チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

庭への憧憬。

寒さが緩んできたので、布団に包まってさえいれば暖房なしでも凌げそうだが、一度解禁して、その状態に慣れてしまったものだから、ハードルが下がり、ちょっと寒気を感じただけで点けてしまう生活。一方、洗濯物を乾かす為に除湿機と扇風機(強)の併用が欠かせず、そこへ空気清浄機も稼働している。

クソ狭い部屋だというのに、冬場に風を出す装置を4つも使用するという現状に、やるせなさを感じる。当然、それらは互いに別々の場所に置かれ、別々の方向を向いているから、室内の空気の対流は文字通りカオスである。せめて洗濯物くらい外で干せればいいのだが、あいにくベランダやバルコニーの類が付いてない部屋だし、あったとしてもこれからの雪のシーズンは外干しは物理的に不可能で、どこの家庭も部屋干しか、あるいは乾燥機に頼らざるをえないはずである。

一人暮らしを初めて15年近く経つが、今まで外干しできる様な部屋に住んだ経験がない。一度くらい、外干しで乾かした衣類を着て、その心地よさを味わってみたい。部屋干しは常に生乾きとの戦いで、そのために抗菌防臭の柔軟剤を使用しているワケだが、そういうモノに頼らず、真のお日様の香りを纏ってみたい。

ベランダやバルコニーがあれば、植物や野菜なんかを育てるのも面白いかもしれない。何よりそういう作業は生産的だし、萎れきった生活に潤いをもたらすに違いない。もちろん理想は庭付きの戸建てだが、これから火星に行くより無理な望みだろう。ご近所で庭いじりをしている年配の方を見かけるが、ああいう光景にとても憧れる。まったく無いモノねだりばかりの人生だ。

 

映画鑑賞記

ギヨーム・カネ監督作「マイ・ブラザー 哀しみの銃弾」("Blood Ties" : 2013)

犯罪者の兄と刑事の弟、2人の歪な兄弟愛の顛末を描くクライム・ドラマ作品。

殺人罪で服役し、12年間の刑期を終えたクリス(クライヴ・オーウェン)が出所する事になった。彼はかつて札付きの悪党だったが、更生し堅気に生きると決意していた。そんなクリスを父、姉、弟らは暖かく迎え、再び家族が揃った事を大いに喜んだ。弟で刑事のフランク(ビリー・クラダップ)は、クリスの当面の生活の面倒を見る事にし、自身のアパートに住まわせ、仕事の紹介までした。偏に兄弟愛だけがその理由ではなく、クリスとの間に因縁めいた後ろめたい過去があり、気を遣わざるを得ないのだった。刑事という立場上、クリスが前科者である事実はフランクの勤務する署内でも問題視されたが、フランクはそれでもクリスを見捨てるわけにはいかなかった。クリスはフランクのツテで得た仕事に、初めこそ真面目に取り組んでいたが、次第に前科者というレッテルが彼の足かせとなりだし、堅気の生活は頓挫してしまう。そこへ昔の悪友からカネになる話が舞い込み、事業を起こす軍資金を得たいクリスはそれを請け負う。クリスはフランクや家族の期待を裏切る様に、殺人や強盗といった悪事に手を染める様になり、警察に追われる立場となっていく。フランクはいよいよその対処を迫られる事になるのだが・・・

邦題がまたチープ感を醸し出しているのだけど、兄弟間で色々と複雑な事情を抱え、時に激しく衝突しながらも、最終的には兄弟愛、すなわち血の絆が全てを超克する的な人間ドラマ。出所したクリスは本気で堅気の生活をするつもりだったのだけど、前科者でしかもその罪が殺人となると、当然世間の風は冷たい。そんな彼に職場で出逢ったナタリーが好意を寄せ、2人が恋仲になると、クリスは彼女を幸せにしたいと願う様になる。薄給労働でこき使われてる場合じゃねえとばかりに、クリスは事業で一山当てようと目論むも、先立つモノが要る。そこへ舞い込む悪友からの美味しいハナシ。クリスはフランクやナタリーにも内緒で、再び凶悪な犯罪に手を染める様になってしまうと。フランクは兄を差し出すか、刑事を辞めるかの選択を迫られ、苦悩する。まだ兄弟共に若かりし頃、クリスを悪党へ導くきっかけを作ってしまったのが自分だと、自責の念を感じているフランクは、クリスを断罪できない、というワケですな。啀み合い、ぶつかり合いながらも、それでもやはり兄弟なのだという強い感情が、2人を互いに結びつける。血の繋がりは何にも勝るというか、もうここまで来るとある種の溺愛なのだけど、これがまたなかなか硬派で深イイ?ハナシなのよね。尤も、クリスはヒトを殺しまくってるんだけどさ。

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