チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ジム・ミックル監督作「肉」("We Are What We Are" : 2013)[DVD]

一家に代々継承されてきた秘密のしきたりに囚われ、苦悩する姉妹の姿を描くホラー作品。

山間の鄙びた田舎町に居を成すパーカー家は、父フランク、母エマ、長女アイリス、次女ローズ、長男ロリーの5人で暮らしていた。一家は広大な土地を所有しており、その一部をトレーラーパークとして貸し出し、収入を得ていたが、パーカーは世間では変わり者と称され、人付き合いにも乏しかった。それもそのはずで、パーカー家には先祖代々継承されてきた秘密のしきたりがあり、その為に家族ぐるみで悍ましい行為に及んでいたのである。

ある週末、町は悪天候に見舞われ、その土地の住民には洪水の被害が懸念されていた。パーカー家はしきたりに基づく断食の最中にあった。そんな折、エマは買い出しに訪れた店の軒先で、突然発作を起こして転倒し、側溝で溺死してしまう。エマの訃報を知ったフランクは、母のそれまで担ってきた役割を、今後はアイリスが担うように言い渡す。パーカー家と面識のある医師バローは、エマの検死を行ったところ、パーキンソン病の初期症状を発見する。夜、大雨の影響で町は停電に見舞われる。フランクは暗闇に包まれた道を車で走る。途中、フランクはエンストで立ち往生している女の背後から近づき、襲う。

翌朝、バローは散歩に寄った小川で人骨と思しき骨片を発見し、保安官ミークスに連絡する。実はバローの娘キニーは、随分前に行方不明となっており、バローは藁にもすがる思いで手掛かりを求めていたのだった。エマの葬儀が行われた後、フランクは代々受け継がれてきた古びた日記をアイリスに託す。日記にはおよそ300年に及ぶ、しきたりを綴った日々が記されていた。アイリスとローズは、その内容からしきたりの系譜を初めて知る。

バローは骨片の件でミークスに取り合ってもらえず、翌日、保安官補アンダースに相談する。アンダースはバローの熱意を汲み、小川の調査を約束する。フランクに儀式の開始を告げられたアイリスとローズは、秘密の地下室に向かう。そこには父が誘拐してきた女が監禁されていた。反対するローズを説得して協力させ、アイリスは女を殺害する。アイリスとローズは女を解体し、人肉で拵えたスープを作る。一家4人は正装し、スープを盛った食卓を囲んで儀式を始める。

翌日、バローと共に小川を探索に訪れたアンダースは、パーカー家の側でアイリスと出会う。2人は幼馴染で、互いに好意を寄せ合っていた。アイリスはアンダースの目的を探るべく、家に招く。アンダースが発見した人骨について話すと、アイリスは川上の先祖の墓から流出した可能性を挙げ、そこへ案内する。人気の無い場所で2人きりになったアイリスとアンダースは抱き合い、セックスをする。その背後からフランクが忍び寄り、アンダースを殺害する。アイリスを叱りつけたフランクは、アンダースの遺体と形跡を全て消す。一方、バローは新たに発見した人骨が、人為的に肉を削ぎ落した跡を発見し、犯行に人肉食の可能性を見出す。更に、フランクの手の震えやエマの検死結果が、クールー病の症状と符号する事に気付く。バローはアンダースの消息が途絶えた事を不審に思い、事件性を疑う。

フランクは大雨の影響で、小川付近の土砂が崩れ、そこに埋められた無数の人骨が流出しているのを発見し、もはや事態の発覚は避けられないと悟る。フランクはアイリス達に儀式を行うと告げ、正装した4人は再び人肉スープを囲む。フランクは密かにスープの中にヒ素を混入させ、一家心中を図るつもりでいたが、ローズはそれを未然に察知し、ロリーが口に含む直前に止めさせる。そこへバローが訪れ、フランクに銃を向ける。バローは娘キミーを食べたのか問い質す。フランクを隙を見て、隠し持っていた銃でバローを撃つが、アイリスがそれを妨害する。バローはフランクに殴られ、意識を失う。ローズはロリーを連れて逃亡を図るが、追ってきたフランクに連れ戻される。フランクは儀式を仕切り直し、再度3人を食卓に付かせる。その隙を突いて、ローズがフランクの首筋を噛みちぎり、それに応じる様に、アイリスもフランクの腕を噛みちぎる。絶命したフランクの肉を貪った姉妹は、目を覚ましたバローにキミーの遺品の髪留めを手渡すと、ロリーを連れて車に乗り、家を発つ。ローズはその手に日記を携えていた。

 

R18で衝撃的な内容を惹起させる様に謳っていたから、どんなものかと興味を持って観てみたが、やや期待しすぎたせいで肩透かしを食らった。ホラーとしては地味な部類の作品かなと。終盤に姉妹が父を生きたままベリョベリョ食いちぎる様なシーンがあり、そこがR18と言えばR18かなぁというレベル。あからさまな殺害シーンや、解体シーンも無く、出来上がったドロドロの人肉スープが出てくるだけ。精神的には過激だと言えなくもないが、エロもグロも無いから、そちらを好む向きには余りオススメできない。一家に伝わる人肉食文化の詳細が語られるでもなく、淡々と展開するドラマは、終盤のベリョベリョまでの前フリの様だと思った。「肉」っていう邦題もアジりすぎだな。

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