チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

インフィニ

シェーン・アビス監督作「インフィニ」("Infini" : 2015)[DVD]

銀河系の果てに位置する基地が謎の感染症に曝された後、地球への汚染を阻止し、生存者を救助する為に基地に訪れたチームが、驚愕の真実に直面する様を描くSFスリラー作品。

 

23世紀に入る頃、95%の人々は貧困層へ転落し、その為に大勢が惑星開発や軍事・宇宙探索などの危険な仕事に就く事を余儀なくされた。宇宙空間への移送は物質を信号に変換・伝送するSS(スリップストリーミング)で行われ、中枢神経系にAPEX装置を埋め込まれた志願者達が宇宙へ送られたが、SSには高い致死率とデータ汚染の危険が伴った。

ウィット・カーマイケルは身重の妻リサを自宅に残し、西SS本部師団の分隊に志願入隊する。リサはカーマイケルが危険な任務に就く事に強い不安を抱き、翻意を促すが、カーマイケルの意思は固く、リサは二人で撮った写真をお守りに手渡す。

カーマイケルが西SS基地における初めての任務に向かう直前、銀河系で最も遠くにある基地「インフィニ」に移送された分隊が、何かに感染した状態で帰還する。凶暴化した彼らは互いに殺し合いを始め、西SS基地は検疫違反による緊急事態を発令し、基地の隔離・封鎖を意味するデルタ・ロックダウンが開始される。カーマイケルは上官の命令で有無を言わさず、緊急避難的な不正テレポートでインフィニに転送される。西SS基地の隊員はカーマイケルを残して全滅する。

同じ頃、東SS基地司令部でもインフィニに向けて隊員を送り出す準備が始まる。インフィニは岩だらけの光も生命体も無い凍てついた場所であり、かつて1600人の作業員が、燃料用の極めて揮発性の高い鉱物オーパスを採掘中に死亡するという大惨事が起きた後、基地が閉鎖され、全ての物資の転送が停止されていた。西SS基地は15人からなる科学部チームを現地調査の為に派遣したが、基地で何かが起こり、調査官リースを残してチームは全滅した。西SS基地はリースを帰還させようと試みたものの、リースは自らのAPEX装置を破壊して帰還を拒み、基地の遠隔操作を不能にした。東SS基地司令部は、リースが地球上のどこかにペイロードを送ろうと企てている情報を掴み、大尉ヨハンソン、少尉ボクセン、グレニッチ、ケント、ジャクラー、ハンティントン、マニングス、メンジーズの8人からなるチームをインフィニに送り、ペイロードの阻止を図る事にしたのである。

そんな折、西SS基地が致命的な脅威に晒された後、壊滅した事、更に一般戦闘員のカーマイケルだけがロックダウンを逃れ、不正テレポートの後にインフィニに到着し、現地時間で一週間が経過している事が判明する。チームの上官は、溶炉制御室に隠れていると思われるカーマイケルの救助とペイロード伝送阻止を、こちらの時間で一分余り、現地時間換算で24時間以内に遂行する様にチームに命じる。チームは防護スーツを装着すると、SSで瞬時にインフィニ内の収納庫へ転送される。

リーダーのヨハンソンはボクセンとジャクラーをカーマイケルの捜索に、メンジーズ、グレニッチ、ケントをペイロード阻止に向かわせると、自らはマニングス、ハンティントンと共に電力復旧の為に発電室へ向かう。一同はそれぞれに凍結した基地内を探索し、そこかしこで不可解な変化を遂げた凍結死体を目の当たりにする。

ボクセン達はロックされた堅牢な扉の向こうに物音を感知すると、カーマイケルに呼びかける。一方、ハンティントンが発電機の修理に成功し、基地内の電力が復旧する。システムが再起動し、気温が上昇し始め、凍結が解除される。程なく扉が開き、ボクセン達の前にカーマイケルが姿を表す。

一同は制御室で落ち合うと、カーマイケルに経緯を尋ねる。カーマイケルは作業員達が爆発事故で死んだとされていたのが嘘であり、皮膚や血に触れると感染する正体不明の何かに曝された彼らが、不気味な姿と化した後、取り憑かれた様に凶暴化して互いに殺し合っていた事、自らは通気ダクトの中に隠れて生き延び、電力系統が異なる溶炉制御室に逃げ込むと、モニターで外の惨劇を目の当たりし、その後、やむを得ず通気口を吹き飛ばして作業員達を皆殺しにした事を明かす。更にカーマイケルは元々プログラマーであり、基地で使用されているアスキーやバイナリが理解できる事から、基地全体のプログラムを解読済みである事を明かす。ヨハンソンはペイロード阻止の為にカーマイケルに協力を要請する。

カーマイケルの調査により、ペイロードの送信先がサンフランシスコ沖だと判明する。ペイロードを阻止する為には通信室での作業が必要な事から、メンジーズ、グレニッチ、ジャクラーが通信室に向かう。カーマイケルは溶炉を臨界状態にする事で、ペイロードの強制停止を企て、作業の末に伝送停止に成功する。その時、制御室に感染し凶暴化したリースが現れ、ヨハンソンに斧で襲いかかり、致命傷を与える。ジャクラーとグレニッチはメンジーズを通信室に残し、制御室へ向かう。マニングスが至近距離からリースの頭部を銃撃し、破裂させると、傍にいたボクセン、ケント、ハンティントンが血液を浴びて感染し、凶暴化する。離れた場所にいた為に血液の付着から逃れたカーマイケルは制御室から脱出すると、メンジーズに隠れる様に連絡する。その直後、カーマイケルは逃走中に高所から転落して肋骨を折る。

ケントが銃を携えてカーマイケルを執拗に追跡する。やがてカーマイケルは追い詰められるが、そこに感染したジャクラーが現れ、ケントと殴り合いを始める。ジャクラーはケントを殺すと、その場から立ち去る。カーマイケルはジャクラーが置き忘れていった銃を奪うと、医務室へ辿り着くが、カーマイケルにも次第に症状が現れ始める。

カーマイケルはそこで、リースの記したオーパスの特性を実証する実験記録を発見する。リース曰く、オーパスは凍結した有機体であり「原子の粘性体」と称され、マイナス10度で液化し、接触後、直ちに罹患、発症し、時間と共に組織が複製される。初期は寄生の様に見えるがそうでは無く、いずれ宿主を完全に支配する。オーパスは支配性、高度な進化能力、捕食本能を持つ、完璧な有機体だという。

その時、隠れていたメンジーズがカーマイケルを感染者と疑い、襲撃する。カーマイケルは感染を免れたと説き、理解を求める。カーマイケルは生命体の原型たるオーパスが、捕食本能で凶暴化し、進化する為に最強の存在を探しているのだと説くと、阻止は不可能であり、永遠に閉鎖するしか無いと主張する。メンジーズは早期帰還の要請がハンティントンにしかできない事を明かし、二人はハンティントンの捜索に向かおうとする。そこに感染したマニングスが現れ、メンジーズに銃を突き付ける。カーマイケルはマニングスの理性に働きかけ、自制を促すが、マニングスは理性と捕食本能の狭間で、混乱の果てに拳銃自殺を図る。メンジーズが血液を浴びて感染すると、カーマイケルは遠方からメンジーズを射殺し、医務室を後にする。

カーマイケルは幻覚と幻聴に苛まれながらも、制御室に辿り着き、そこで感染しながらも僅かに理性を残しているハンティントンと遭遇する。カーマイケルは帰還させる様に要求する。ハンティントンは感染したボクセンを殺した事と共に、既に帰還の要請を済ませており、あと8時間で地球に戻れる事を明かす。カーマイケルはそんなに持たないと訴えると、衛生兵のグレニッチなら医務室の情報が理解でき、症状の進行を止められるかも知れないと説き、ハンティントンに同行を求めるが、ハンティントンはそれを拒む。カーマイケルはハンティントンを制御室に残し、グレニッチを探しに行く。

その頃、夫婦であるグレニッチとジャクラーは感染した状態で遭遇する。グレニッチは感染発覚後に堕胎した事を明かし、二人は殺しあう。叫び声を聞き、カーマイケルがその場に駆け付けると、ハンティントンも追ってくる。カーマイケルはそこで死んだジャクラーと瀕死のグレニッチを発見する。グレニッチは症状の進行は遅らせる事が出来ないと告げて息絶える。その直後、ハンティントンが凶暴化し、カーマイケルに襲いかかる。カーマイケルは格闘の末に、首を折ってハンティントンを殺す。

カーマイケルは医務室に戻ると、スピーカーで基地全体に潜むオーパスに向けて呼びかけ、オーパスが人間と共に協力し合う事もできたのに、支配したいという利己的な欲求に負け、憎しみや暴力という人間の最悪な部分を選択肢したが為に、その企てに失敗したのだと主張する。カーマイケルは更に、自らが家族に少しでも良い暮らしをさせようと思ってここへ来た事を明かし、オーパスがそんな皆の人生を奪ったのだと諭すと、リサから託された写真を握りしめながら、メスで手首を切り裂き、自殺を図る。その後、オーパスはチームの死体に忍び寄り、包み込む。

しばらくした後、カーマイケルは蘇生したチームのメンバー達に呼び起こされる。皆、一様に取り憑かれていた時の記憶を失っており、ヨハンソンは不可解さを抱きながらも任務が完了した事を良しとし、直ちに地球への帰還を決める。転送直前、カーマイケルは遠方に人型の形状に複製を遂げた数体のオーパスを目撃し、その内の一体がカーマイケルが所持していた写真を手にしている事を確認する。

東SS基地へ転送後、一同は汚染物質との接触を否定し、検疫スキャンをパスする。カーマイケルは帰宅すると、リサと抱き合い、無事を喜び合う。

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