チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ドラキュラZERO

ゲイリー・ショア監督作「ドラキュラZERO」("Dracula Untold" : 2014)[BD]

トランシルヴァニアの君主ドラキュラが、伝説のヴァンパイアに魔力を授かり、強大なオスマン帝国の脅威から民衆を守るべく奮闘する様を描くダークファンタジー・アクション作品。

 

紀元1442年、オスマン・トルコ帝国はトランシルヴァニアの1000人の少年を奴隷にし、軍用の殺人兵器として育て上げた。その中の一人は比類なき残虐兵に成長し、「串刺し公」として人々に恐れられる様になった。彼こそ、竜(ドラクル)の息子の異名を取るヴラド・ドラキュラであった。やがてヴラドは自らの残虐行為を悔い、過去を葬り去ると、トランシルヴァニアに帰還し、民衆はヴラドを君主と崇め讃えた。

それから10年の歳月が経つ。トランシルヴァニア内の川で、ジプシーのシュケルジムが深く切り裂かれた鉄兜を見つける。ヴラドは臣下と共に視察に訪れ、それがオスマン軍の将軍ハムザ・ベイの部隊の斥候の物だと確認する。ヴラドはオスマン軍がトランシルヴァニアの征服を目論んでいる事を危惧し、臣下ディミトルに城の見張りを増やす様に命じると、臣下二人を率いて、川の上流に位置する牙の山に向かう。

ヴラド達は山の頂上に洞穴を発見する。その矢先に無数のコウモリの群れが飛び出す。ヴラド達は内部に侵入し、遺棄された鎧や、地面を埋め尽くす骨の欠片を見つける。間もなく、暗闇の中から魔物が現れ、臣下二人を殺す。ヴラドは剣で魔物を退け、洞穴から逃れる。魔物は暗闇の中に姿を消す。剣に付着した魔物の血液は陽の光を受けて灰に変わる。

ヴラドは妻ミレナと息子インゲラスが待つ城へ戻る。修道士ルシアンはヴラドが見たという魔物がローマの神秘主義者が予言しているヴァンパイアだと指摘する。それに拠れば、かつてある男が地獄の淵から悪魔を呼び出し、取引を図ったところ、悪魔は男に闇の力を与えたが、男は永遠に洞穴に閉じ込められた。その男こそ、くだんの洞穴の魔物であり、代わりの者を見つけた時に解放されるのだという。ヴラドは魔物について秘密にする様にルシアンに命じる。

翌日、主の復活祭イースターが催され、大広間には民衆が集い、平和と繁栄が続いている事を祝う。宴の最中、ハムザが部下を率いて押しかける。ヴラドは皇帝メフメト二世への貢物として用意した大量の銀貨を供し、引き取る様に促す。ハムザは1000人の少年を差し出す様に要求する。ヴラドはその習わしがとうの昔に廃止されたはずだと反発するが、ハムザはヴラドにメフメトへの服従を求めて引き揚げる。ヴラドの相談役カザンは民衆の幸せと安全を考えて、要求に従うべきだと諭す。ヴラドはかつて父が皇帝への忠誠の証にヴラドを人質に出し、ヴラドは父を喜ばせる為にそれに応じた事をインゲラスに明かし、インゲラスを守る事を誓う。

翌日、ヴラドはメフメトの駐留拠点へ慈悲を請いに訪れ、自らを少年兵の代わりに連行する事を提案する。メフメトはそれを拒み、飽くまで少年兵を要求すると共に、インゲラスを人質に取る意向を示す。程なく、ハムザが部下と共にインゲラスの身柄を預かりにやってくる。ミレナは激しく反発するが、インゲラスはヴラドの意を汲み、人質に応じる事を決意する。しかし、ヴラドは引き渡し直前にハムザに侮蔑された事で翻意し、ハムザと部下全員を皆殺しにする。

ヴラドはオスマン軍に対抗し得る力を魔物に借りるべく、再び牙の山の洞穴を訪ねる。姿を現した古代のヴァンパイアは、ヴラドの思惑を見抜く。ヴラドは民衆と家族を救う事を切望する。ヴァンパイアはかつてヴラドが串刺し公として数千人を殺した際に何を感じたのか問い質す。ヴラドは敵が恐れを抱くのが英雄では無く、残虐な魔物であり、それが故に村ごと串刺しにしてきたのだと説く。ヴァンパイアは強大な闇の力を持つに値する男を待っていた事を明かし、互いの為になると称して、魔力の源たる自らの血液を飲む様に促す。ヴァンパイアはそれを一度飲めば、人間の血への激しい渇望に襲われるが、三日間耐え抜けば人間の状態に戻る一方で、血を飲めばヴラドが自分の様になり、災いをもたらし、大切なものを滅ぼす運命を背負う事になると説く。ヴァンパイアは自らを欺き、魔物の姿に変え、何百年もの間、洞穴に閉じ込めてきた者への憎悪を露わにすると、ヴラドが死んだ後は自分が自由の身となり、ヴラドを駒として仕えさせ、欺いた者への永遠の復讐ゲームを始める意向を示す。ヴラドはヴァンパイアが亡骸の頭蓋に注いだ血を飲み干す。ヴァンパイアはヴラドが死ぬと宣告する。

夜が更けた頃、ヴラドは川の下流で目覚める。その途端、身に付けていた銀の指輪が皮膚を焼き始める。ヴラドは超人的な怪力と五感が備わった事に気付く。その時、城が砲撃に曝され、炎が上がり始める。ヴラドはその身をコウモリの姿に変え、城へ駆け付けると、一人でオスマン軍1000人の兵士達に挑み、容易く全滅させる。ヴラドは遅れて駆け付けたディミトル達に真実を伏せたまま、砲弾の届かない山中に位置する修道院へ民衆を避難させ、報復に備える様に命じる。メフメトは1000人の全滅を知ると、新たに10万の兵を送り、自らが指揮に当たる意向を示す。間もなく、ヴラドは渇きに苛まれる。シュケルジムはヴラドがヴァンパイアに変わった事を察知し、自らの血を差し出す。ヴラドはそれを突っぱね、シュケルジムに近づかぬ様に命じる。

翌日、メフメトの元に串刺しにされた1000人の兵士の死骸が届く。修道院への道中、ミレナはヴラドの全身の古傷が消え、銀の指輪が皮膚を焼いている様を見て、只ならぬ異変を察知する。ヴラドは皮膚を陽の光に曝し、焼いて見せる事で、自ら望んで魔物に変わった事、あと二日間、血への渇望に耐えれば元の状態に戻り、そうでなければ永遠に魔物になる事を打ち明け、決して屈しないと誓う。ミレナはヴラドの決断に理解を示す。

ヴラドは修道院へ向かう民衆の指揮をディミトルに任せ、夜が更けるまでテントの中に留まる。日が暮れた後、民衆の動向を察知したオスマン軍は、森の中で奇襲を仕掛ける。ディミトルはミレナとインゲラスを庇護しつつ、修道院へ急ぐが、その途中で刺客ブライト・アイズに殺される。一足遅く駆け付けたヴラドはブライト・アイズを退け、ディミトルを看取った後、ミレナとインゲラス、襲撃を免れた民衆と共に修道院に入る。ヴラドは民衆に戦いの準備を命じる。一方、オスマン軍ではヴラドが魔物に代わり、闇の力を操るという噂が広がり始める。メフメトは、見えるから恐れるのだと説き、兵士達に目隠しをさせ、進軍させる。

翌日、ルシアンはヴラドが日光を避ける様を目の当たりにし、ヴァンパイアだと悟ると、ヴラドに銀の剣を翳す。ルシアンはヴラドが十字架を恐れない事から人間の血を飲んでいない証拠だと説くと、民衆が騒ぐ前に罪を悔い、命を与える様に命じる。ヴラドがそれを拒むと、ルシアンはヴラドを日光で照らす。ヴラドの皮膚が焼け爛れる様を目の当たりにした民衆は、小屋に火を放ってヴラドを焼き殺そうとする。ミレナはヴラドが皆を救おうとしたのだと説得を試みる。日が翳ると、ヴラドは炎の中から姿を現し、君主に対する忠誠と感謝を民衆に問い質した後、生き延びたのは自分が犠牲を払ったからだと説き伏せ、更なる恐怖に備える様に警告する。ヴラドは教会で主に対し、あと一日渇きに耐え得る力を請うと、そこにやってきたインゲラスに、君主になったらまず民衆の事を考える様に諭す。

その夜、ヴラドはオスマン軍の接近を察知すると、夜が明ければ力を失う事から現世の運命を憂う。ミレナは結婚の際に誓った「現世と来世をなぜ分ける、人は前世より生ずる」という一節を挙げ、愛する者達には時が永遠だと説く。ヴラドは一計を案じ、塔の頂上に周辺から夥しいコウモリを呼び寄せると、それを自在に操る事で、オスマン軍を襲撃する。ヴラドはメフメトの位置を把握すると、塔から飛び立ち、メフメトに襲いかかるが、それがヴラドをおびき出す為の囮だった事を知る。その頃、修道院に侵入したブライト・アイズ率いる部隊は、民衆を虐殺し、塔の頂上にミレナとインゲラスを追い詰める。ヴラドは直ちに頂上に駆け付けるが、既にインゲラスは連れ去られ、ミレナは崖下へ転落させられる。ヴラドは飛び降りてミレナを救おうとするが、既のところでミレナを掴み損なう。間もなく、日が昇り始めると、瀕死のミレナは自分の血を飲む様にヴラドに促し、インゲラスを守って欲しいと請う。ヴラドはミレナの首に噛み付き、その命を奪う。その瞬間、洞穴のヴァンパイアが解放される。

ヴラドは空を黒雲で覆い、陽の光を遮断すると、カザンを含め、僅かに生き残った者達に自らの血を飲ませ、ヴァンパイアに変える。ヴラドは串刺し公時代の鎧を身に纏い、ヴァンパイア達を率いてオスマン軍の駐留地を襲撃する。メフメトは大量の銀貨を散りばめたテントの中で、銀の剣を携え、ヴラドを迎え撃つ。銀で魔力を奪われたヴラドは、メフメトの前に屈する。メフメトはヴラドの心臓に木の杭を打ち付け、止めを刺そうとする。ヴラドはそれに抗い、メフメトを斬りつけると、「串刺し公の名は捨てた、我が名はドラキュラ、悪魔の息子だ」と告げ、メフメトを咬み殺す。

ヴラドは囚われていたインゲラスを連れ出す。カザン達はオスマン軍を皆殺しにすると、人間への敵意を露わにし、インゲラスを始末する様にヴラドに命じる。ヴラドはカザンの心臓を木の柄で串刺しにして殺し、ヴァンパイア達を牽制する。そこへルシアンが十字架を掲げて現れ、インゲラスの保護を申し出る。ヴラドは、泣いて別れを拒むインゲラスにずっと愛していると告げると、ルシアンにインゲラスを託し、空を覆う黒雲を晴らす。ヴァンパイア達は皆、陽の光を浴びて灰へと変わる。ヴラドもまたその場に崩れ落ちる。程なく、そこへシュケルジムが駆け付け、朽ち果てる前のヴラドに血を飲ませて復活させる。オスマン軍の撤退後、インゲラスが王位を継ぐ。

時を経て現代のロンドン。永遠の命を生きるヴラドは、街中でミレナの生き写しの女ミナと出会い、結婚の誓いの一節を告げる。ミナはそれが自らの好きな詩だと明かす。ヴラドは一つの魂がもう一つの魂に愛を語る詩だと説く。二人は意気投合して歩き始める。その様子を見守る古代のヴァンパイアは「ゲームを始めよう」と呟き、二人の後を追う。

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