チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

クリストファー・ノーラン監督「ダンケルク」でまたしても時空を操る魔術師っぷりを発揮してしまう。

昨日はクリストファー・ノーラン監督の最新作「ダンケルク」をIMAXで観てきた。何と言ってもIMAXカメラによる撮影に熱意を注いでいるノーランの作品だから、今回ばかりは費用が嵩むにしてもIMAX以外の選択肢は眼中に無かった。私は歴史に全く疎いので、本作の公開が予告された時までダンケルクの戦いについて知らなかった。マジで恥ずかしい。第二次大戦中、フランスに侵攻したドイツ軍によって北部の港湾都市ダンケルクに追い詰められた連合国軍の40万にも及ぶ兵士達を英国に撤退させる一大作戦、「ダンケルク」はそれを徹頭徹尾ノーラン流で描いた作品である。ダンケルクの浜辺に集い、救援を待つ兵士達、救援の為に徴用され、ダンケルクに向かう民間の遊覧船、敵機を追尾するスピットファイア、これら3つの視点が異なるタイムスパンで同時進行し、終盤で交差する様にできているのだが、そこに至るまでの魅せ方が実に巧妙で、ノーランの鬼才ぶりが遺憾無く発揮されている。インセプションインターステラーに続いて、またしても時空を操るという妙技を、異なる手法でやってのけるのだから、この監督は本当に凄いとしか言いようがない。映像も然ることながら、音響の素晴らしさも相まって、臨場感はハンパなく、久しぶりにIMAXを選んで心底良かったと思える傑作だった、というか、ストーリーより臨場感を体験する趣きの作品だから、IMAXで無いと本来の価値を堪能できないとさえ思う。しかし、ノーラン一座のトム・ハーディだけあって、最後はおいしいところを持っていくなぁ。