チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ヘイトフル・エイト

クエンティン・タランティーノ監督作「ヘイトフル・エイト」("The Hateful Eight" : 2015)[BD]

南北戦争後、米国西部の雪深い山中の小屋に、吹雪から避難すべく訪れた男7人女1人からなる8人の悪党達が、それぞれの思惑を抱えながら心理戦を演じる様を描く西部劇ミステリー作品。

 

南北戦争終結から間もないアメリカ。かつて北軍騎兵隊に所属し、その辣腕を奮った黒人マーキス・ウォーレン少佐は、賞金稼ぎに転じる。雪深いワイオミング州の山中、マーキスは仕留めた3人の賞金首の死体をレッドロックで換金すべく、愛馬で運んでいたところ、その馬が力尽きてしまい、猛吹雪が迫る山道で立ち往生する。そこへレッドロック行きの駅馬車が通り掛かり、マーキスは乗車を希望する。御者O.B.はその馬車が乗客ジョン・ルースの貸し切りだと説き、交渉する様にマーキスに促す。マーキスと同じく賞金稼ぎで、首吊り人として鳴らしているジョンは、殺人罪で1万ドルの賞金首デイジー・ドメルグを手錠で繋いで連行しており、同乗を拒む。しかし、マーキスとジョンはチャタヌーガで面識がある事が判明し、マーキスがデイジーに無関心な態度を示した事から、ジョンは拳銃をO.B.に預けさせる事でマーキスの同乗を認める。マーキスが3人の死体を積むと、馬車は吹雪から避難すべく、ミニーの紳士服店へと急ぐ。道中、ジョンはデイジーが無駄口を叩く度に殴り飛ばす。

ジョンは、マーキスがリンカーン大統領と文通した際の手紙を再び見せる様に請い、マーキスは同乗の礼としてそれに応じる。ジョンはリンカーンの心が籠もった文面に感動し、それをデイジーにも見せようとするが、デイジーは手紙に唾を吐きかける。マーキスは憤慨の余り、デイジーを殴り飛ばし、その勢いでデイジーと繋がったジョンまで落車する。馬車が止まると、そこへ不審な男が現れる。ジョンはそれがマーキスの仲間であり、デイジーを狙っていると疑うと、マーキスに手錠をかける。間もなく、ジョンはその男がサウスカロライナ州の疫病神と謳われた、南軍の「マニックス略奪団」を率いたアースキンの末っ子クリス・マニックスだと気付く。クリスは自らがレッドロックの新任保安官であり、宣誓を行う為にレッドロックへ向かっていたところで馬を失った事を明かし、賞金を払うのが自分だと説くと、同乗を希望する。ジョンはそれを信用せず、クリスの銃をO.B.に預けさせ、その上、手錠する様に命じる。クリスは自分の町に手錠をして入る事を拒否し、保安官を置き去りにして凍死させたと知られたら、殺人罪に問われると説く。ジョンはマーキスの手錠を外し、銃を返却すると、自分がマーキスの3人分の賞金8千ドルを守る代わりに、マーキスがデイジーをクリスから守るという取引を交わす。マーキスは乗車したクリスに銃を突きつけ、馬車は出発する。元南軍兵士のクリスは、マーキスが捕虜収容所を燃やして脱出し、南北双方の兵士を焼死させた事で、南部連合に賞金首にされているばかりか、北軍にも殺人鬼と非難され、卑怯者として騎兵隊から追放された事を指摘し、黒人への敵意を剥き出しにする。

やがて馬車はミニーの紳士服店に到着する。店の中からボブが出迎えに現れ、ミニーとスイート・デイヴが留守であり、自分が店を預かっている事、先客が馬車でやってきている事を明かす。ジョンはデイジーと共に先に店に入り、マーキス、クリス、O.B.はボブと共に離れの馬小屋に馬を入れる手伝いを強いられる。店内の3人の先客達は、店のドアの鍵が壊れている為に、開ける度に板を釘で打ち付けて閉める必要がある事を説くと、彼らもまた着いたばかりであり、御者は外出中だと明かす。ジョンはヤカンの中の不味いコーヒーを入れ直す。紳士風のオズワルド・モブレーはジョンからレッドロックに行く理由を聞くと、自らがその地方の絞首刑執行人だと明かし、部屋の一角に設けられたバーにジョン達を招く。隅のテーブルで物書きをするカウボーイ風の男ジョー・ゲージは、母とクリスマスを祝うべく、町からやや離れた実家に帰る途中だと明かす。暖炉の前の椅子に座り、物静かに佇む軍服姿の老人サンディ・スミザーズは将軍を自称する。

程なく、馬を入れ、馬小屋から店まで誘導するロープを張り終えたクリスとO.B.が店に戻ってくる。クリスはオズワルドと同じ公職に就く者として挨拶を交わす。オズワルドはジョンからリンカーンの手紙について聞くと、興味を示すと同時に、黒人がそれを所持している理由を訝る。一方、ボブと馬小屋で作業を続けるマーキスは、ミニーとスイート・デイヴが母に会いに山の北側へ行ったという話を疑い、ボブにカマをかける。

クリスは、南部で情け無用の将軍として鳴らした事で畏敬するサンディに気付くと、アースキンの息子だと自己紹介する。サンディは、息子チェスターが兵役を終えた後、一財産を気付くために山を越えようとし、消息を絶った事、レッドロックにチェスターの墓地を買っており、墓碑を作る為に職人と相談しに来た事を明かす。そこへマーキス達が作業を終え、店に戻ってくる。マーキスは店内を見渡し、皆が帽子を被っているのを確認すると、屋内では帽子を被るべからずがミニーのポリシーだったはずだと指摘する。ボブは吹雪だからだと弁解する。間もなく、マーキスもまたサンディに気付き、バトン・ルージュの戦いで敵側にいた事を明かすと、サンディ達に捕まった黒人が一人として収容所に入れられる事なく殺されたと非難する。黒人を忌み嫌うサンディは、捕らえた黒人をその場で射殺した事を明かす。マーキスは憤りを露わにし、一触即発となるが、オズワルドがその場を執り成す。ジョンはマーキスと協議し、三人の客の内、少なくとも一人がデイジーの仲間であり、自分達を殺す好機を窺っていると主張する。ジョンは用心の為に、オズワルド、ジョーが所持する拳銃を没収し、分解した上でO.B.に馬小屋へ棄てに行かせる。

マーキス、ジョン、デイジー、クリス、オズワルドは、ミニーが作ったシチューを食卓で食べ始める。ジョンはデイジーの手錠を一時的に外す。クリスはリンカーンの手紙について話を向け、卑怯者の烙印を押された黒人がリンカーンと文通していたのは嘘だと指摘する。マーキスが嘘だと認めると、ジョンは騙された事に気分を害する。マーキスは黒人は白人に脅かされている事から、手紙が白人の警戒を説くのに効果的であり、そのおかげで駅馬車に乗れたのだと説く。

マーキスは食卓を離れると、暖炉の前のサンディに会話を促す。一方、ボブはピアノで徐に「きよしこの夜」を弾き始める。サンディは戦争後の妻との裕福な暮らしについて語り始め、その妻が冬の初めに病死した事を明かす。マーキスは唐突にチェスターを殺した事を明かすと、サンディの前に拳銃を差し出す。続けてマーキスは、手配されていた自分を殺しに来た大勢の南軍の兵士を返り討ちにしてきた事、その中の一人にチェスターがいた事、チェスターが命乞いした際に人生のすべてを話し、それで黒人を虐殺したサンディについて知った事を明かすと、チェスターを情け容赦無く惨たらしく殺した時の様子を嬉々として語る。怒りに駆られたサンディが拳銃を手にした瞬間、マーキスはサンディを射殺する。その直前に何者かがコーヒーの入ったヤカンに密かに毒を混入する。デイジーはただ一人、その様子を目撃する。

間もなく日が暮れる。ジョーとO.B.はサンディの死体を棄てに行く。デイジーは店の片隅に置かれたギターを弾く許可をジョーに得ると、弾き語りを始める。その最中、戻ったO.B.とジョンはコーヒーを口にする。デイジーはそれを確認するとほくそ笑み、ジョンの死を仄めかす歌詞を織り交ぜる。ジョンは気分を害し、ギターを取り上げて叩き壊すと、デイジーを再び手錠で繋ぐ。間もなく、クリスがコーヒーを口にしようとしたその矢先に、ジョンとO.B.が激しく吐血する。デイジーがジョンに死を宣告すると、ジョンはデイジーを手酷く殴り飛ばし、原因がコーヒーだと警告する。デイジーは抵抗の末にジョンから銃を奪うと、即座にジョンを射殺する。O.B.もまた毒で息絶える。

マーキスはデイジーから銃を取り上げると、残りの4人に銃を向けて脅し、壁に向かって立たせる。マーキスは、コーヒーを飲もうとしていたクリスが毒殺を企図したとは考えられないと説き、拳銃を一丁与えてクリスを味方に付ける。マーキスはデイジーがジョンから奪った手錠の鍵を取り上げ、それを処分すると、残りの3人の内の誰かがデイジーの仲間だと主張し、推理を始める。マーキスはシチューが馴染みの味で、ミニーが作った物に相違ない事を指摘すると、ミニーが一週間前に出かけたというボブの主張に疑いをかける。更にマーキスは、スイート・デイヴの愛用の椅子を覆っている毛布を外し、そこに真新しい血痕を見つけると、ミニーとスイート・デイヴが殺されたのだと確信する。ボブはピアノを弾いていた事を理由に挙げ、毒を盛った件を否定するが、マーキスはボブが毒を盛った者と共謀しているのだと主張する。ボブはそれが推察に過ぎないと反論し、証明を求める。マーキスはミニーが大のメキシコ人嫌いだった事を明かすと、そんなミニーが一番大切な店をメキシコ人のボブに預けるはずが無いと説き、ボブを射殺する。マーキスは残りの二人に対し、白状しなければデイジーの口に毒入りコーヒーを流し込むと告げ、ヤカンを手に取る。ジョーは咄嗟に名乗り出る。それを受け、マーキスが立ち止まった瞬間、床下に潜んでいたデイジーの弟ジョディがマーキスの股間を銃撃し、マーキスはその場に崩れ落ちる。クリスがマーキスの方に気を取られた隙を見計らい、オズワルドは隠し持っていた拳銃でクリスの腿を撃ち抜く。クリスはすかさず反撃し、オズワルドの腹部を撃ち抜く。

その日の早朝。ジョディ、オズワルド、ジョー、ボブの4人は馬車で客を装って店に到着した。ミニーは4人を歓迎し、スイート・デイヴはサンディとチェスをしていたが、4人は機を見計らってミニー、スイート・デイヴ、店員ジェマとエド、馬車の御者ジュディとチャーリーを皆殺しにし、その最中に銃撃でドアが壊れた。ジョディは抵抗できそうにないサンディに事情を明かすと、座ったまま物静かな客を装う様に命じた。4人は死体を井戸に棄て、店内を掃除すると、武器を要所に忍ばせて、ジョンとデイジーの到着を待っていたのである。

痛みで悶絶するマーキスはベッドに体を横たえ、死を覚悟しながらも、地下に潜むジョディに対し、デイジーを殺すと脅して、出てくる様に命じる。ジョディが上半身を現すや否や、マーキスは銃でジョディの頭部を吹き飛ばす。デイジーは悲嘆もそこそこに、ジョディが「ドミングレ・ギャング」団のボスであり、4人が自らの奪還に失敗した際には、レッドロックに控えている15人の手下が町を破壊した後で店に駆け付ける手筈になっている事を明かすと、手下に懸かった賞金でクリスを懐柔し、マーキスを殺させようと企てる。デイジーは取引に応じる以外に山から出る術は無いと説き、クリスを脅す。ジョーは不意を突いて忍ばせていた拳銃でクリス達に奇襲を目論むが、マーキスの返り討ちに遭い、失敗する。続けてマーキスはデイジーを射殺しようとするが、弾切れで不振に終わる。マーキスはクリスに預けた銃を返す様に求める。クリスはそれに応じず、デイジーと会話を続けた末に、レッドロックの15人については信じられないが、ジョーがコーヒーに毒を盛り、デイジーがそれを自分に飲ませようとしたのは真実だと説き、取引を拒む。クリスはジョディの率いるギャング団に比して、父の率いた軍隊の偉業を誇らしげに語っている内に、失血により気絶する。デイジーはその隙を見計らって、ナタを持ち出し、ジョンの腕を切断して自由を得ると、床に転がっている拳銃を奪おうとする。その時、クリスが意識を取り戻し、銃撃でそれを阻止する。マーキスはデイジーを射殺しようとするクリスを制止すると、亡きジョンの意を汲み、悪党たるデイジーを首吊りで苦しめて殺す事を提案する。二人は天井の柱にデイジーをロープで吊るして絞首刑に処し、息絶えるのを見届ける。クリスは死ぬ前にリンカーンの手紙を見せて欲しいと請い、マーキスはそれに応じる。クリスはベッドの傍で手紙を読み上げ、巧い創作だと褒め称える。

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