チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

パージ

ジェームズ・デモナコ監督作「パージ」("The Purge" : 2013)[BD]

一年に一晩だけあらゆる犯罪が許可される「パージ」の日に、一組の家族が危機に直面しながらもそれを乗り越えていく様を描くSFホラー作品。

 

米国は史上最悪の経済崩壊に陥り、全土に犯罪と貧困が蔓延する。そんな折に誕生した「新しい建国の父」は、大胆な妙案を思い付く。「パージ」と称する制度を創設し、毎年3月21日午後7時から12時間、殺人を含むあらゆる犯罪を合法化したのである。人の内なる攻撃性を解放し、国民の精神を安定させる事で、社会から暴力を失くすという理念の元、パージは直ちに目覚ましい効果を挙げ、2022年現在、米国は失業率1%、犯罪率過去最低を実現し、名実共に再生を果たす。その一方で、パージは防犯装置の恩恵に与れず自衛できない貧困者や病人、社会に貢献しない人々の排除を進めているという反対意見も根強く残る。

最新式の防犯システムを販売するジェームズは、ロサンゼルスの富裕層向け住宅街で、妻メアリーと2人の子供ゾーイ、チャーリーと共に暮らしている。ジェームズは近隣の全世帯にシステムを売る等して大儲けし、遂には自宅の増築をも果たす。その一方で、ジェームズは16歳のゾーイが18歳の男友達ヘンリーと交際する事を許さず、ゾーイの反感を買う。

3月21日午後6時、ジェームズは軒先に飾る事でパージ支持を表明する、青色のセンダイハギを買って帰宅する。メアリーは夕食の準備を急ぐ。その最中、近所に住むグレースがクッキーを持参して訪ねてくる。グレースはジェームズが防犯システムを売って成り上がった事を揶揄する。ゾーイは自室でヘンリーと密会するが、パージ開始前に帰る様にヘンリーに促す。機械オタクのチャーリーは、カメラ付きの人形を搭載したラジコン「ティミー」を操作し、屋内の探索に興じる。メアリーはパージに懐疑的なチャーリーに対し、パージの良い面だけを考える様に諭す。

一家は和やかに食事を囲むが、ゾーイはジェームズに反発する。ジェームズは自分の部署の営業成績が一番だった事を明かし、歓喜する。午後7時が目前に迫ると、ジェームズはモニタールームでシステムのチェックを行うと共に、武器庫から念の為に拳銃を持ち出す。ジェームズはシステムを起動し、ドアと窓を堅牢なバリケードで封鎖する。

午後7時と同時にテレビは緊急放送システムに切り替わり、政府認可のパージ開始が告知される。クラス4以下の武器のみ使用が認められ、他の武器は使用禁止である事、政府職員10等級はパージの対象から免除される事、殺人を含む全犯罪が12時間合法になる事、警察、消防、緊急医療はパージ終了まで機能停止になる事が明示される。その後、パージ開始を告げるサイレンが響き渡る。ジェームズは警備が万全であり、心配が無いと告げて家族を安心させると、貧困や犯罪が深刻だった頃を述懐し、パージが国と国民にとっていかに必要かをチャーリーに説く。

家族は思い思いに時間を過ごし始める。ゾーイは自室に戻り、密かに忍び込んだヘンリーと遭遇する。ヘンリーは来訪の目的がジェームズにゾーイとの関係を認めさせる事だと明かす。ゾーイはジェームズを怒らせるだけだと危惧するが、ヘンリーはゾーイへの愛を示し、全てが上手くいくと理解を求め、ジェームズの元へ向かう。

チャーリーはモニターを通して、屋外に血まみれの男が迷い込んでいる事に気付く。男は追われており、殺されると叫んで助けを求める。チャーリーは居ても立ってもいられず、無断でシステムを解除し、封鎖を解くと、玄関から男を家の中に呼び込む。それに気付いたジェームズは、再びシステムを起動し、玄関口へ向かい、そこで男と対面する。その直後、二階から現れたヘンリーが、ジェームズ目掛けて拳銃を発砲する。ジェームズは咄嗟に拳銃で反撃を試みる。ジェームズは難を逃れるも、ヘンリーは致命傷を負い、ゾーイはヘンリーを自室に連れ戻す。その隙に男が姿を消す。ジェームズは男を追おうとするが、メアリーはヘンリーの方が危険だと説く。

ジェームズはモニタールームにメアリーとチャーリーを退避させると、ゾーイの部屋に向かい、そこでヘンリーの死体を確認する。行き違いでゾーイがメアリーの元へ訪れ、ヘンリーの行動が想定外だった事を明かすと、ジェームズへの謝意を伝えて姿を消す。

程なく、屋敷の前に武装したパージ目的の集団「パージャー」の男女が群がり始める。パージャーのリーダーの男は、屋敷の中に駆け込んだ男が仲間を殺して逃走しているホームレスだと明かすと、処罰する為に生きたまま差し出す様に要求する。更にその男は、家に侵入する道具が到着するまでが期限だと説くと、要求を拒めば一家全員をパージすると通告する。その直後、屋敷が停電させられ、モニターのみが予備電源に切り替わる。メアリーは侵入の可否をジェームズに問い質すが、ジェームズは最新のシステムでも完全に侵入を防ぐ手立てが無い事を明かす。ジェームズはやむを得ずパージャーの要求を飲む意向を示し、メアリーと手分けして男の捜索に向かう。チャーリーはティミーを操作し、隠れている男を発見すると、合図を送って、自室の隠し部屋に誘導する。

リーダーの男はジェームズを玄関に呼び出すと、男を差し出さない理由を問い質す。ジェームズは息子が勝手に入れたのだと弁明し、パージを支持している事を明言する。リーダーの男は仲間の一人を殺して見せ、容赦しない事を示す。ゾーイがティミーの前に姿を現し、ヘンリーの銃を携行しており、自分が大丈夫だと示すと、チャーリーの隠れ部屋に向かう事を明かす。

ジェームズはその直後にチャーリーの部屋に向かい、そこでゾーイを人質に取った男と遭遇する。ジェームズは男に銃を捨てる様に命じるが、男は今夜殺される言われは無いと主張する。ジェームズは男が自ら出て行って殺されるか、家族を巻き添えにして死ぬかのどちらかしか選択肢が無いと説く。その時、メアリーが男の背後から接近して注意を逸らす。ジェームズはその隙に男に掴みかかり、揉み合った末に発砲し、男を負傷させる。

ジェームズは男をテープで椅子に縛り上げて、パージャー達に差し出そうと企てるが、男は必死で抵抗する。ジェームズはメアリーに男の傷口をレターオープナーで刳らせ、おとなしくさせようと試みるが、メアリーはジェームズが正気を失っていると指摘し、間違った行為だと窘めると、ジェームズを拒絶する。ジェームズはヘンリーの件についてゾーイに詫びるが、ゾーイは人の変わった様なジェームズの様子を見て、もう元には戻らないと告げ、ジェームズを拒絶する。

男は自分を外に出して家族を救う様にジェームズに促す。間もなく、屋敷の前にトラックが到着し、パージャー達がバリケードに鎖を繋ぐ。ジェームズはメアリーに自分の間違いを認め、パージャー達と戦う決意を示す。ジェームズはチャーリーに銃を持たせると、地下に隠れる様に命じ、メアリーに裏口でパージャー達を迎え撃つ様に命じる。リーダーの男は時間切れを宣告すると、トラックがバリケードを一気に剥ぎ取る。ドアと窓を破ってパージャー達が侵入を開始する。血まみれの男は自力で拘束を解く。

地下にパージャーが到達し、チャーリーに襲いかかる。そこにジェームズが駆け付け、パージャーを撃退する。ジェームズはチャーリーをモニタールームに退避させると、ショットガンを持ち出し、パージャー達の掃討を開始する。ジェームズは死闘の末に数人のパージャーを撃退するが、不意を突かれ、リーダーの男に腹を刺され、致命傷を負う。リーダーの男は、記憶に残るパージに感謝すると告げ、その場から姿を消す。

一方その頃、メアリーもまたパージャー達に捕まり、窮地に陥る。そこへ近隣に住むグレースを始めとする裕福な者達5人が駆け付け、パージャー達を駆逐し始め、メアリーは危機から脱する。メアリーとチャーリーはジェームズの元へ駆け寄るが、その矢先にリーダーの男が現れ、3人に向けて発砲しようとする。そこへゾーイが駆け付け、リーダーの男を射殺する。ジェームズはメアリー達に看取られ、息絶える。

そこにグレース達が集まる。メアリーは謝意を伝えるが、グレースはメアリー達が自分達の標的だと説くと、一家が自分達から儲けていながら態度が大きい事がその理由であり、バリケードが破られ、恨みを浄化する好機だと考えた事を明かす。メアリーは子供だけは助ける様に請うが、グレース達は米国市民としての義務を果たすのだと主張し、メアリー達を縛り上げて殺そうとする。

その時、一同の前にティミーが姿を表す。皆の注意が逸れたと同時に血まみれの男が現れ、不意を突いて5人の内の一人を殺し、グレースを人質に取る。男はメアリー達を解放させると、グレース達を殺す許可をメアリーに求める。グレースもまた自分達をパージする様に求めるが、メアリーはそれを拒み、残りの夜を皆で平和で過ごすのだと主張する。

メアリーは皆を一箇所に集め、やがて朝を迎える。グレースは不意を突いてメアリーから銃を奪おうとするが、メアリーはグレースを殴り飛ばし、殺しは終わりだと説き伏せる。間もなく午前7時を迎え、パージ終了のサイレンが響き渡ると、メアリーはグレース達4人を屋敷から追い出す。血まみれの男は銃を置き、立ち去ろうとする。メアリーは男の先行きを案じると、謝意を示し、男を送り出す。

パトカーと救急車が一斉に街に駆り出される。ニュース番組では各地のパージの様子が報じられると共に、新しい建国の父から過去最高のパージ数だった事が明かされる。

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