チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

エベレスト

バルタザール・コルマウクル監督作「エベレスト」("Everest" : 2015)[BD]

1996年5月に起きたエベレスト遭難事故の一部始終を描く伝記アドベンチャー作品。

 

1953年、エドモンド・ヒラリーテンジン・ノルゲイが世界初のエベレスト登頂に成功した。それから40年間、プロ登山家だけが頂上に挑み、四人に一人が死亡した。1992年、ニュージーランドの登山家ロブ・ホールがアマチュア登山家向けのエベレスト商業登山の分野を開拓した。ロブの起こしたAC(アドベンチャー・コンサルタンツ)社は四年間で19人の顧客の登頂を成功させた。1996年、ロブに続くスコット・フィッシャーのMM(マウンテン・マッドネス)社など、20以上の遠征隊が、シーズン内の登頂を競う事になった。

AC隊を率いるロブは、同じく登山家で出産を控えた妻ジャンに無事戻る事を約束し、クライストチャーチを発つ。3月30日、カトマンズで、ロブ、ACガイドのハロルドとマイク、それぞれに登山経験とバックグラウンドを有する顧客の登山家ベック、ダグ、スチュ、ジョン、ヤスコ、アウトサイド誌の記者クラカワーらが一堂に会する。ロブはエベレスト登頂の過酷さを説き、登頂予定の5月10日までの40日間で肉体と精神を鍛える意向を示す。

翌日、カトマンズを発った一行はルクラ空港(2860m)、ナムチェ・バザール(3750m)、タンボチェ僧院(3867m)、登山者の慰霊碑・トクラ(4877m)を経て、MM隊、IMAX撮影隊、南ア遠征隊らでごった返すベースキャンプ(5364m)に到着する。ロブはベースキャンプ・マネージャーのヘレン、シェルパ頭のアン、隊医キャロラインを紹介する。ロブは互いに気を配り、協力し合うよう顧客達に促す。一行は登頂までの一ヶ月で環境に順応する為、第一キャンプ(5944m)、第二キャンプ(6492メートル)への登高後、ベースキャンプに戻る訓練を繰り返す。その最中、前回の挑戦において登頂寸前で断念を余儀なくされたダグが不調を来し、キャロラインの診察を受ける。ベックは結婚記念日を失念していた事に気付くと、ダラスで二人の子と暮らす妻ピーチに衛星電話をかけ、エベレスト登頂に挑む意向を示す。

ローツェフェイス(7132m)での訓練の最中、先発の南ア隊と台湾隊の混雑が原因で、AC隊は極寒の中、クレバスにかけたハシゴの前で立ち往生を余儀なくされる。事態を重く見たロブは、キャンプに戻ると、他の遠征隊のガイドを集め、混乱を避ける為に登頂計画の調整を呼びかける。しかし、どの隊も5月10日を譲ろうとはせず、協議は失敗に終わる。ロブはスコットに改めて協力を申し出る。スコットはACとMMでは顧客に対するスタイルが違う為に難色を示すが、ロブの要請を承諾する。ACとMMはルート内の酸素ボンベの配置やロープ設置に伴う作業分担を協議して調整する。

5月に入り、順応を終えた一行は登頂に備える。ロブはジャンから胎児が女と判明したとの報せを受ける。クラカワーは隊の集いの中で、取材の一環として、苦しく危険で一財産投じるエベレスト登頂になぜ挑むのか尋ねる。それに対し、ダグやベックは各々のバックグラウンドを語る。出発前日、ロブはジャンに連絡し、生まれてくる子と三人で山に登る展望を語る。

翌日、ベースキャンプを出発したAC隊は、第一キャンプ、第二キャンプを経て、第三キャンプ(7315m)に到着する。一方、スコットは自らも腹痛を抱えながら、不調を来した顧客をベースキャンプまで降ろした後、再び戻ってくる意向を示す。ロブは一日で往復するのは厳しいと説き、第一キャンプで休むよう促すが、スコットはステロイド剤を打って往復を強行する。ヘレンは山の近くに生じた嵐が11日に直撃する見込みをロブに伝える。AC隊は山頂付近の天候状況が良好である事から、予定通り第四キャンプ(7951m)入りするが、その直後に山は嵐に見舞われる。間もなくスコットはMM隊に追いつく。MMガイドのアナトリは登頂の中止を提案するが、スコットはロブへの対抗心から留まる事を決断する。10日の未明、嵐が収まると、AC隊とMM隊は14時に引き返す予定で登頂に挑む。スコットは体調が好転しない為にしばらく休んで追いかける意向を示す。

一行はバルコニー(8412m)を通過する。その最中、ベックは目に支障を来す。ロブはベックに戻るよう促すが、ベックはそれを頑として聞き入れず、ロブはベックに座って休んだ後、回復しなければ登頂を諦めるよう命じる。南東稜のヒラリーステップ下で、両隊の連携不足から固定用のロープが足りていない事が判明する。ハロルド、アナトリ、ニールは直ちに新たにロープを張り始めるが、両隊の顧客達は立ち往生を余儀なくされる。10時過ぎ、ルー、スチュ、タースケの三人が登頂を諦めて引き返す。12時前に作業が終了し、ヒラリーステップ(8760m)へのロープが繋がる。13時過ぎ、一行は次々と登頂に成功し、下山を始める。14時に登頂したロブは、不調で遅れているダグを待つ。間もなく、スコットが苦心惨憺の末に登頂する。ロブは予定の時刻を過ぎている事からスコットと共に下山を始める。15時過ぎ、ロブはダグを見つけると、登頂を諦めるよう促す。ダグはこれが最後のチャンスなのだと訴える。ロブは郵便配達や大工を掛け持ちするなどして挑んでいるダグの境遇を慮り、スコットを先に行かせて、ダグを引率する事を決意する。

16時、ダグは遂に登頂を果たす。マイクは下山途中で身動きが取れずに休んでいるベックを見つけ、一緒に連れて行く。その頃、プモリで隊を引率していたACガイドのガイは、エベレストに黒雲が湧いてきている事をヘレンに報せる。ロブはダグと共に直ちに下山を始めるが、ヒラリーステップの上でダグの酸素ボンベの残量が無い事が分かり、ハロルドとマイクに助けを求める。ハロルドは南峰にアンが残していったという酸素ボンベを取りに戻る。ガイはロブだけでも下山し、ダグには救援を送るよう促すが、ロブはダグを置き去りにする事を拒む。ガイはプモリを離れ、ベースキャンプに向かう。一方、スコットもまた不調で動けなくなり、アナトリに酸素を持って来させるよう、シェルパ頭のロプサンに命じる。

程なく、山は激しい嵐に見舞われる。ダグは自分を置いて下山するようロブに促すが、ロブはそれを拒む。ダグはロブが酸素ボンベを受け取りに行こうと離れた矢先に、自ら命綱を解いて滑落する。その直後、ハロルドはロブの元へ酸素ボンベを持っていくが、凍りついて使えない事が分かる。一方、ベックとヤスコは滑落の末に倒れたまま動けなくなる。アナトリはスコットを探しに行く。

ジャンは指定した時間になってもロブから報せがない事を心配し、ヘレンに連絡する。ヘレンは最悪な状態だと伝える。間もなく、ベースキャンプに到着したガイは、ロブに連絡を試み、救援隊を組織する意向を示す。嵐の中、ハロルドは幻覚に囚われ、滑落する。アナトリは倒れたまま動かないヤスコとベックを残し、ロプサンと顧客サンディを連れ帰る。

11日、ガイは早朝からロブに連絡を試みる。ロブはそれに応え、両手とマスクが凍りつき、身動きが取れないでいる事、ハロルドとダグが死んだ事を伝える。ガイは下山を促すが、ロブは弱々しい声で助けが必要だと訴える。ヘレンはロブを励ますべく、衛星電話と無線を繋げる事でジャンにロブと会話させる。ジャンは諦めないで戻ってくるよう諭す。ロブは愛していると伝えた後、通話を絶つ。アンはロブを助けに向かうが、嵐に阻まれ、已むを得ず引き返す。AC隊でキャンプに生還した面々は誰しも疲れ果てる。ガイは救援の目処が立たない事をロブに報せる。ロブはもう一晩嵐を凌ぐ意向を示すと、岩場の影に身を潜める。ヘレンはジャンに連絡し、絶望的な状況を伝える。ジャンは再びロブに繋げてもらうと、改めて戻ってくるよう哀願する。ロブは生まれてくる子にサラと名付ける事を希望すると、会えない事への無念を示す。二人は互いに愛を伝えあった後、通話を終える。

やがて、嵐が一段落する。死を免れたベックは意識を取り戻すと、家族の元へ戻る為に気力を振り絞り、酷い凍傷を負いながらもキャンプに自力で戻る。一方、アナトリはスコットの遺体を発見する。ベックはIMAX隊の協力を得て、第一キャンプまで降ろされる運びとなるが、そこから先はアイスフォールで運べず、またヘリが飛ぶには危険な高度である事から、ヘレンは予断を許さない状態だとピーチに報せる。ピーチは大使館に救援要請する。その結果、現地のヘリが極力軽量化を図った上で第一キャンプへの出動を強行し、ベックを山から搬送する。程なく、ダラスに帰還したベックはピーチと再会するや、抱き合い、感謝の言葉を告げる。

7月、ジャンは予定通り、女児を出産し、サラと名付ける。ベックは凍傷により両手と鼻を失うが、家族と一緒にダラスで過ごし続ける。ロブの亡骸はスコット、ハロルド、ダグ、ヤスコと同じく、今もエベレストに眠っている。

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