チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

目覚めてポテチ。

そうか、今日は世間様にとって祝日だった、という事をテレビの休日編成で実感する。最近すっかり早起きできなくなってきた僕は、今日も11時頃目覚めた。早起きできないのと同時に、寝起き後の食欲も次第に失せてきてしまい、今日などは昼食と兼ねてコーヒーのお供にポテチを一袋食べた。以前は働いていようが引きこもっていようが、朝は割としっかり食べた方だが、これが底辺アラホーのおっさんの生態かと思うと侘しい。

ポテチを食べる時、中皿にキッチンペーパーを敷き、そこに中身を空け、割り箸を使って食べるのが基本的なスタイルだが、割り箸のストックが残り僅かだった事に改めて気付いた。マイ箸を使い始めて以来、割り箸はこういったスナック菓子用途に限っているものの、なんだかんだで便利だから、一揃え置いておかないと困る。しかし、スーパーに行っても、割り箸を買うのを忘れてしまいがちで、昨日も出かけしなまで覚えていたのに、店に到着した頃にはすっかり失念していた。買うものが多岐にわたる場合は、PCからメールでケータイに飛ばす事はよくあるのだが、片手で足りるくらいなら、唱和して覚え、己を試す様にしている。それでも忘れる。老いは怖い。

今月分のガスの検針があったのだが、先月と比べると使用量がグッと下がっており、請求金額もン千円安かったので僕は安堵した。しかし、とくに生活スタイルを変えたワケでも、節約に努めたワケでもないのに、何が効いているのか未だによく分からない。というより先月分が高すぎたのだ。まだ向こう2ヶ月程は気を抜けない日が続く。

 

映画鑑賞記

ジュゼッペ・トルナトーレ監督作「鑑定士と顔のない依頼人」("The Best Offer" : 2013)

愛を知らぬ老いた鑑定士が、謎に満ちた依頼人の女に惹かれ、絆されていく様を描くロマンチック・ミステリー作品。

腕利きの鑑定士ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)は、高級な美術品を一手に取り扱う名うてのオークショニア。彼の元には世界中から美術品や骨董品が集められ、高額で競売にかけられる事で好評を博していた。また出所不明の古美術品などの鑑定依頼が引きも切らなかった。一方でオールドマンは気難しく堅物な男としても有名で、彼は生涯を通して女を拒絶し、孤高を貫いてきたのだった。そんな彼は、著名な画家の手による女性の肖像画を収集しており、隠し部屋一面に飾ったそれら名画の数々を愛でる事に恍惚を覚えていた。それらは本物を贋物と偽って査定し、不当に安く競売に出し、旧知の画家ホイッスラー(ドナルド・サザーランド)に購入させる等して、自作自演を繰り返して密かに築き上げた、命にも代えがたいコレクションだった。ある日、オールドマンの元にクレア・イベットソン(シルヴィア・フークス)という女から所有品の査定依頼が寄せられる。彼女の両親が亡くなったので、屋敷に散在する値打ちの分からない品々を査定した後、売れる物は売りたいというのだった。オールドマンはイベットソンと面会する為に屋敷に赴くが、彼女は現れず、その後査定が始まり、契約を取り交わす段となっても、一向に姿を見せなかった。程なくしてオールドマンは、屋敷内の壁一枚隔てた隠し部屋にイベットソンが潜んでいる事に気付く。彼女は広場恐怖症で、15年間も屋敷から一歩も外に出たことが無いという。オールドマンはそんなイベットソンに情が湧き、それは次第に愛に変わっていく。一方で、オールドマンは屋敷の地下室で、錆びた機械部品の数々を見つけ、馴染みの修理屋ロバート(ジム・スタージェス)の元に持ち込む。それは著名な発明家ヴォーカンソンのオートマタ(機械人形)の一部である事が判明し、オールドマンは色めき立つのだった。

かなり風変わりな老鑑定士が、屋敷に引きこもった謎の依頼人の女に年甲斐もなく恋をしてしまい、その顛末を描くミステリー。序盤でなんとなくオチが予想できてしまい、案の定、その通りにハナシが進展していったのだけど、起伏に富んだ脚本と伏線の張り方で、予想以上に楽しめた傑作だった。絵画というある意味2次元の女にのみ価値を見出すオールドマンは、愛を知らず、女も知らずに生きてきた男。そんな孤高の老人が、ひきこもりの若い女イベットソンを前にして、情に絆され、初めての恋をしてしまう。なんとか彼女を病から回復させ、屋敷から外に出られる様にしたいと、あの手この手を尽くすオールドマン。女心を知らぬ彼は、イケメン修理屋ロバートに恋愛の指南を仰ぎ、少しずつイベットソンとの信頼関係を築いていくと。その内、オールドマンは仕事も手につかぬ程にイベットソンにハマっていくのだけど、なんと実はイベットソンに関する全てが演技だったのだ!ああ、純情な老人オールドマンは見頃に誑かされた挙句、人生の全てを失ってしまうワケですな。当然、機械人形オートマタにも意味があって、最初から全てが計算ずくだった。予想を上回る大掛かりな仕掛けに、僕は思わず舌を巻いてしまった。なんとも哀しすぎる結末(笑)。尤も、オールドマンも不正を働いて自分好みの肖像画を収集しているワケで、その点、調和は取れていると言える。オールドマンは女性を拒絶してきた男で、女性と目が合わせられないのだけど、客観的に見るとあんなに違和感たっぷりなんだな。僕も女性とは目が合わせられないので、相手にはあんな風に見えているのかと思うと、とても他人事の様に笑い飛ばせなかったな。

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