チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

クチビルをイジる。

季節がさらに進み、涼しさが増した週末。日中でも半袖だともう肌寒さを感じる。秋だ。毎年思うのだが、これくらいの時期に着る服が少ないのがなんとも悩ましい。暑からず寒からずのこの微妙な時期は、そう長くは続かないので、これまた微妙な季節感の服を着てやり過ごす事にしている。しかしやはり心のウチでは「丁度ええ!」感じにさじ加減をしたいと、サレオツを渇望している。カラッカラだ。

カラッカラといえば、これから乾燥の季節だが、僕はここ数週間程、下口唇に出来た小さい傷を、歯と舌でイジるのがクセになってしまっていて、ちょっと困っている。きっかけは火傷か何かだったと思うが、5ミリ大程の破れ傷となり、舌でねぶると痛気持ちいい。これだけでも治りが悪いのに、薄皮が張り始めた頃になると、歯で噛んでペロッと剥がしてしまう。放置して治るに任せて置けば、一週間もせずに塞がる傷なのだが、延々とイジっているから一向に治らない。乾燥が進むと、ここが起点となってバリバリ逝きそうだから、なんとかイジりグセを止めたい。

口唇で思い出したが、僕はその昔、フリーターをしていた頃に、同僚で年上のセクシー女子から「◯◯クンって口唇のカタチがいいよね、キスが上手そう。」などと言う世辞?を頂戴した事がある。その手の話題に耐性ゼロの僕は、思わず赤面して、返す言葉も見つからなかったため、「は、はぁ」などとお茶を濁すしかなかったワケだが、きっと「コイツ経験ないな」と思われたに違いない。いや、そもそも僕を各種未経験のDTと見抜いた上で、「どれ、からかってやれ」とばかりに、ネタとして口唇をイジったのかも知れない。うん、そっちの線が濃厚だ。あれから15年近く経つが、相も変わらず僕はキスを知らないし、今後も知ることがない。秋が寂しさを加速させていく。ヒュールリー。

 

映画鑑賞記

ジェイソン・ライトマン監督作「とらわれて夏」("Labor Day" : 2013)

脱獄囚の男と、彼を匿う事になった母子の運命的な5日間を描くドラマ作品。

1987年。アデル(ケイト・ウィンスレット)は夫と離婚した後、息子のヘンリーと二人きりで暮らすシングルマザー。彼女は離婚の喪失感からうつ症状に見まわれ、精神が不安定な状態が続いていた。そんな母の姿を見て、ヘンリーは少しでも支えになりたいと願い、甲斐甲斐しく世話を焼くのだが、母の渇望する愛を与えられない事に、自らの限界を感じていた。レイバー・デーの近づく週末、アデルらがスーパーへ買い物に出かけると、脱獄囚のフランク(ジョシュ・ブローリン)という男と遭遇する。殺人罪で服役中だった彼は、今まさに脱獄したばかりで、地元警察が全力を挙げて捜索しており、メディアでも大々的に報じられ始めていた。負傷し助けを求める彼に強引に押し切られる形で、アデルは彼を自宅で一晩休ませる事にする。フランクはその風貌とは裏腹にとても家庭的な人物で、世話になる礼にと、家の修理や掃除、料理などを手際よくこなしていく。優しさと厳しさを兼ね備えたフランクの姿はまさに、アデルの喪っていた「男」そのものだった。

脱獄囚との禁断の愛みたいな危ないハナシかと思いきや、そんな感じでもなく、なかなかロマンチックなテイストの作品だった。フランクはあるのっぴきならない事情で殺人を犯してしまい、その事に得心が行かずに服役中に脱獄、アデルとヘンリーに出逢い助けを求める。この男、実に心根の優しいヤツで、強引に家まで押しかけた後は、まさに古き良きマイホームパパみたいなパフォーマンスを発揮しちゃう。父性の象徴の様なその姿に、アデルは惹かれてしまうワケですな。んでヘンリーもまたフランクに父の要素を見出すのだけど、一方で多感な時期故に、フランクとアデルに「男」と「女」の関係を察知し、悶々とし、また疎外感を覚えてしまうと。夜中に情事の様子が聞こえてくるのは如何なものかしら。精神衛生上よろしくないと思うのだが(笑)なにぶん狭いコミュニティだから、ご近所付き合いなんかもそれなりに密にあって、その上警察があちこち回ってるんだから、フランクが早晩見つかるのは必至な状況で、アデルらは逃避行を画策する。その結末はほんのりビター。いやはや愛ですなぁ。相変わらずケイト・ウィンスレットは素晴らしいわ。

f:id:horohhoo:20140913214956j:plain

f:id:horohhoo:20140913215000j:plain

f:id:horohhoo:20140913215003j:plain

f:id:horohhoo:20140913215013j:plain

f:id:horohhoo:20140913215017j:plain