チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

呪い襲い殺す

スタイルズ・ホワイト監督作「呪い襲い殺す」("Ouija" : 2014)[DVD]

ウィジャボードを使用した若者達が、招き寄せた悪霊に襲われていく様を描くスーパーナチュラル・ホラー作品。

幼馴染の少女レインとデビーは、霊魂と交信できるとされているウィジャボードに興じる。デビーは3つのルール、すなわち「一人で遊ばないこと」「墓場で遊ばないこと」「さよならを言うこと」をレインに教え、更にプランシェットのグラス越しに霊の姿を見る事ができると説くと、二人は遊び半分で霊に交信を試みる。

それから歳月が経ったある夜、高校生のデビーはウィジャボードを自宅の暖炉に焚べて燃やす。そこへ遊びに行く約束をしていたレインが迎えに来るが、デビーは疲労を訴え、外出を取り止める。レインはデビーの身を案じるが、デビーはウィジャボードをニ週間前にやってみた事のみを明かし、翌朝、馴染みの食堂で待ち合わせる事を決め、レインを見送る。

その後、一人で夕食を取り始めたデビーは、何者かの気配を感じ、更にコンロの火が勝手に付くなどの不可解な現象に見舞われる。自室に戻ったデビーは、ベッドの上に燃やしたはずのボードを見つける。デビーはプランシェットでボードを覗くや否や、悪霊に憑依され、首吊り自殺を図る。

翌朝、食堂に集まったレインと恋人トレバー、親友イザベルは、談笑しながらデビーがやって来るのを待つ。そこで父から帰宅する様に連絡を受けたレインは自宅に戻り、デビーの死を知る。

レインは父と妹サラ、メイドのノナと共にデビーの家を訪ね、集まったデビーの親類縁者と共にデビーの死を悼む。トレバー、イザベル、デビーの恋人ピートも駆け付ける。レイン達はデビーが何も告げずに自殺した事が信じられず、悲しみに暮れる。デビーの母親は家をしばらく離れる事を決め、時々家を見に来る様にレインに頼むと、デビーの遺品を譲る。遺品を自宅へ持ち帰ったレインは、デビーとの思い出に浸る。

程なくして、レインの父親が出張で家を離れる。朝、レインはトレバーと共にデビーの家の様子見に訪れる。レインは屋内で人の気配を感じ、デビーの部屋でボードを見つける。レインは最後にデビーと会話したのが自分で、デビーがさよならも言わずに死んだ事に責任を感じる。その後、レインはピートにデビーについて異変の有無を尋ね、ピートはデビーが最近よそよそしかったと打ち明ける。

レインは三人を集めると、まだデビーが家にいる様な気がすると告げる。トレバーはレインが罪の意識を持っているからだと諭すが、レインはデビーと交信する為にボードを試したい意向を告げ、皆に協力を求める。

その夜、サラを加えた五人がデビーの家に集まると、ダイニングのテーブルでボードを囲む。レインがルールを皆に伝え、霊魂に呼びかけて交信を始めると、プランシェットは"HI FRIEND"と指し、昨日、家にいたのが自分だと認める。レインが誰何するとそれは"D"を差し、レインはそれがデビーだと信じる。レインはなぜ自殺したのか、自分達にできる事は無かったのか、本当に自殺なのかと立て続けに尋ねるが返事は無く、さよならを言いたいと告げると、それが"GOOD BYE"を示した途端に、屋内の電気が落ちる。レインとトレバーは屋内の様子を窺いに向かう。残った三人は誰がプランシェットを動かしたのか疑うが、ピートはレインがデビーと話したいが為に無意識に動かしているのだと説く。レインはコンロの火が勝手に付いているのを発見すると、デビーが自分に何かを伝えたいのだと悟り、呼びかける。その時、気配を感じたピートは、向かった先の姿見に女が映り込んでいるのを見つけると、覗き込んだ矢先に、後ろから押されて鏡に叩き付けられる。一同は恐れを為し、家を後にする。交信を信じ、ボードを持ち帰ったレインに、トレバーは前を向いて生きる様に諭す。

翌日、レインの部屋でボードを見つけたノナは、レインに使用する事を咎め、捨てるように促す。その日、一同はそれぞれに"HI FRIEND"の文字と共に、不可解で異常な現象と遭遇する。レインはそれがデビーからのメッセージだと悟り、再びボードを試す事を皆に提案する。

その夜、デビーの家に集まった五人は再びダイニングでボードを囲む。レインがデビーに向けて語りかけると、誰も座っていない椅子が動き、更にプランシェットが自殺を否定し、殺されたのだと差し示す。ピートが偽りの質問を投げかけ欺く事で、霊がデビーでは無い事が判明する。レインの誰何に対しそれはDZを差し、デビーでは無い事を認める。レインがプランシェットで覗き込むと、隣に口を縫い付けられた少女を発見し、その直後にそれは"RUN"を差し、母親が来る事を告げる。そこに母親の霊が駆け寄って来るのを目撃した途端、ボードが宙に舞い上がる。レインはデビーがボードを使った為に死んだと確信し、一同は家を脱出する。

翌日、皆は全てを忘れ去るようにして学校へ行く。その夜、レインはデビーの遺品の中にあったキーホルダーがUSBだと気付き、中に入っていた動画を再生する。その中で、デビーは屋根裏の掃除を行った際に、前の住人が残したガラクタの中にボードを発見した事を明かし、デビーが一人で遊び、霊が"HI FRIEND"を指していた事が判明する。その頃、イザベルが自宅で悪霊に憑依されて殺される。

イザベルの死を受け、レインは皆で話し合うように提案するが、トレバーは次に誰が取り憑かれて殺されるのかと恐れを抱く。レインはデビーが家にいた何かを怒らせてしまったのだと主張し、ピートに協力を求める。日中、二人は再びデビーの家を訪ねる。レインはデビーの部屋から屋根裏に上がると、そこで母親と二人の娘が写った古い写真の数々を発見する。ピートが新聞アーカイブからドリス・ザンダーという少女の失踪に関する記事を見つけ、レインはDZがその少女だと悟る。記事から、母親と住んでいた10歳の少女ドリスが行方不明となり、母親の関与が疑われていた事、更にその母親をドリスの姉パウリナが殺し、精神鑑定を受けており、生存している事が判明する。

レインはパウリナが収容されている精神科病院を訪ねると、パウリナに事の経緯を伝えた後、ドリスについて尋ねる。レインが写真を見つけた事を明かすと、パウリナは長い間、ドリスの本当の顔を見ていないと懐かしむ。パウリナはドリスの口を塗ったのが母親だと明かすと、母親とドリスの関係について語り始める。

母親は腕利きの霊媒師で、ドリスはそんな母が好きで霊に魅了されていたが、降霊会が次第に大胆になっていくと、霊魂の器が必要になり、ドリスが器にされた。やがて死の世界とこちらの世界を結ぶ道を断てなくなると、母親は悪霊に取り憑かれ、正気を失った。ドリスは悪霊の言葉を遮るために口を縫われた後、家に閉じ込められ、パウリナは自ら母を止める為に殺したのだという。

パウリナはレインがボードを使った事を知ると、デビーの家がドリスの眠る墓場だと告げ、ルールを破り、死者の世界の扉を開けたのだと説く。パウリナはボードと遺体が死者の世界への扉であり、二つの世界の結びつきは強くなり断つことはできないと説く。レインは友達を守る為の手段を請うと、パウリナは母親がドリスを殺して地下の秘密部屋に隠した事を明かし、ドリスの口の糸を切れば、ドリスが母を止めてくれると伝える。

レインは三人と共に、デビーの家の地下室に入り、秘密部屋の入口を探す。霊による妨害に遭いながらも、入口を見つけたレインは、その先の部屋でミイラ化したドリスの遺体を発見する。レインが遺体の口の糸を切り始めると、背後から母親の悪霊が迫るが、糸を切り終えると、ドリスの霊が絶叫を放ち、母親の悪霊は消滅する。レイン達は悪霊の呪いが解けたと信じ、家を後にする。

ところが帰宅したピートは、ドリスの霊と遭遇し殺される。ピートの死を受け、レインは再びパウリナを訪ね、言われた通りに母親を追いやったのに、なぜ終わらないのか問い質す。レインはパウリナがドリスを解放する為に自分を欺いた事を知り、母親が悪霊と化したドリスの復活を止めようとしていた事を悟る。

レインはノナに相談し、死者の世界との繋がりを断つ為には、ボードと遺体を一緒に燃やす必要がある事を知る。レインとサラはデビーの家でトレバーと落ち合う事にするが、先に着いたトレバーがドリスの霊に襲われ殺される。レイン達はトレバーの死を知ると、ボードを携えて地下室へ向かう。レインがファーネスに火を付けた途端、サラが秘密部屋に引きずり込まれる。ドリスの霊はサラの口を縫い付けようとするが、レインはボードでドリスに呼びかけ、相手をする様に促す。ドリスの霊がレインの前に姿を表し、レインに憑依しようとすると、デビーの霊が現れ、それを阻止する。その隙を見計らって、サラが秘密部屋からドリスの遺体を持ち出し、ファーネスに投じて燃やす。続いてレインがボードを投じて燃やすと、ドリスの霊は消滅する。

後日、レインは自室で再びプランシェットを発見し、ガラスを覗き込む。

 

 

タイトルからして直球のB級ホラーだが、浮ついた要素は無く、日本では馴染みの薄いウィジャボードをテーマに描いた、割りとオーソッドクス作品。ウィジャボードというのは、有り体に言えばこっくりさんと同類の、招魂の遊具と言ったところだろうか。たまに向こうのホラーに登場するのを見かけるが、向こうでどの程度認知されている代物なのかは知らない。現代風の若者達が遊び方をよく知らない風に描かれているから、実態もそんなところだと勝手に解釈。家の過去の持ち主から悪霊の正体に辿り着くというのはベタな流れだし、グロや鮮血といった派手な演出も無いのだが、全体的に退屈というワケでも無い。もっと金をかけてスベってる作品がいっぱいあるからだ(笑)。その点、このやや狙い過ぎな邦題は作品の趣旨を反映していて満更でもない。主役のオリヴィア・クックはB級SF「シグナル」にも出演していたし、これからますます活躍しそうな気がする。

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