チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

王様のためのホログラム

トム・ティクヴァ監督作「王様のためのホログラム」("A Hologram for the King" : 2016)[BD]

リストラと離婚で生きる目的を失いかけた中年男が、新たに雇われた会社でホログラムを用いたITシステムをサウジアラビアの国王に売り込む事になり、見ず知らずの土地で文化や生活様式の違いに苦慮しながら奮闘する内に、再起を果たしていく様を描くコメディ・ドラマ作品。

 

ボストンの自転車メーカー「シュウィン」の取締役をリストラされたアランは、失業期間を経て、サウジアラビアの国王の甥と知り合いという理由で、大手ITシステム企業「レリアンド」に雇われる。アランは早速、国王への3Dホログラムを駆使したITシステム導入の売り込みを任され、縁もゆかりもないサウジアラビアのジェッダに派遣される。アランは妻と離婚した際に金銭的な問題で揉めた事で、21歳の娘キットが学費に事欠き、休学してアルバイトを余儀なくされている状況に責任を感じており、国王との契約成立に意気込む。その一方、アランは背中にできた原因不明のコブを憂慮する。

ホテルに宿泊したアランは時差ボケに苦しみ、初日から寝坊してしまう。KMET(国王の経済・貿易・新都市)行きのバスに乗り遅れたアランはハイアーを依頼する。間もなく、運転手ユセフが古めかしい車でやってくる。アランは、人妻を寝取ったと疑われて旦那に殺されそうだと心配するお調子者のユセフを訝りながらも、その車に乗ってKMETに向かう。

KMETに到着したアランを、国王の臣下サイードが迎える。サイードは国王が来ない事を明かすと、2025年の街の構想を示した後、連絡係のカリームが控えるというメインビルへ案内する。アランはそこから程近い場所にプレゼン用に設えられたテントで、三人の部下ケイリー、ブラッド、レイチェルと合流する。三人はテントにWi-Fiが通じていないなどの作業を行う上での不満を訴える。アランは真新しいメインビルへカリームに会いに行くが、受付のマハはカリームがその日戻らない事を伝え、明日に出直すよう促す。責任者のカリームと話せない事には仕事にならない為、アラン達はバスでジェッダへ引き揚げる。

翌朝、アランは再び寝坊し、バスに乗り遅れた為、ユセフに運転を依頼する。テントの問題が解決していないと知って、アランは早速カリームに会いに行くが、マハは予定が代わった為にカリームが不在だと伝える。アランは痺れを切らし、オフィスに乗り込むと、そこでカリームの部下ハンナと出会う。ハンナは国王が一年半の間、一度も来ていない事を明かす。アランは時差ボケで苦しんでいる事を明かすと、気さくなハンナはサウジでは禁じられている酒を密かに手土産に贈る。アランはいつでも国王の到着に対応できるよう、部下達にプレゼンの準備を指示する。その夜、アランはホテルで酒に口を付けるが、キットへの罪悪感に苛まれてついつい深酒してしまい、酔った勢いでコブをナイフで裂く。

翌朝、アランは激しい二日酔いに襲われ、背中が血塗れの状態で目を覚ます。アランは再びユスフに運転を依頼する。ユスフは酔い覚ましにアランをアラビア料理に連れて行く。その後、アランはコブが出血している事に気付き、病院で医師ザーラの診察と手当を受ける。ザーラは良性の脂肪腫と推測し、組織検査を行う意向を示す。アランはコブのせいで無気力状態が続いており、生き方を見失うと同時に能力まで失ったと訴えるが、ザーラはそれがコブとは無関係であり、気にし過ぎだと諭す。アランはホテルに戻るやハンナから連絡を受け、デンマーク大使館のパーティに招かれる。アランは酒とダンスに興じる大勢の参加者達と共に羽目を外して泥酔した後、ハンナと抱き合って二人きりで過ごす。

翌日、KMETのテントに出向いたアランは、空調が故障してダウンしている部下達を気の毒に思い、カリームに直談判に行く。マハはカリームがニューヨークにいると伝えるが、アランは意に介さず、ハンナに会いに行く。ところがハンナは不在にしており、カリーム本人が現れる。カリームはメインビルから程近い、高層住宅の建設現場へ会議に行く意向を示し、アランにアウディの運転を勧める。アランはテントの問題を訴え、カリームは解決する事を約束するが、国王の戻る時期は分からないと答える。カリームはシュウィンの衰退の原因についてアランに尋ねる。アランは最善策と信じてシュウィンの製造を中国に移したものの、一度作り方を教えたらラベルを張り替えただけの中国製に市場を独占されてしまったからだと答える。カリームは建設途上の住宅内に一室だけ完成しているモデルルームを紹介する。住宅の販売を担うハッサンは、なかなか成約に至らずに苦慮している事を明かす。

その夜、アランは上司から進捗状況の報告を再三求められるが、それに応じず、再び深酒して寝入る。間もなく、アランは発作を起こし、ユセフに連絡するが応答が無い為、薄れ行く意識の中でザーラに連絡する。ザーラは救急隊員と共に駆け付け、アランを介抱すると、恐怖心に基づくパニック障害の兆候だと診断し、酒が悪影響を及ぼしていると指摘する。アランはザーラの手に触れ、謝意を示す。そこへメッセージを聞いたユセフが駆け付け、アランの無事を知って安堵する。ザーラはアランに静養するよう命じて帰る。ユセフは自宅の前に人妻の旦那が二人の男を連れて張り込んでいる事を恐れ、街を出て家族が暮らす故郷の山に行く意向を示す。翌日、アランはユセフに同行し、聖都メッカをムスリムを装って抜け、ユセフの郷里を訪ねる。 その夜、アランは牧羊を襲う狼狩りに同行し、ユセフと親交を深める。

アランはザーラに指定された日に、病院へ検査の結果を聞きに行くが、ザーラが不在の為、代任の医師が前癌状態の細胞が見つかった事を明かし、切除の必要性を説く。アランは翌日の手術を承諾する。その直後、アランは別室で電話をしながら落涙するザーラを目の当たりにする。その足でKMETに出向いたアランは、急遽国王の到着が決まった事を知り、部下達とプレゼンのリハーサルを行う。程なく、ヘリで国王が到着すると、アランは部下達と共にホログラムを用いたバーチャル会議を実演し、プレゼンを成功裏に終了させる。

翌日、アランは病院で腫瘍の切除手術に臨み、ザーラが執刀を担当する。手術して間もなく、アランは驚く程に活力が戻ったのを自覚し、ザーラにメールで謝意を伝える。アランはメールでのやり取りを繰り返す内に、ザーラとの再会を希望する。ザーラは病院の外で会う意向を示す。後日、ザーラはホテルへハイヤーで迎えにやってくる。ザーラは病院での落涙について、夫と離婚する為に法的に揉めている事を明かす。ザーラはアランの好意を悟ると、息子と娘がいる事を明かし、アランはキットがいる事を明かす。二人は子供への接し方に苦慮している点で意気投合する。ザーラはアランを海に面した邸宅へ招くと、海へ泳ぎに誘う。二人は海に潜ってキスを交わした後、部屋に戻ってセックスし、心を通わせる。

その後、中国の企業がアラン達と同様の技術をより早くより安くKMETに提供する事になり、アランは契約を纏められずに退職するが、給料の良い高層住宅の販売に就任し、更にザーラと一緒に暮らし始める。アランはキットへのメールの中で、来学期には大学に戻してやれる見込みを示し、強くて若く、時間もあるとキットを励ますと、自分でさえこの地で生きる力を得て、時間が十分あるのだと説く。

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