チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

13時間 ベンガジの秘密の兵士

マイケル・ベイ監督作「13時間 ベンガジの秘密の兵士」("13 Hours: The Secret Soldiers of Benghazi" : 2016)[BD]

2012年9月11日にリビアベンガジで発生した、イスラム武装勢力による米領事館及びCIA秘密基地襲撃事件の一部始終を、基地と職員の護衛を担う特殊部隊の視点で描く戦争スリラー作品。

 

2012年、42年もの長きに渡って独裁を続けたカダフィが排除された後のリビアでは、カダフィの武器庫を襲撃したイスラム武装勢力による激しい紛争が勃発し、ベンガジは世界有数の危険地帯となる。多くの大使館が閉鎖される中、米国はベンガジにCIAの秘密基地を残し、武器が闇市場に拡散するのを監視していた。CIAの基地の護衛には元軍人からなる精鋭部隊、コードネーム「GRS」が当たっていた。

ネイビーシールズの隊員ジャックは、同僚にしてGRSのリーダーのロンに任務への復帰を要請され、米国に妻子を残してベンガジに赴く。ジャックは空港に出迎えに訪れたロンと共に、車で基地に向かう。その途中、ジャック達はアンサール・アル=シャリーアの一派と思しき集団に行く手を阻まれるが、ロンが一計を案じる事で衝突を回避し、その場をやり過ごす。基地に到着したジャックは、基地を統括するCIAのチーフ及びGRSのメンバー4名(元海兵隊のオズ、ティグ、ブーン、元レンジャーのタント)と対面し、四棟からなる基地と周囲の状況を確認する。チーフはGRSがただの助っ人に過ぎないと扱き下ろし、基地職員との差別的な態度を露わにする。ジャックはロンの指揮の下、GRSにおける任務をこなしていく。

五週間後、米国大使スティーブンスが外交基盤を作る為に、基地から1マイルほど離れた領事館に滞在する事が決まる。領事館には保安職員しかいない事から、GRSが護衛を担う運びとなる。GRSの契約は延長され、帰国の予定は中止となる。9月9日、ジャック達はスティーブンスが来る前に領事館を訪ね、保安職員のスコット、デイヴ、アレクらと顔を合わせる。ジャック達は領事館の防備態勢が、「2月17日殉教旅団」による見張りと監視カメラ、小型の武器しか無い事を知って不安を抱く。

10日、ベンガジに到着したスティーブンスは、基地を訪ねた後、内密で市長を訪問する事になり、ジャック達がこれに随行する。しかし、大勢のマスコミが駆け付けた事で、情報漏れが露呈する。スティーブンスはリビアへの支援を表明した後、領事館に戻る。

11日、領事館の前には朝から不審な人物が往来する。一方、GRSの面々は夕方まで基地で穏やかな時を過ごす。ジャックはネット電話を介して、妻ベッキーから妊娠している事を知らされる。一方、米国で製作された映画がムハンマドを侮辱しているとの批判が相次ぎ、カイロの大使館前には憤激した群衆が押し寄せる騒動が起こる。

夜更け過ぎ、領事館に自動小銃やロケット砲で武装した数十名からなる集団が押し寄せ、襲撃を開始する。スコットは直ちにスティーブンスをセーフルームへと導く。武装集団が敷地内に侵入すると、護衛は逃亡する。アレクはCIAに救援を要請する。ロンはGRSの出動準備を始めるが、チーフは非公式のGRSの派遣を認めず、殉教旅団に対応を任せる意向を示し、待機を命じる。間もなく、武装集団は領事館内に突入するが、セーフルームの防弾加工を破る事ができず、突破を諦めると、館内にオイルを撒き散らして火を放つ。館内には炎が一気に燃え広がり、煙が充満し始める。ロンは手遅れになる事を危惧し、チーフの許可を得ぬまま、GRSに通訳のアマルを同行して出動する。任務で出払っていたオズは、基地に戻ると職員達に防備態勢を指示する。

領事館の門前に迫ったGRSの車両は、敵の激しい銃撃に晒される。殉教旅団の加勢を得たGRSは二手に別れ、表門と裏門から敷地内に攻め入る。上空にはデルタフォースのドローンが到達し、戦闘の状況を監視する。領事館に到着したロン達に、スコットはスティーブンスを見失った事を明かす。ロンとジャックは直ちに館内に突入するが、燃え盛る炎と煙に阻まれ、捜索を断念する。間もなく、IT担当のショーンが死体で発見される。そこへ敵が仲間を加えて戻ってくるとの情報が入り、ロンは館内の司令室から機密を持ち出して、撤収する様に命じる。

敵が猛攻を再開する。ロン達は保安職員を先に領事館から脱出させる。スコットはスティーブンスを救えなかった自責の念に駆られて、パニックに陥り、指示を誤って逆の方向へ車を走らせる。スコット達は敵の待ち伏せに遭い、猛烈な集中攻撃に晒されながらも、命からがら基地に辿り着く。その後、GRSも基地に帰還する。チーフは基地が孤立無援の状態であり、留まるのは絶望的だと説くと、直ちに退避する意向を示す。ロンは周辺に武装集団が待ち受けている事を明かすと、自分の命令に従う様に説き伏せるが、チーフは職員達に機密の破棄と脱出の準備を指示する。

午前0時過ぎ、トリポリの拠点をGRSのバブ率いる応援部隊が出発する。ベンガジの基地では、GRSと保安職員の混成チームが、四棟の屋上に分散して防備態勢を敷く。間もなく、基地の周辺に武装集団が集まり始め、それに怯んで基地の衛兵達が逃亡する。ドローンは上空を旋回し、状況を監視するに留まる。やがて、基地は敵に包囲される。

敵が基地内に榴弾を投げ入れたのを機に、激しい銃撃戦が始まる。GRSは最小限の被害で敵の第一波を撃退する。程なく、空港にバブの部隊が到着するが、基地へ案内する随行要員が集まらない為に足止めを食らう。一方、国防総省は軍の投入に二の足を踏む。また、ベンガジの病院にスティーブンスが搬送されたとの連絡が、本人の携帯から基地へ入る。ロンはそれが敵の罠だと疑う。

束の間の休息の後、敵が再び基地の周囲に集結し始める。ジャックは予め収録しておいたベッキーへの動画メッセージを送信する。間もなく、数を増した敵が攻撃を再開する。GRSは敵がバスに搭載した大型爆弾を察知し、使用前に排除する。米軍基地はCIA職員の援軍要請を却下する。

GRSは敵の第二波を退ける。ジャックはロンに対し、遺される妻子への思いと任務に戻ってきてしまう苦悩を吐露し、ベッキーが妊娠した事を明かすと、絶対に死ねないとの決意を示す。間もなく、スティーブンスの搬送の件が間違いであり、領事館の建物の裏で窒息死しているのを発見され、リビア人によって運ばれていた事が判明する。GRSの面々は各々最後を覚悟して敵の襲撃に備える。

やがて夜明けが訪れ、ベンガジは祈りの時間を迎える。午前六時前、バブの部隊がリビアの盾と共に基地に駆け付ける。間もなく、敵が迫撃砲を用いて一斉に攻撃を再開する。度重なる爆発によってロンとバブが死亡、オズとデイヴは重傷を負い、基地は激しく損壊する。ジャック達は死闘の末に敵を退ける。程なく、基地の前に数十台の車両からなる大部隊がやってくる。ジャック達は絶体絶命の窮地を覚悟するが、それが味方の軍勢だと判明し、安堵する。CIAの職員達はトラックに分乗して空港へと出発するが、チーフは放心状態に陥り、一人で留まる事を希望する。ジャックはもう終わったのだと説き、更なる犠牲者が出る前に車に乗る様に命じる。ジャックは自らの荷物に加えてロンの私物を持ち出し、最後の車両に乗って空港へ向かう。その一方で、基地の周辺に残った夥しい数の死体に親族が駆け寄り、悲嘆する。

ジャック達はCIA職員の乗った機を見送り、次の便を待つ。GRSの面々はその六人だからこそ生き残れたのであり、出会ったのは運命だと説くと、奇跡を起こした報酬について問う。ジャックはそれが家に帰れる事だと答える。午前10時30分、次の便が到着する。ジャックはベッキーに電話をかけ、任務が完全に終わり、もう家族の元から離れるつもりが無い事を伝えると、自らが助かったのは幸運だっただけであり、ロンは戻らない事を明かし、慟哭する。機体にスティーブンス、ロン、バブ、ショーンの遺体が収容され、GRSは帰国の途に就く。

10日後、10万人のリビア人がスティーブンスの死を追悼する。その後、GRSには非公式の式典で勲章が授与される。5人はCIAを辞職し、それぞれ平穏な生活を送る。一方、リビアはISの拠点となる。

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