドに同調する。

その後、基地からメールが送れなくなる。ジムはフェアバンクスへ避難する事をエリオットに提案する。やがてジムも幻覚と幻聴に苛まれ始める。その直後、ジムはエリオットが自室で鼻から大量に出血して死んでいるのを発見する。エドはアビーに促され、一旦、皆で基地を離れ、デッドホースの病院で脳検査を受ける事を決断する。その矢先に、マクスウェルの遺体が忽然と姿を消している事が判明する。

程なく、フォスター達3人が乗った飛行機が基地に飛来するが、着陸直前に突風に煽られ、基地に墜落、炎上する。フォスターは致命傷を負い、残りの2人は即死し、モーターが巻き添えで重傷を負う。基地の半壊により機能が損なわれ、エドは会社から応援が来るまで待機する意向を示すが、ジムは留まれば皆が死ぬと説き、スノーモービルでフォートクロウに行く事を提案する。エドはそれに反対し、氷道の建設キャンプで無線を借り、救助を要請する事を強要する。エドはジムと2人で建設キャンプに向かう。

程なく、キャンプに辿り着いた2人は、ガス欠のトラックと重機のみを発見し、その矢先にスノーモービルがガソリン漏れで動かなくなる。エドはジムに促され、やむを得ず、徒歩でフォートクロウを目指す事を決意する。一方、基地ではリーが動物達の霊を目撃した後、気が触れて、行方をくらます。間もなく、フォスターが息絶える。

エド達はフォートクロウに程近い場所に差し掛かり、そこでマクスウェルとキャンプの運転手の遺体を発見する。エドは動転して駆け出すが、その途端に氷が割れ、エドは水中に落下する。ジムはエドを救出すると、焚き火を起こし、暖を取る。やがて日が暮れる。ジムはノース産業が行っている事を看過せないと主張するが、エドはパイプラインの必要性を説く。一方、基地では気が触れたドーンが、モーターを窒息死させ、アビーに襲いかかる。アビーは抵抗した末に、ドーンを転倒させ、昏倒させる。その時、電力が落ち、基地は漆黒の闇に覆われる。ドーンが忽然と姿を消し、同時に無数のカラスが侵入し、死体を啄み始める。

ジムは突風に見舞われ、巨大な動物の霊が目の前に出現している事を訴えるが、その姿が見えないエドは、ジムを昏倒させて置き去りにする。程なく目を覚ましたジムは、アビーに無線で連絡すると、生き延びて世界に真実を伝える様に促し、警鐘を鳴らす事で皆が現状に気付けば世界が変わると説く。ジムはフォートクロウに向かう尾根を超えた先で、倒れているエドを発見するが、その矢先に何者かに突き落とされ、無線が途絶える。ジムはエドに迫り寄る巨大な動物の霊を目の当たりにすると、照明弾を空に打ち上げ、村に助けを求める。その途端、ジムは霊に遥か彼方へと連れ去られる。エドは新たに現れた三体の霊の餌食になる。

アビーはとある医療施設で目を覚ます。テレビのニュースは、気候の急変による記録的な暖かさと、それに伴う被害の様子を報じる。アビーは無人の院内を彷徨い歩き、部屋で首を吊って死んでいる医師を発見する。その後、屋外に出たアビーは、辺り一面が水浸しの異様な世界を目の当たりにし、大気に動物の咆哮が轟くのを聞く。

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