チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密

デヴィッド・コープ監督作「チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密」("Mortdecai" : 2015)[BD]

ゴヤの名画に隠された秘密を巡って、インチキ美術商が真実の究明に奔走する様を描くアクション・コメディ作品。

ロンドンに居を構える美術商のチャーリー・モルデカイは、貴族でありながら、闇稼業に手を染め、数多くの詐欺的行為を働くお調子者のインチキ男。そんな彼も、今や巨額の債務を抱え、破産寸前で、顧客には足元を見られる始末。妻ジョアンナは所有するコレクションを売る事を提案し、チャーリーのお気に入りのシェリダンを筆頭に挙げる。チャーリーは愛するジョアンナに逆らえず、ジョアンナは早々とシェリダンをオークションに出す事を決める。

ある夜、オックスフォードでゴヤの絵画の修復作業に当っていた絵画修復士ブロンウェンが何者かに殺され、絵画が盗み出される。捜査に乗り出したMI5捜査官アラステアは、オックスフォード大学の同窓生で、業界の裏情報に通じる腐れ縁のチャーリーに協力を要請する。

アラステアは、3ヶ月前、スペインの美術館がゴヤの絵画の修復をブロンウェンに依頼し、シリアで訓練を積んだ特殊戦のスペシャリストにして、世界中のテロに関与する原理主義者であるストラーゴが、絵画を盗む為に入国している事を明かし、国家安全保障の非常事態だと危惧する。チャーリーはアラステアに闇稼業に目を瞑ってもらっており、更に政府に800万ポンドの借金を抱えている手前、無碍に逆らえず、協力をしなければ当局に訴追させるとアラステアに迫られ、渋々承諾する。

ところがストラーゴはブロンウェンを殺害し、絵画を盗み出す際、謎の第三者に奪われており、血眼で絵画の行方を追う。その最中、ストラーゴは米国の大富豪クランプのお抱えの美術商の手に、絵画が渡ったと聞きつける。

チャーリーは旧知の美術商で、ゴア通でもあるグレアムの元を訪ね、ゴアの絵画が強奪された事を伝え、反応を窺う。グレアムはチャーリーがゴアに興味を持つのは、大金が絡んでいるからだと察知する。グレアムは、その絵画を探している顧客のロシアン・マフィア、ロマノフに闇市場への流出を伝えると、自ら入手に動き出す。一方、ジョアンナはアラステアを誘惑し、チャーリーがゴヤの絵画の件でアラステアに協力している事を聞き出すと、高値が付くと判断し、独自に動き始める。

チャーリーは腕利きの修理工にして、美術界一の密輸業者と称される、旧知のスピノザの工場を訪ねる。ロールスロイスを米国のクランプに売る予定のチャーリーは、そのついで、絵画を国外に持ち出す計画の有無をスピノザに尋ねる。そこへストラーゴが現れ、チャーリーを襲撃し、スピノザが射殺される。チャーリーの用心棒ジョックが駆け付けるも、チャーリーの不手際で負傷してしまい、ストラーゴはチャーリーに絵画を手渡す様に脅迫する。ジョックの加勢で逃亡し、ストラーゴの追撃を退けると、アラステアが駆け付け、ストラーゴは逃亡する。チャーリーは絵画に何かが隠されていると悟り、ブロンウェンは修復中にそれに気付いた為に殺されたと推理する。

ブロンウェンのアトリエに訪れたチャーリーとアラステアは、「愛するバニーちゃん」というメッセージを見つけるが、子供の落書きと判断し、無視する。チャーリーはアラステアの提示した証拠写真から、ブロンウェンが修復していたのが、消えた名画「ウェリントン公爵夫人」だと確信し、図書館へ向かう。

それは1792年、スペイン王カルロス4世の依頼で制作され、当時ゴヤの最高傑作と称えられた絵画だった。しかし、夫人が国王の愛人との噂があり、女王はその絵画を焼くように命じたものの、何者かにより盗まれ、ゴア本人が盗んだとも噂された。それ以来、200年間、コレクターや時の権力者が伝説の絵画を血眼で追い求めてきたが、一度発見されており、1943年フランスでドイツ軍が略奪をした。絵画に執心していたゲーリングは、絵画の裏にスイスの地下銀行にある自らの口座番号を記したと言われ、莫大な隠し財産が保管されていると噂されてきた。しかし、ゲーリングは連合軍に捕まり、謎は謎のままとして残り、その後、絵画は歴史の闇に消えたのだった。口座に眠るのは数百億ドルともいわれ、アラステアはストラーゴの手に渡れば、莫大なテロ資金となりうる事を危惧する。その直後、チャーリーはトイレで何者かに拉致され、飛行機に乗せられる。

一方、ジョアンナはブロンウェンの恋人アッシャーボロードン公爵の元を訪ねる。アッシャーボロードンはゲーリング逮捕の時に最初に突入した、連合軍の戦友バニーが敷物に包んで隠したと証言する。しきりにトイレに一緒に行くことを迫られ、ジョアンナは呆れる。

目を覚ましたチャーリーは、モスクワのロマノフの屋敷にいる事を知る。ロマノフはゴアの絵画の行方を尋問し、クランプが入手する噂だと告げ、チャーリーを痛めつける。手下が金玉電流の準備を始め、チャーリーが絶体絶命の最中、後を追って来たジョックが駆け付ける。チャーリーはジョックと共にバイクで逃走し、手下の追撃を辛うじて免れる。一方、ジョアンナはアラステアにバニーが所属していた陸軍師団の名簿を融通してもらう。

チャーリーはジョックと共にロンドンに戻るも、アラステアの企てにより、ロサンゼルスに送られる。ロールスロイスの売却を口実にクランプの屋敷に訪れ、絵画が無いか調べてくるよう指示されたのである。ロスのホテルに着いたチャーリーは、ジョアンナに連絡し、ロスにいる事を伝える。ジョアンナはチャーリーの浮気を心配し、自らもロスへ発つ。

チャーリーはクランプの屋敷に到着するや否や、クランプの娘ジョージナに誘惑される。クランプはブロンウェンから絵画の事を聞きつけ、スピノザに連絡して、ロールスロイスの車内に絵画を忍ばせた事を打ち明け、絵画はクランプの手に渡る。チャーリーはクランプの感知しない絵画の裏の番号を探すが、見つからず、困惑する。クランプは絵画の披露パーティを開くことにし、チャーリーを招く。目前に迫った破産の打開策を練るチャーリーに、ジョックはパーティの最中に絵画を盗み出す事を提案する。

パーティが始まると、ジョージナと通じるストラーゴも会場に現れ、ジョージナにチャーリーを誘惑する様に仕向ける。チャーリーがジョージナといちゃついているところへ、ジョアンナが現れ、チャーリーは戸惑いながらも、計画の遂行に向かう。ジョックの協力で、屋内に侵入したチャーリーは、クランプの死体を発見する。そこへ絵画を手にしたストラーゴが現れ、口座番号が透明インクで記されている事を明かす。ジョックが駆け付けると、ジョージナがジョアンナを人質に取って現れ、睨み合いとなる。そこへアラステアが駆け付けると、ストラーゴとジョージナは絵画を奪って逃亡する。

チャーリー達はロールスロイスに乗り込み、ストラーゴ達を追走する。ストラーゴ達はモーテルに逃げ込むと、番号をバーナーであぶり出し、送金の準備を始める。そこへチャーリー達が乗り込むと、アラステアは口座番号を渡さぬように絵画を燃やす。ところが、バーナーが可燃物に引火し、モーテルは爆発する。

チャーリーとジョアンナは地元警察に連行され、モーテル爆破の件で取り調べを受ける。破産を心配するチャーリーに、ジョアンナは燃えた絵画は偽物で、本物はバニーが所有していると打ち明ける。ブロンウェンが描いた贋作はクランプからジョージナ、ストラーゴへと伝わり、強奪したストラーゴからスピノザが奪い返し、クランプの元へ運ばれたのだった。チャーリーはブロンウェンのアトリエで発見した「愛するバニーちゃん」のメッセージを思い出し、バニーがアッシャーボロードンの事だと推理する。ジョアンナは、しきりにトイレに誘われたのは、絵画を見せようとしていた為だと悟る。

2人はトイレに絵画があるはずだと確信し、アッシャーボロードンの屋敷を訪ねるが、彼は死んだ直後だと知る。2人はトイレに侵入して絵画を発見すると、いかに有効に利用するかを模索し、シェリダンに見せかけてオークションに出す事に決める。2人はシェリダンの贋作を用意し、ゴアの絵画が隠されている様に見える細工を施す事で、グレアムを欺くと、グレアムからロマノフ、ストラーゴ、アラステアらにゴアが出品されるという情報が伝わる。

オークション当日、チャーリーは会場に納品済みのシェリダンと、細工を施したゴアをすり替えるべく、バックヤードに向かう。その途中、ロマノフの手下による妨害に遭うが、ジョックが駆け付け、退ける。バックヤードに侵入したチャーリーは、待ち伏せていたストラーゴと格闘するも窮地に陥る。その時、ジョアンナが会場の電気を落とし、チャーリーはその隙に絵をすり替える事に成功する。ストラーゴがジョアンナにゴアを買い戻す様に脅すと、チャーリーが会場に現れ、値を吊り上げる。アラステアはストラーゴを発見し、逮捕する。結局、ゴヤはロマノフが3000万ポンドで落札する。

チャーリーとジョアンナは嬉々として3000万ポンドの受け取りに向かうが、手数料と運送費が引かれた残りの800万ポンドはアラステアに全て差し押さえられ、手元には金が一切残らず落胆する。しかし、ゴヤの絵画の本物は手元に残った為、チャーリーは裏面に記された秘密の口座番号を政府に伝えると、早速浴室に飾り付ける。2人はとりあえず破産を免れ、再出発できる事を喜ぶ。一方、贋作を掴まされたロマノフは、グレアムを拷問に処す。



酷評されているのは知っていたから、そのつもりで観てみたが、確かに納得。終始、ジョニー・デップの独壇場と言う感じのコメディ作品で、脚本はそこまで悪く無いとは思うのだが、どうも引っかかってくるモノが足りない。金かかってるなぁっていう大作感と、それに反してややチープなコント集的なノリがアンバランスな印象。キャストのメンツも悪く無いのに、この微妙なデキはなんでだろう。ちょび髭で吐き気を催すくだりを繰り返すのは可笑しかったが。しかしジョニー・デップは掴みどころが無さ過ぎて、方向性がよく分からない役者だわ。

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