チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ディアボリカル

アリステア・ルグラン監督作「ディアボリカル」("The Diabolical" : 2015)[DVD]

ある家族が、屋内で正体不明の怪人が出現と消滅を繰り返す現象の解明に乗り出し、やがて想像を絶する真相に迫る様を描くSFホラー作品。

 

マディソンは粗暴な夫を亡くして以来、女手一つで小学生のジェイコブ、ヘイリーを育てるシングルマザーである。家のローン支払いが家計を逼迫し、マディソンは日々の生活に苦慮するが、更に家の中で頻発する不可解な超常現象にも苛まれる様になる。皮膚が溶け落ちて異形の姿をした人間等、幾つかの得体の知れぬ存在が閃光と共に突如出現しては、忽然と姿を消すのである。マディソンは超常現象の研究者らに屋内の調査を依頼する。研究者らは屋内で機械音を探知するも、恐れをなして逃げる様に帰っていく。

ジェイコブは家計が苦しいのを察しながらも、幽霊の存在を気味悪がり、マディソンに引っ越しを求める。その一方で、ジェイコブは半年前に学校で級友に暴力を振るった件で、定期的にカウンセラーのウォレスの面談を受ける。ジェイコブは謝意と共に意図的では無かった事を伝え、弁明するが、ウォレスに責任逃れだと指摘される。マディソンと懇意の教師ニックは、ジェイコブの才能を見出し、中学生向けの特別授業を行う。ある夜、起き出したジェイコブは、キッチンで床を這う血塗れの人間と遭遇するが、それは間もなく姿を消す。ヘイリーはまた別の幽霊と称する人間と頻繁に遭遇しており、それが死んだ父親だと疑う。

ある日、不動産会社のハミルトンがやってくる。ハミルトンは債権者のカムセット社から土地買収を依頼されている事を明かすと、開発計画の要となる土地だと説き、ローン返済が滞っているのを指摘した上で、相場より遥かに高い金額での買い取りをマディソンに提案する。

ジェイコブは学校でヘイリーにいたずらをするダニーを止めに入り、その際に面罵された為に殴ってしまう。マディソンはジェイコブを叱責すると共に、怒りを抑える様に諭すが、ジェイコブは反発する。ヘイリーは再び姿を現した幽霊と称する男に語りかけ、言葉を返す様に求める。

その夜、マディソンはジェイコブについてニックに相談する傍ら、精神的に不安定だった夫が死んで安堵し、自由になれたと打ち明ける。ニックはマディソンの気持ちを慮ると共に、前職で納得出来ない仕事をやらされ、上司と意見が対立し、退職して新しい人生を歩み始めた事を明かす。その直後、ダニーが級友二人を連れて、マディソンの家に意趣返しにやってくるが、窓越しに怪物の様な形相の男を目撃して慄き、逃げ出す。マディソンは相次ぐ怪人の出現について話すのを躊躇う。ニックはマディソンの苦悩を察して、その理由を聞かずに帰る。

その後、再び超常現象が発生し、怪人が出現する。マディソンは子供達を退避させるが、怪人はそこに姿を現し、二人の腕を握ると、その部分が爛れる。マディソンは怪人を退けようとするが、怪人は姿を消す。マディソンは二人の手当をすると、ニックの家に身を寄せるべく連絡する。マディソン達が屋外へ出た途端、子供達が原因不明の異変に見舞われ、昏倒するが、二人を屋内に戻すと、程なく回復する。

翌日、マディソンは医師を招いて二人の検査を依頼する。しかし、検査では異常が見つけられず、医師はストレス性の精神的な疾患を疑う。業を煮やしたマディソンは、ネットで似た事例を検索し、カムセット社の科学者が、陽子加速器の実験後に、数ヶ月に渡って外出不能に陥った症例を発見する。ジェイコブは、生前の父が出て行ったのは自分の反抗的な態度のせいだと自責の念を抱く。マディソンはそれを否定し、短気だった父に限界を感じ、自分が追い出したのだと明かす。

日中、再びハミルトンがやって来て、手続きを催促する。マディソンは遠慮する様に請うが、ハミルトンは応じなければ差し押さえになる為、売るべきだと主張する。憤慨したマディソンは子供達が病気であり、今は出ていけないと理解を求めるが、ハミルトンは環境を変えたら治るかも知れないと説く。程なく、ニックが様子見にやって来る。マディソンは苦悩を訴えると、隠し事について明かし、別れを促す。その直後、乾燥機の中から血塗れの異形の人間が現れ、マディソン達に這い寄るが、悲鳴を聞いたニックがその場に駆け付けた途端に、それは姿を消す。

マディソンは専門家に相談したが誰も信じてくれない為、説明が付きそうなカムセット社の科学者の事例を発見した事を明かす。マディソンは三体の正体不明の何者かが、超常現象を伴って光と共に現れ、光と共に消える様子を説く。ニックは謎の解明への協力を願い出る。ニックは早速、かつての同僚に実験と称して機材を借り受ける。

マディソンはジェイコブのウォレスとの面談に同席する。ジェイコブはダニーを殴った経緯について、後悔しているが放って置けなかったと話す。ウォレスはジェイコブの素行について家庭に問題があるからだと指摘するが、マディソンは妹を守っただけだと主張する。ウォレスは自制心の問題だと説き、このままだとダニーの両親から訴えられると警告する。マディソンはジェイコブに理解を示す。

ニックは屋内に機材を持ち込むと、装置による測定と高精度カメラによる撮影で現象解明の準備を整える。夜を迎えると、物が浮き、電気が明滅する等の超常現象の後、怪人が現れる。一同は出現と消滅を繰り返す怪人を退けながら、二階の部屋に逃げ込み、怪人を外へ閉め出す。その際、怪人はドアで指を切断した後、消滅する。

翌日、ニックは測定データの分析を始める。マディソンは記録した映像を確認し、怪人の着るスーツにカムセットのロゴがプリントされている事に気付くと、カムセットと怪人の関係を疑い、カムセットのサイトを探索する。そこで人体実験の疑惑が取り沙汰された為に無期限停止されたプロジェクト「エコー」の存在と、そのチームにニックが在籍していた事が判明する。マディソンはニックに事実を問い質す。ニックはそれが恐ろしい実験であり、働いていた事を話せばマディソンとの関係を失うと思ったのだと弁解する。マディソンは家に起きている現象が人体実験であり、標的にされているのだと疑う。ニックは「エコー」が瞬間移動の実験で、今後40年間は行えない様になっている事、国が重症の囚人を募って強引に進めようとした為に自分は手を引いたが阻止はできなかった事を明かし、マディソン達を助けたいと願う。

ニックはカムセット研究所から家に向けて、ある信号が規則的に流れ込んでいる事を掴む。マディソンは自分達を家から追い出す為だと指摘するが、ニックは実験が40年は禁止されているはずであり、出現する囚人が未来人である為、阻止する術が無いと説く。マディソンは囚人を殺す事を提案する。

マディソン達は屋内に殺傷能力を備えた武器と罠を忍ばせ、囚人を撃退する準備を整える。夜が訪れ、囚人が出現すると、マディソンは子供達を地下に隠れさせる。その時、ハミルトンが契約書を携えてやって来るが、囚人に捕らえられ、奇怪な死を遂げる。マディソンとニックは格闘の末に囚人を撃退し、屋外の罠に嵌める。その際、ニックが足を切りつけられて負傷する。マディソンは囚人を昏倒させ、ニックを連れて屋内に退避する。そこへ警察官二人が駆け付ける。ニックは外にいる男が殺人鬼だと伝えるが、既にその姿は無く、警官達は囚人に不意を突かれて殺される。囚人はニックを昏倒させると、地下室のマディソンと子供達に迫る。マディソンは囚人に立ち向かうが、逆に腹部を切りつけられ、致命傷を負う。反撃を企てたジェイコブは頬を切りつけられる。その瞬間、囚人の頬にも同じ様に傷痕が現れ、マディソンは真実を悟る。目覚めたニックは警官の銃で囚人を撃ち抜くが、マディソンは殺さない様に請う。

そこへ警察の応援が到着し、屋内へ向かう。マディソンは終わりにすべきだと告げ、傍にいて欲しいと請うジェイコブにいつか分かると理解を求める。マディソンは囚人に寄り添うと、ニックと子供達を残し、光に包まれ未来へ転送される。

40年後のジェイコブは、母の敵を討つべく、研究所の爆破を企てるも捕らえられ、ロボトミー手術を施された後、実験台として過去に転送されていた事が判明する。マディソンは実験を止める様に研究者達に訴えかける。

程なく、救急隊が駆け付け、ジェイコブ達は家を後にしようとする。その時、回復したマディソンが未来から転送されて来る。マディソンは駆け寄るジェイコブを抱き寄せるが、その表情は元のマディソンでは無い事を示唆する。

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