チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ダ・ダ・モ・レ。

昨夕、外出しようと部屋のドアを開けたら、フロア一面水浸しで驚いた。天井から激しく水漏れしていたのである。避けて通り抜けられないほどの駄々漏れぶりに、何が起こっているかさっぱり分からず、立ち込める埃臭い水の匂いにただただ仰け反ってしまった。昨日は日中雨模様の天気だったが、そこまで激しい降り方ではなかったし、ボロアパートと言えど最上階ではないワケで、原因は他にあるだろうと思い、管理会社に連絡しようと携帯を手にした矢先に、警備会社のヒトが数人連れでゾロゾロと現れた。先に手を回してくれた住人がいたらしい。

ひょっとしたら部屋の中にまで浸水が及ぶかもしれないと、一抹の不安を抱きながらも、自分には何もできないワケだし、さてどうなるかしらんとその場を任せて待つこと2時間弱。休日だというのに速攻で清掃会社まで来て、フロアの水をキレイに拭き取り、掃除を終えると颯爽と去っていった。無駄に共益費を払っているワケではないのだと、実感した瞬間であった。

結局、何が原因だったのかは聞かなかったので分からないが、あれだけの駄々漏れぶりから察するに、水道周りのトラブルしか考えられない。とりあえず大事には至らずに良かったが、もし室内で水漏れなんかが生じた場合、果たして僕は冷静に対処できるかどうか。有効な手立てを打てずに、きっとあたふたするばかりだろう。これからの時期は水道管の凍結なんかに気を配る必要があるが、長期間部屋を空ける機会なんてないから、実は凍結防止策も凍結した際の復帰策も知らんのだよなぁ。生活スキルがカラッキシないわ。

 

映画鑑賞記

廣木隆一監督作「ソドムの林檎~ロトを殺した娘たち 後篇」(WOWOW「連続ドラマW」: 2013)

巨額結婚詐欺及び連続殺人事件の罪に問われる女と、彼女の取材にのめり込んでいく雑誌編集者の女。2人の女の関係とそれぞれが抱える心の闇を、対照的に描いたサスペンス作品。後篇には3,4話収録。

結婚詐欺及び連続殺人の容疑で公判中の宮村恵(寺島しのぶ)を取材している、雑誌編集記者の設楽万里(木村文乃)は、スポーツ紙記者の北野(溝端淳平)と共に、恵の出自を探るために生まれ故郷の十文字島を訪れる。クリスチャンの島としてしられる十文字島で、かつて恵は誰もが認める程の美しい少女として有名だった。敬虔な信者である母により、厳格な戒律の元、育てられた恵だったが、成長するにつれ窮屈さから折り合いが悪くなり、遂には母の運転する車の中で口論の末、横転事故を引き起こしてしまう。2人は命に別条は無かったものの、母は片脚を失う重傷を負い、恵もまた顔に遺る傷を負った。その事故がもたらしたのは傷だけに留まらず、やがて恵の人生を大きく左右する忌まわしい事件へと発展する。その後、恵は東京での生活を志向し、単身島を出たのであった。そんな恵の過去に、どこか自分と重なる部分を見出していた万里は、尚も恵の取材にのめり込んでいく。そして裁判は結審の時を迎え、恵には死刑判決が下る。

恵と万里、それぞれ境遇の全く異なる2人の過去を紐解きながら、愛と憎しみが悲痛なまでに女を翻弄していく様子を、宗教的な要素を散りばめて描写しているサスペンス。恵は顔に負った傷のせいで、周囲の彼女に対する扱いがまるで変わってしまった事に失望し、傷を除去するついでに、敢えて醜い顔へと整形手術をする。美しい顔では無く、純粋に心を通わせる事で男と繋がりたかったからだと言う。婚活サイトで出逢った男達に結婚を仄めかしてはその都度、カネを貢がせ、更にはその男達が不審な死を遂げていった事については、頑なに自殺だと言い張り、どの男も愛していたのだから殺す理由がないと開き直る恵。本当に恵が男達を殺害したかどうかは、劇中明確にはされない。これだと整形後の恵役の寺島しのぶがブサイクって事になるんだけど、どうなんだろ。一方、容姿に恵まれなかった万里は、不遇に喘ぎ、美しい顔へ整形手術をするも、逆に顔だけでしか評価しようとしなくなった男達を憎み、拒絶しながら生きてきた。「ソドム」というのは旧約聖書で神に滅ぼされた背徳の都市の名で、恵の故郷である十文字島がクリスチャンの集落という事もあって、ソドムやロトに纏わる宗教性を伴った設定が色々と用意されているが、結局神が赦す赦さないみたいな極めて矮小化された宗教観に収斂されるだけの、ちょっと残念な展開だった。「ソドムの林檎」はツノナスの事で、人間を死に至らしめる程の毒性を持っているらしいが、単に禁断の果実という要素に宛てがっただけで、これまたさほど深い意図もない。結局、恵の裁判を出汁にして、万里がその女性性を回復し、いわゆる普通の生活を取り戻すっていうハナシに終始し、前篇と比べ後篇の失速感は禁じ得ないかなぁと。

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