チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。4年目。

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う

ジャン=マルク・ヴァレ監督作「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」("Demolition" : 2015)[DVD]

妻を事故で亡くすも哀しみを感じない男が、あらゆる物の分解にのめり込む内に、ひょんな事から知り合った母子と親交を深め、心を再生させていく様を描くドラマ作品。

 

投資会社に勤務するデイヴィスは経済的には何不自由なく暮らしていたが、妻ジュリアへの関心は薄れかけていた。ある日、デイヴィスはジュリアの運転する車に乗って移動中、ジュリアから冷蔵庫の水漏れを直すよう頼まれる。その直後、車は衝突事故に遭い、ジュリアは帰らぬ人になる。無傷で済んだデイヴィスは茫然自失するも、ジュリアの死を知っても悲しみを覚えず、ICU傍の自販機でピーナツ菓子を買おうとするが、不具合で落ちて来ない為に連絡先をメモする。程なく、ジュリアの実家で義父母フィルとマーゴによって葬儀が営まれる。デイヴィスはその場を抜け出し、自販機会社チャンピオンに苦情の手紙をしたため、その際に自らの素性を含む事の発端を詳細に綴る。その中で、デイヴィスは毎朝早朝の通勤電車で出勤し、球場勤務の男に仕事を聞かれる度にマットレス販売だと偽っている事、フィルの営む投資会社にコネ採用され、手取り足取り教わった後、何の手応えも無い数字だけの世界で巨額を動かしている事、ジュリアとはパーティで共通の知人を介して出会い、直ちに交際を始めたものの、自らはニュージャージーの貧しい家出身の為に当初フィルには嫌われていた事、ジュリアは特別支援学級の教員をしていた事などをあけすけに打ち明け、手紙を投函する。

葬儀から程なく、デイヴィスは何事も無かった様に平然と出社すると、遅れを取り戻すべく仕事に取り掛かり、社員を驚かせる。フィルはデイヴィスを心配し、バーへ連れ出すと、ジュリアを失った深い悲しみを吐露する。フィルはデイヴィスが今後も公私共に大切な存在だと説くと、ジュリアの名前で優秀な学生に奨学金を与える基金を始める意向を示す。

デイヴィスは新たにチャンピオンへの手紙を綴り始める。郷里から心配してやってきたデイヴィスの両親は何かとデイヴィスの世話を焼く。デイヴィスは毎朝電車で会う男に真実を打ち明ける。男もまた素性を偽っていた事を明かす。デイヴィスは妻の死への悲しさを感じない事を明かすと、衝動的に列車の緊急停車レバーを引いてしまう。見かねた両親は実家に戻ってくるよう勧めるが、デイヴィスはそれを拒む。デイヴィスは一連の出来事をしたためた手紙を投函し、帰郷する両親を見送る。

デイヴィスはこれまで感じなかった、取るに足らない色んな物事に興味を抱く様になる。深夜、デイヴィスは冷蔵庫の水漏れに痺れを切らし、バーでフィルから聞いた「心の修理は車の修理と同じであり、まず隅々まで点検してから組み立て直すのだ」という旨の話を思い出すと、それに倣って冷蔵庫を分解する。その時、チャンピオンの顧客窓口を担当しているというカレンから連絡が来る。カレンはデイヴィスがこれまでに送った四通の手紙を読んで泣いた事を明かすと、苦情を責任者に伝える以外にできる事は無いかと問いかけるが、即座にプロとして不適切だという見地から翻意する。デイヴィスがプロという程の仕事なのか問い返すと、カレンは電話を切る。

後日、再びカレンから連絡が来る。デイヴィスは先の指摘について侮辱のつもりでは無かったと弁解する。デイヴィスは義両親との夕食を切り上げ、カレンとレストランで落ち合う約束をする。店にやってきたデイヴィスに対し、カレンはジュークボックスの音楽を聞いて悲しくなり、先に店を出て駐車場にいると連絡する。デイヴィスをは窓越しに、車内で大麻を吸う女のシルエットを確認する。カレンはデイヴィスと会うこと無く、走り去る。

翌日、出社したデイヴィスは、オフィスのPCやトイレの個室を分解すると、その足でチャンピオンの工場を訪ねる。デイヴィスをは応対した社長のカールに詳細を告げずに帰る。デイヴィスは改めてカレンに連絡する。カレンは15歳の息子がいる事を明かすと、会社に来ないよう求める。デイヴィスをは通勤列車で自分を見ている女に気付き、その傍に寄ると、自己紹介がてら、仕事や結婚について一方的に話をしながら女の顔を観察した事、名前を聞こうとした矢先に女が駅で降りたものの、その際に雑誌を置き忘れていった事を手紙に綴る。

翌日、デイヴィスはフィルに分解の理由を問われた後、しばらく会社を休むよう命じられる。デイヴィスをはそのまま帰宅せずに、雑誌に記載された住所を頼りにカレンを捜す事を決意する。その途中、デイヴィスは家屋の建て直しの為に解体工事を行っている現場を見つけ、手伝わせて欲しいと自ら金を払って頼み込む。デイヴィスをはスーツ姿のまま作業に没頭する。その夜、デイヴィスをはカレンの家を訪ねる。応対に現れたカールは要件を問い質す。カレンはカールを引っ込めると、彼が恋人である事を明かし、デイヴィスに電話や尾行したのは間違いだったと悔いる。デイヴィスはその日の出来事を綴ったばかりの最後の手紙をカレンに手渡して帰る。

翌日、カールが出張に出かけると、カレンは手紙を読む。その夜、カレンはデイヴィスの家を訪ねる。デイヴィスはその瀟洒な邸宅を気に入っていない事を明かす。カレンはデイヴィスを自宅へ招くが、セックスを拒み、隣のベッドで一緒に眠るに留めるよう請う。デイヴィスはそれに応じる。デイヴィスはカールを愛していない事を明かすと、デイヴィスの様に正直に生きたいという望みを吐露する。翌朝、デイヴィスはカレンの息子で不良少年のクリスと対面する。帰宅したデイヴィスは基金の企画書へのサインについて再三催促するフィルのメッセージを聞く。また、デイヴィスは車で外出する度に、古いワゴン車に尾行されている事に気付く。

カレンは自家栽培の大麻を融通してくれる老夫レイにデイヴィスを紹介する。デイヴィスは50年以上前にパリから来た廃品同然のメリーゴーランドを見せ、修理が高くつく為に解体を求められている事を明かす。デイヴィスはかつてジュリアと一緒に乗った記憶を思い出し、解体の手伝いを申し出る。デイヴィスは浜辺でカレンと一時を過ごし、ジュリアが海を好んでいた事を明かす。デイヴィスは俄にジュリアと過ごした記憶を思い出しては感傷に浸る様になる。後日、デイヴィスはカレンの家を訪ね、停学中のクリスと時間を過ごす。クリスは授業で中東の軍事駐留の真実を発表したのが停学の理由だと明かす。その後、帰宅したカレンを交えて三人は食事する。クリスはデイヴィスとカレンの関係を詮索する。カレンはデイヴィスが友達であり、妻を亡くしたばかりだと一喝する。

デイヴィスは解体現場で働いている間に釘を踏んで怪我をし、現場を退く。カレンはクリスとの昔の良好な関係を懐かしむ。デイヴィスはカレンの家に通い続け、あくまで友人として親睦を深める。ある日、デイヴィスはクリスがカールの拳銃を持ち出して遊んでいるのを見つけ、射撃に連れ出す。クリスが何かを撃ちたいと希望すると、デイヴィスは防弾チョッキを着てクリスに撃たせてやる。クリスはデイヴィスを慕っていく。デイヴィスもまたクリスの影響でエキセントリックに振る舞う様になっていく。デイヴィスは出社するや、フィルによる奨学金候補者の最終面接に乱入する。フィルはデイヴィスの悪態に憤慨する。デイヴィスはジュリアの為に何かを始める事には理解を示しながらも、奨学金に対する違和感を露わにする。フィルは企画書にサインせねば絶縁する意向を示す。

デイヴィスはクリスを連れ出し、解体用の道具一式を買い揃えに行く。その最中、クリスは自らがゲイでは無いかと尋ねる。デイヴィスは話を聞いてクリスのゲイの可能性を指摘すると、迫害を免れる為に卒業までは女子が好きなふりをし、その後で寛容な都市へ引っ越すよう勧める。その後、デイヴィスはクリスと共に、結婚生活の解体と称して邸宅と家具の破壊を始める。カレンはデイヴィスがクリスと気脈を通じている事に感謝する。

連日の解体作業中、デイヴィスはジュリアのタンスから胎児のエコー写真を見つける。その夜、デイヴィスはカレンを連れて、フィルとマーゴが催す基金パーティに出席する。一方、クリスは一人で盛り場へと出かける。デイヴィスはフィルに呼び出され、女を同伴する無神経さを責められた後、ジュリアの代わりに死ねば良かったのだと詰られる。デイヴィスはサインした企画書をフィルに手渡す。その後、フィルは賓客の前でスピーチを行い、奨学金によってジュリアの才能が生き続けるのだと説くと、第一回奨学生に選ばれた三人の男女を紹介する。カレンはその中の一人の青年に、会場でセクハラを受けていた為に思わず失笑してしまい、罰が悪くなって一人で会場を去る。デイヴィスは客の面前で、ジュリアの妊娠についてフィルに問い質し、その反応から自分だけが知らなかったのだと悟り、帰ろうとする。マーゴはそれが他の男の子供であり、自らが中絶に付き添った事を明かすと、産めば良かったのだと言い放つ。

デイヴィスとジュリアは別々に帰路に就く。カレンはその途中で、クリスが街でリンチに遭って搬送されたとの報せを受け、病院へ急行する。デイヴィスはカレンの家に戻り、そこで待っていたカールにこっぴどく殴られる。デイヴィスはその足で病院へ駆け付ける。カレンは母親失格だと嘆く。クリスが一命を取り留めると、カレンはもう誰にも傷つけさせないと誓う。デイヴィスはカールを一瞥し、病院を後にする。その後、デイヴィスはジュリアの墓を訪ね、事故後初めて弔いにやってきた衝突車に乗っていた男と遭遇する。デイヴィスは、自責の念に苛まれている男をいたわる。車に戻ったデイヴィスは、生前ジュリアが詩を記したメモを見つける。「雨の日は会えない、晴れの日は思い出す」それを見るや、ジュリアと過ごした思い出が溢れ出し、デイヴィスは滂沱の涙を流す。

その後、デイヴィスはフィルに会い、これまでの件について詫びると、ジュリアへの愛はあったが疎かにしていただけだと説く。デイヴィスは奨学金に理解を示しながらも、別の計画について提案する。デイヴィスはクリスに手紙を書いて投函する。後日、デイヴィスとフィルは、浜辺の傍に修理したレイのメリーゴーランドを、ジュリアの名を冠して設営する。二人は多くの親子連れで賑わう様を見て歓ぶ。程なく、クリスから返事が届く。その中でクリスは、無事回復しており、素直になれて良かったと考えている事、カレンがカールと別れた事を明かすと、デイヴィスに礼をする事を望み、指定の時刻に埠頭に来るよう促す。デイヴィスはそれに従って、埠頭を訪ね、対岸のビルが爆破解体する様を見届け、微笑む。クリスは遠方でその様子を見守る。

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