重厚長大・昭和のビッグプロジェクトシリーズ「YS-11 ～新しい日本の翼～」（1963）[DVD]
日本で初めて製造された短中距離用旅客機YS-11の設計から生産、公開飛行までを記録したドキュメンタリー作品。
YS-11は双発ターボプロップエンジン方式の旅客機。と言っても僕には技術的な事は全く分からないが。本作には、1957年に輸送機設計研究協会が設立、続く1959年に官民共同出資により設立された日本航空機製造による開発、設計、生産、完成飛行のプロセス、強度試験、検査工程、組立工程、エンジンの取り付けの様子などが収録されている。YS-11の開発基本コンセプトは「１．短距離滑走路で安全に離着陸のできること、２．旅客の搭載能力の大きいこと、３．経済性、採算性の高いこと」である。YS-11は1962年の初飛行、1965年の民間初就航から、2006年の民間最終フライトを経て退役するまでの、長期に渡って運用されたのだが、この実績こそ、YS-11の開発コンセプトがいかに的確であったかを物語っていると言えそうだ。作品自体の質としては、半世紀以上前の素材だから古めかしいのは否めないが、当時の手作り感溢れる機体の製造過程が、思いの外、鮮明に記録されていて、なかなか感慨深い。
