チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

スベらないで欲しい。

早起きしてゴミ出しをしてマッサンを観たら、すこーんと寝入ってしまって目覚めたら昼前だった。こんな調子で日々を過ごし、1月もあっという間に半分が終わった。今朝方、少しだけ降雪があったおかげで、ツルツル路面に恵みのスベリ止めができていた。明日からセンター試験という事で、巷は受験シーズン一色だ。スーパーなんかでは、受験、節分、バレンタインのそれぞれに因んだ商品でひしめき合っていて、なかなかのカオスっぷりである。

昨夜からフジテレビ系「問題のあるレストラン」が始まったので観てみた。これは先日、地下鉄の車内広告でそのキャスティングに興味を持ったのだが、放送直前まで開始日を失念しており、危うく観逃すところだった。飲食店を展開するある企業の徹底した男尊女卑文化に嫌気が差し、退職した主人公・たま子を中心に、ムショクの女性(オカマ含む)が集って、レストランを新たに立ち上げる、というハナシで、1話を観た限りではブラック・コメディっぽいノリの人間ドラマの様だった。

虐げられた女性が男性優位の社会に挑戦するという構図の内容は、物議を醸しそうではあるが、それが直接視聴率に繋がるかは分からない。それでも、新進気鋭の女優陣に加え、ベテラン俳優が脇を固めているおかげで、なかなかどうして愉快だったし、先日始まったゴーストライターと共に、このドラマも完走できそうな気がする。ちなみに双方の初回視聴率は、ゴーストライター:10.5%、問題のあるレストラン:11.3%らしい。昨今のドラマに鑑みるに、この数字が良いのか悪いのか、それはわからない。自分が楽しめれば視聴率はどうでも良いが、しかしながら、あまりに低落ぶりが続くと、打ち切りや無理なテコ入れなんかもあり得るから、スベらず健闘して欲しいところ。例の如く、1話でも見逃した時点でサヨナラしちゃう性分だから、放送日を忘れないようにしないと。ボーっとしてるからなぁ。

 

映画鑑賞記

ショーン・ダーキン監督作「マーサ、あるいはマーシー・メイ」("Martha Marcy May Marlene" : 2011)

カルト集団から逃亡を図り、姉夫婦の元へ身を寄せる事になった女が、生活に馴染めず苦悩する様を描くスリラー作品。

マーサ(エリザベス・オルセン)は知り合った男に誘われるままに、人里離れた山麓の森に囲まれた小さな集落を訪れる。そこではカリスマ的存在のパトリック(ジョン・ホークス)が主導する男女のグループが、一つ屋根の下で共同生活を営んでいた。彼らはエコロジカルで持続可能な自給自足の生活を志向し、各々に適した役割が与えられていた。マーサはパトリックからマーシー・メイという名を与えられ、グループの一員として迎え入れられ、彼らと共に暮らし始めた。ところが、そのグループの実態は、反社会的なカルトそのものである事を、マーサは次第に思い知らされる。グループでは男尊女卑が徹底され、女はパトリックら男達の性奴の様な扱いを受けていた。しかし、女達はパトリックに巧みに言い包められる余り、いつしかそれを日常の中に組み込み、違和感を抱かなくなってしまっていたのである。また自給自足というのも名ばかりで、グループは度々、民家に押し入って金品の強奪を繰り返していた。そんなグループでの生活が2年に及んだ頃、マーサは意を決して集落からの脱出を図る。両親がいない彼女が唯一頼れる肉親が、姉のルーシー(サラ・ポールソン)だった。2年の間、消息を断っていたマーサから連絡を受けたルーシーは、彼女の無事を喜び、マーサを保護すると、夫テッド(ヒュー・ダンシー)と訪れていた別荘に共に住まわせる。しかし、マーサはグループでの暮らしや逃亡した事実をルーシーには打ち明けられなかった。マーサは長い共同生活が原因で、常識や社会性が欠落してしまっており、また虐待の記憶がトラウマとなってフラッシュバックを繰り返す様になった。そんなマーサに、ルーシーとテッドは困惑し、次第に夫婦仲までも険悪になってしまう。

カルト集団から脱出したうら若き女マーサが、姉夫婦の元へ身を寄せるも、カルトで生じたトラウマに苛まれる余り、姉夫婦の生活までぶち壊してしまうスリラー作品。パトリックのグループは、一見、環境保護主義的で、かつてのヒッピーライフにのめり込んだ若者たちに通じる、オーガニックな雰囲気を装っているものの、実は独善的な価値観を振りかざし、殺人や強盗をしては食いつなぎ、女達にはレイプ同然の虐待を繰り返すという、犯罪性向の高い集団だった。女達は「役割」の名の下、小間使いの様に働かされるのに、そんな生活に疑問すら抱かなくなっているのが、カルトならではの恐ろしさという感じ。マーサはグループ内ではマーシー・メイという別称を与えられていたのだけど、グループを離脱後も、そのマーシー・メイの記憶が消えないトラウマとなってしまった。マーサは虚実の判別が付かない程に倒錯していき、次第に姉夫婦とのソリも合わなくなり、疎外感をより一層募らせていってしまうと。現在と過去が頻繁に交差し、マーサの混乱ぶりに視聴者も巻き込まれる作風となっているのが面白い。エリザベス・オルセンの出世作的作品で、派手さは無いものの、魅力的でとても良い演技をしていると思うんだな。

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