チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

シモンの空 姉の秘密

ウルスラ・メイヤー監督作「シモンの空 姉の秘密」("L'Enfant d'en haut" : 2012)[DVD]

働かない姉に代わって盗品を売って日銭を稼ぐ少年が、ある秘密を抱えている事から、姉と時に激しく衝突しながらも、二人きりで生きていく様を描くドラマ作品。

 

スイス、サン=モーリス。12歳のシモンと姉ルイーズは、山麓に建つアパートで暮らしている。仕事が長続きせず、男遊びに明け暮れるルイーズに代わり、シモンは学校にも通わずに頻繁にケーブルカーに乗ってスキーリゾートに忍び込んでは、更衣室やゲレンデを歩き回り、客のスキー用品を始めとする金目の物を盗み出し、それらを他の場所で安く売りさばく事で生活費に変えている。

クリスマス・イヴ、ルイーズは同僚の男の車に乗って帰ってくるなり、男と喧嘩別れし、更に上司とのいざこざを理由にまた仕事を辞める意向を示す。シモンは盗んできたサンドイッチをルイーズと一緒に食べると、同じく盗んできた真新しいダウンジャケットをルイーズに贈る。その夜、シモンはルイーズの提案に従い、アパートの前の低木をツリー代わりにすべく、伐って持ち帰る。その後、ルイーズは迎えに来た前述の同僚と仲直りし、出かけていく。シモンはイヴの夜を一人きりで過ごす。

翌日、シモンは親友ディランに売ったスキー板を、ディランの親に盗品と疑われないよう中古らしく加工する。その後、シモンは持ち帰ったスキー用品を近所の子供達に格安で売り捌くと、再びリゾートへ「仕事」に出かける。シモンは盗んだスキー板の隠し場所を求めて、レストランの倉庫に忍び込む。シモンはそこで保管されているスキー板の数々を見つけ、盗み出そうと企てる。そこにコックとして働くマイクが現れ、シモンが泥棒だと看破し、追い出そうとする。シモンは親がおらず、姉と暮らしている事から生活のために金が要るのだと訴え、スキー板を取り上げるなら買い取って欲しいと懇願する。マイクは理解を示すと同時に、スキー板をより高く転売しようと企てる。その夜もアパートにルイーズは戻らず、シモンは一人寂しく過ごす。

翌日、シモンは再びリゾートを訪ね、二人の幼い子を連れた婦人クリスティンに名前を偽って近づき、世話を焼く。その後、シモンは雪の中に隠しておいたスキー板を取り出し、マイクに売る。山を降りたシモンの前に、顔に痣を作り、現金と鍵を失くしたというルイーズが会いに来る。シモンはスキー板をアパートに持ち帰ると、新品の様に見せて高く売るためのワックスがけをルイーズに教えようとする。ルイーズは真剣に取り組もうとせず、前回とは違う男ブルーノに呼ばれて出かけていく。その際、シモンはルイーズにせがまれて渋々現金を与える。翌日、シモンはリゾートのレストランで食事中のクリスティンらを見つけ、同席する。シモンは両親がホテル経営で忙しく、一人で来ていると嘘をつく。シモンは見栄を張り、クリスティンらの支払いを買って出るが拒否される。その夜、ルイーズはブルーノをアパートに連れ込む。シモンはそれに不快感を示す。

翌日、シモンはリゾートの従業員らに御用聞きし、在庫処分品と偽って盗品を安く売り捌く。その後、シモンはレストランの客が離席した隙に荷物を盗んで逃げようとするが、客に掴まって公衆の面前で殴られる。ルイーズは傷ついて帰ってきたシモンを労る。翌日、シモンは手入れしたスキー板をルイーズに持たせ、町へ売りに行かせる。シモンは大量のスキー板を隠しておける場所をリゾートの資材置き場に見つけ、マイクと共に運び込む。シモンは両親が交通事故で死に、姉が貧乏だから盗みを働いているのだと明かす。夕方、ルイーズはスキー板を売った金でジーンズとオーブンを買って帰ってくる。

翌日、ブルーノは愛車でルイーズに運転を練習させる。その後、シモンも交えて三人は中古車を見に行く。シモンはルイーズが自分に構わず、ブルーノと親密にしているのを見て俄に嫉妬する。帰り道、シモンはルイーズが姉ではなく、母親だと暴露する。ブルーノはルイーズに真偽を問い質す。ルイーズは戯言だと答えるが、ブルーノはそれを信用せず、二人に車から降りるよう命じる。ルイーズはいずれ話すつもりだったと弁解するが、ブルーノは聞く耳を持たず、ルイーズを拒絶する。置き去りにされたルイーズとシモンは歩いてアパートを目指す。シモンはルイーズに自業自得だと詰る。ルイーズはシモンが12年間重荷であり、足手まといだったと訴える。シモンはルイーズが役立たずだと反論する。その夜、シモンはルイーズの寝室に入り、一緒に寝たいと請う。ルイーズはそれを拒む。シモンは手持ちの200フラン足らずの金を差し出して懇願し、ルイーズはそれを受け取る。シモンは抱きしめて欲しいと請う。ルイーズはそれに応じると、皆に反対されてシモンを生みたくなかったが、一人が嫌で生んだ事を明かす。シモンは弟のままで構わないと答える。ルイーズは夜が明けぬ内にシモンから受け取った金を持って出かける。

翌朝、アパートの傍の空き地で酔いつぶれて眠っているルイーズを、シモンの友人らが見つける。シモンはその報せを受けるなり、ルイーズをアパートに運び込んで寝かせる。シモンはルイーズが一文無しだと知ると、手伝いとして友人の弟マルカスを連れてリゾートへ出かける。シモンはマルカスに子供用のスキー板を集めさせると、それをマイクの元へ持ち込む。マイクはシモンが幼い子を泥棒に巻き込んでいる事を非難すると、二度と来ないよう命じる。シモンとマルカスはスキー板を隠した後、更衣室に忍び込んで客の子供の荷物から小銭などを漁る。間もなく、二人は主任に見つかると同時に泥棒の実態を知られる。二人は出禁対象となり、強制的にゴミ用のゴンドラでリゾートから追い出される。シモンは山麓の道路沿いで、走行中の車に盗品を売って日銭を稼ごうと企てるが難航する。そこへルイーズが話し合いにやってくる。シモンは怒声を浴びせてルイーズを追い払う。シモンはディランから食べ物を分けてもらって糊口を凌ぐ。

程なく、ルイーズはリゾートのコテージで清掃員として働く事を決め、シモンは手伝いとして同行を許可される。ルイーズはシモンに借りを返す意向を示す。ある日、ルイーズ達はクリスティンが泊まるコテージを担当する。クリスティンは荷造りする間の赤子の世話をルイーズに頼む。シモンはルイーズが慣れた手つきで赤子のオムツを変える様子に目を見張る。シモンはクリスティンに嘘をついていた事を知られると、クリスティンに抱きついて許しを請う。クリスティンはコテージを発つ直前に、浴室に置いていた腕時計がなくなった件について二人に問い質す。シモンは関与を否定するが、ルイーズはシモンの服の中を探り、腕時計を見つける。クリスティンは二人に出ていくよう命じる。二人は山から降りるなり、取っ組み合いの喧嘩を始める。ルイーズは帰宅すると、窓際に座り込んで途方に暮れ、涙する。シモンはその隣に座ってルイーズを見つめる。

スキーシーズンが終わり、リゾートの従業員らは休業の準備に追われる。シモンはそこへ忍び込むと、従業員らに自分を次の仕事へ連れて行って欲しいと請うが、主任に見つかり、追い出される。従業員らがリゾートを去り、シモンは一人だけ山に残る。夜、シモンはレストランの裏口に座り込んで涙する。翌朝、シモンは吹っ切れた様にリゾートを後にし、下りのケーブルカーで帰路に着く。その途中、シモンを探しに向かうルイーズを乗せた上りのケーブルカーとすれ違い、二人は互いに気が付く。

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