チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

パンダ ネコをかぶった珍獣

倉持浩 著「パンダ ネコをかぶった珍獣(岩波科学ライブラリー230)」(2014)

パンダ――ネコをかぶった珍獣 (岩波科学ライブラリー〈生きもの〉)

パンダ――ネコをかぶった珍獣 (岩波科学ライブラリー〈生きもの〉)

 

著者は上野動物園でパンダの飼育を10年近く担当している方で、その経験に基づく苦楽に満ちたエピソードを余すこと無く、本書で披露している。それらを読んでいる内に、パンダに対する理解がより深まり、親近感が増す事は必至である。と言っても、単にパンダLOVEな内容に終始しているワケでは無く、担当飼育員として、国民的に人気者のパンダと日々接する事の難しさを、包み隠さず吐露していて、著者にも大変好感が持てる。餌となる笹の調達事情、繁殖の舞台裏、来日時の狂奔ぶり、マスコミ対応への苦慮等々、他ではお目に掛かれない裏話は、どれも読み応えがあり、パンダファンならずとも必読である。生きている間に、この目でパンダを観てみたいよなぁ。