チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ぬこ発見伝。

徐々に6月らしい気温が戻ってきて、日中も過ごしやすくなった。急激な変化で天候が不安定なのか、ちょっと強めの風が吹いているものの、それが逆に心地良い。

昨夕、外出した際に、猫コロニーらしき例の廃屋の前をまた通ってみた。ここ1、2週間程は変化が無かったから、軽く一瞥して通り過ぎようと思った矢先に、中から白い影がぴょんと飛び出して走り去った。「おっ!猫!?」と足を止めた次の瞬間、今度は白い子猫が狭い隙間からちょろちょろと出てきた。不意に目が合い、お互い硬直すること数秒、子猫は先ほどの親猫?を追って、小さいカラダで瓦礫の合間を縫うようにして去っていった。

まだ両掌くらいの大きさで、ほっそりした白ベースの三毛猫であった。複数の子猫と思しき鳴き声が、しきりに聞こえてきたのが一ヶ月ほど前。あの廃屋を仮に猫コロニーと称していたが、やはり中で出産が行われていた様だ。あの小さなカラダで、ここ数日の猛暑を凌ぐ事ができたのは何よりだが、一匹しか確認できなかったのはやや不安でもある。健気に生きる姿を見ると、何か手助けしてあげたくなるのは人間の性かしら。しかしながら、責任が持てない以上は、猫の生活に介入するのは相応しくないのだろうし、ここは見守るに徹して、引き続き観察を続けようと思う。

それにしても、あの瞬間を写真か映像に残せば良かったな。スマホでもあれば瞬時に撮影できたんだろうに、と己の情弱ぶりを嘆いた夕刻であった。物欲のセレナーデ。あーあ。

 

読了記

言える化 ー「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密

言わずと知れたガリガリ君の製造メーカー、赤城乳業の企業解体新書。大企業にも中小企業にも非ず、強小企業としての確固たる地盤確立に日々邁進する、赤城乳業の実態に肉迫する内容となっている。「見える化」を超えた「言える化」という企業文化がいかに根付いているか、リーマンのみならず就職を控えた学生も本書から学ぶ事は多いと思う。

赤城乳業がいかに人材教育に力を入れ、また横断的な組織運営をしているか、その企業体としての斬新さや魅力が余すところなく紹介されていて、こういう会社で働けたらさぞかしやり甲斐あるだろうなぁと思う。その反面、社長の井上氏の経営方針、謂わば井上イズムに拠って立つ部分が大きいという印象を強く受けたのも確か。組織というのはそういうモノなんだと言ってしまえば、元も子もないのだけど。

井上イズムでは、異端である事を強く求められる。大企業では持ち得ない遊び心が原動力となり、強小としてのフットワークの軽さを、開発に営業にと存分に活かしている。更に「言える化」により、若手の意見を汲み上げるボトムアップの仕組みを、巧みに機能させているのが最大の特徴である。入社間もない社員にも大きな裁量を与え、基本放置プレイ。もちろんバックアップの目配りはするのだけど、本当にヤバくなるまでは泳がせてみると、そんな感じらしい。

他ではあまりお目にかかれないような企業風土を醸成するのも、カリスマを帯びた社長の経営手腕ゆえ。そんなトップの神通力が失われたとしても、尚も持続可能で躍進する組織であり続けられるか、今後も一ファンとして応援していきたい。

言える化 ー「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密

言える化 ー「ガリガリ君」の赤城乳業が躍進する秘密

 

 

映画鑑賞記

ノーラ・エフロン監督作「ジュリー&ジュリア」("Julie & Julia" : 2009)

現在もなお愛されるフランス料理研究科のジュリア・チャイルドと、彼女の料理本の全レシピに挑戦する日々をブログに綴るジュリー、二人の実話を元に、それぞれの時代を交互に描いたハートフル・コメディ作品。

戦後間もない頃、マッカーシズムに追われ、政府職員の夫ポールと共に米国からパリにやってきたジュリア(メリル・ストリープ)。パリでの暮らしを謳歌しながらも、時間を持て余すだけの生活に飽きたらず、夫の勧めであれこれと習い事を始めるものの長続きせず。食べる事が好きな彼女は、そこで一念発起して料理学校でフランス料理を教わる事に。水を得た魚の様にフランス料理をマスターしたジュリアは、友人の料理人シモーヌらと共に、米国人向けフランス料理本の出版にまで漕ぎ着け、その名を世に知らしめる事になるのだった。

時は変わって現代、OLとして平凡な日々を送っていたジュリー(エイミー・アダムス)は、そんな生活を変えようとブログ執筆を決意。テーマは料理。予てからの憧れだったジュリアの料理本に紹介されている524のレシピを、一年で全て作り、その過程を毎日綴っていこうというものである。仕事と家庭を両立しながらも、夫のエリックや友人サラの協力を得て、無謀とも思える挑戦が続く。

ジュリアとジュリーの生きる時代が異なるので、ザッピングする形で物語は進行するワケですな。ぶつ切りという感じではなく、シームレスな感じでテンポも良く、なかなか巧い見せ方だなぁと。貴婦人ライクで品のあるおばちゃんジュリアが、料理研究家として名を馳せるまでを、メリル・ストリープがユーモラスに演じている。その昔、ジュリアが出演していた料理番組で、実際に彼女自身が発していたという決め台詞「ボナペティ~」を、ストリープが上手に(?)真似していて、コレが耳に残るんだわ。その語感が気に入った僕は、一晩で100回以上呟いてしまった(笑)。キッチンで泣き笑いを繰り返しながら、レシピ制覇に奮闘するジュリーも可愛かった。

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