チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

白雪姫と鏡の女王

ターセム・シン監督作「白雪姫と鏡の女王」("Mirror Mirror" : 2012)[BD]

白雪姫が森に住む小人達と手を組み、自らを虐げ、命を狙わんとする悪辣な女王を倒し、王子と結ばれるべく奮闘する様を描くファンタジー・コメディ作品。

 

遠い遠いある王国。国王と女王の間に、雪の様に白い肌と、夜の闇の様に黒い髪を兼ね備えた女の子が誕生し、白雪姫と名付けられ、国民に敬愛される存在となった。女王は出産後、間もなく他界し、国王は男手一つで姫を育てる事になった。国王は姫を溺愛し、教育を授けたが、やがて教えられない事があると悟り、新たに妃を迎えた。新しい王女はその美しさで王を魅了し、虜にした。程なくして、暗黒の魔力が王国を襲い始めた。王は幼い姫に愛用の短剣を授け、別れを告げると、深い森の中へ向かい、そのまま消息を絶った。姫は森の中へ王を探しに行ったが、終ぞ見つかる事は無く、悲しみに暮れる日々を過ごしたのだった。

それから10年の歳月が経ち、雪に閉ざされた王国で、姫は18歳の誕生日を迎える。女王は従順な姫の事を忌み嫌っており、塔の中に幽閉し、無断で外出する事を禁じる。その一方で、自らは連日パーティに明け暮れ、浪費の限りを尽くしており、王国は破産寸前の状態に陥る。男爵は自分と結婚する事で国の復興が保証されると説くが、女王はその提案を無視する。

その頃、ヴァレンシア王国の王子アルコットとその側近レンボックは、冒険の旅に出てから数ヶ月を経て、森に立ち入る。そこに足にホッパーを装着し、巨人の出で立ちをした7人の小人達(グリム、ブッチャー、ナポレオン、ウルフ、ハーフパイント、グラブ、チャックルズ)が現れ、アルコット達は身ぐるみを剥がされた挙句、木に逆さ吊りにされる。

姫は城の使用人達に誕生日を細やかに祝ってもらう。使用人の一人で、姫の面倒を幼い頃から見てきたマーガレットは、亡き王が残した短剣を手入れして姫に託すと、いつの日か王国を取り戻すべく、自分の目で国の有様を確かめてくる様に促し、また自身も強くなる様に諭す。早速、姫は城を抜け出す。

女王は鏡を通り抜け、その向こうの世界を訪ねると、鏡の魔女に会い、男爵に結婚を言い寄られている事を愚痴る。魔女が女王の浪費癖を詰ると、女王は魔法で金貨の山を出す様に求める。魔女はそれを拒み、金持ちを見つけて結婚する様に促す。

姫は森を抜ける途中で、木に吊るされたアルコット達を見つけ、助けを請われる。姫はアルコットと面識が無い為にその素性を知らず、自らの身分を伏せたまま二人を救出する。アルコット達は北へ、姫は南へ向かう為にその場で別れる。

アルコット達は下着姿のまま、城を訪ねると、女王と謁見し、盗賊に襲われたのだと弁解する。女王はヴァレンシアが資源に富んだ豊かな王国だと知ると、目の色を変え、アルコットを虜にして、結婚に持ち込むべく、王国始まって以来の大舞踏会の開催を決定する。女王の側近ブライトンは、国庫が尽きて費用が拠出できない事を明かす。女王は適当な理由を付けて、国民から更に税を取り立てる様に命じる。

姫は村に到着すると、かつては誰もが歌い踊る素晴らしい村が、すっかり変わり果て、窮乏し、活気を失っている事に驚く。程なく、村にブライトンがやってきて、森に潜む怪獣から王国を守る為と称して、明日までに税を徴収するというお触れを発出する。一方、アルコットはレンボックに、至急帰国し、兵隊を連れ、金貨を携えて、戻る様に命じる。レンボックは女王の気質の異常ぶりを忠告して、帰郷の途に就く。姫は村の惨状を目にしてきた事をマーガレットに報せる。マーガレットは女王が今夜舞踏会を開く事を伝える。姫は王子に頼んで、王国を取り戻してもらう事を決意する。女王は舞踏会に備えて、ここ一番の美容に励む。

その夜、姫は白鳥のドレスを纏い、女王に無断で舞踏会に参加し、ウサギの正装のアルコットとダンスに興じる。姫は素性を明かすと、願いを伝えようとするが、女王に企みを察知され、捕らえられてしまう。姫は村で見てきた惨状について女王に訴える。女王は姫がルールを破った事を咎め、罰を下す意向を示す。姫は法的には自分が王位継承者だと主張する。

憤慨した女王は、姫を生かしておくと危険だと考え、ブライトンに姫を森の怪獣の餌にして殺す様に命じる。ブライトンは姫を森に連れ出すと、かつて王に受けた恩義に応えるべく、姫を逃がして城に戻る。姫は暗い森の中、忍び寄る怪獣から逃れる途中で、小人達の暮らす家の看板にぶつかって気絶する。ブライトンは偽の内臓を携えて女王の元に戻り、命令通りに殺してきたと欺く。女王はそれを聞くと歓喜する。

翌日、姫は小人達の家の中で目を覚まし、素性を明かす。小人達は協議の末、身代金をせしめようと画策するが、姫は女王が自分を殺すつもりであり、無駄だと明かすと、一晩だけ泊めて欲しいと請う。小人達はそれを認め、ホッパーを付けて仕事に出かけていく。一方、ブライトンは村を訪ね、集めた金貨を受け取ると、馬車で帰路に就く。その最中、ブライトンは小人達の襲撃に遭い、金貨の詰まった袋を強奪される。

姫は小人達が盗賊だと知ると、村に金を返すべきだと主張する。小人達は、かつて女王に追放された時に村人が知らん顔だった事を明かし、小人を見下しているのだと反論する。姫はそれに同情を示すも、罪の無い人から盗むのも酷い事だと諭す。小人達が啀み合いを始めると、姫はその隙を見計らって袋を持ち出し、村に届ける。そこに小人達が駆け付けると、姫は金を取り戻したのが小人達であり、勇敢な英雄なのだと説く。村人達は小人達を褒め称える。

女王はアルコットが姫に好意を抱いている事を知ると、昨夜、森に出かけて死んだ事を明かす。女王はアルコットに結婚を提案しようとするが、そこに身ぐるみを剥がされたブライトンが戻り、盗賊に襲われたと弁明する。王子は正義の制裁を下すと息巻き、森へ向かう。

小人達は家に留まる条件として、盗賊になる様に姫に提案する。姫は女王から盗んだ物を村人達に返す事を条件に受け入れる。小人達は姫に盗賊の立ち振舞いや戦い方を指南し、姫は訓練を重ねる。程なく、姫と小人達はアルコットの率いる近衛兵の一行を奇襲する。王子は死んだはずの姫と再会し、驚く。小人達は近衛兵を撃退し、姫はアルコットと剣を交える。姫は苦戦を強いられるが、アルコットの手抜きに乗じて戦いを制す。

アルコットは再び下着姿で女王の元に戻ると、姫が生きており、小人達を率いている事を伝える。ブライトンはそれが見間違えの別人だと指摘するが、女王はブライトンが命令に背いた事を知り、激怒する。女王は直ちに鏡の魔女の元を訪ねると、魔法で姫を始末する事を要望し、死んだ王に飲ませた惚れ薬を王子に飲ませる企てを明かす。魔女は魔法には代償が伴う事を説くと共に、惚れ薬が使い過ぎで残っていない事を明かす。女王は更にブライトンを厳しく罰する事をも求める。その直後、ブライトンはゴキブリに変えられる。

王女はアルコットを自室に招くと、最愛の国王を失った不遇を露わにし、惚れ薬を混ぜた酒を勧める。アルコットは亡き国王への乾杯に応じ、酒を口にする。王子は途端に発情し始め、女王に飛びかかる。王女はその薬が子犬用の惚れ薬だった事を知り、対処に苦慮するが、アルコットは子犬よろしく女王に従順になり、結婚の申し出を快諾する。

王女と王子が明日、湖の畔で結婚するという報せが村に伝わる。小人を通じてそれを知った姫は、悲しみに打ちひしがれる。その夜。鏡の魔女は魔法で動く二体の巨大な操り人形を使い、小人達の家を襲撃する。 そこへ駆けつけた姫は、人形が糸で動いている事に気付くと、それを断ち切る事で人形を倒し、小人達を窮地から救う。

翌日、凍結した湖上に結婚式の会場が設置され、男爵ら賓客が集う。女王はドレスの準備を始め、魔法が解けて元の姿に戻ったブライトンは、手伝いに駆け付ける。一方、姫は、か弱い自分がリーダーには相応しくなく、愛する皆に迷惑をかけてしまうと考え、小人達の元を去ろうとするが、小人達は、自分達を改心させ、新しい生き方を与えてくれた姫が、皆に必要な強いリーダーだと説く。姫は結婚式に乗り込む決意を示す。

姫と小人達は式の会場に潜入すると、奇襲を仕掛け、賓客達の身ぐるみを剥ぎ、アルコットを連れ去る。その直後に、ドレスを纏った女王が会場に到着する。男爵はアルコットが姫に連れ去られた事を明かし、女王が盗賊すら始末できず、皆に恥をかかせた事の責任を問い、退位を迫る。女王は激怒し、自ら姫に手を下す決意を示す。

姫と小人達はアルコットを森に連れ帰るも、呪文をかけられた為に女王にぞっこんなのだと悟る。小人達はアルコットを痛めつけて、呪文を解こうと試みるが不振に終わる。ナポレオンは真実の愛を込めたキスが呪文を解くのだと説き、姫にアルコットとのキスを促す。姫は初めての経験故に戸惑いながらも、アルコットにキスをし、アルコットは正気を取り戻す。

程なくして、一同は怪獣の気配を察知する。姫は、王子が姫を救うという定番の結末を変えたいと主張し、皆を家の中に閉じ込めると、アルコットに別れを告げ、怪獣との対決に向かう。女王が姫の前に姿を現し、手懐けた怪獣に姫を襲わせる。そこにアルコットが駆け付け、死ぬなら愛する人と死にたいと告げ、協力して怪獣に立ち向かう。しかし、怪獣は圧倒的な力で二人を窮地に陥れる。女王は鏡の中の世界で、姫の最期を見届けようとする。

小人達の加勢を得て、姫は短剣で魔獣が首から提げるペンダントを切り落とす。その途端、魔法が解け、怪獣は王の姿に戻る。一方、女王は代償として醜い老婆の姿に変わる。姫は王と10年の時を経て、再会を果たすと、アルコットと小人達が王国を救ったのだと明かす。王は歓び、その恩に報いる意向を示す。アルコットは姫との結婚の許しを請う。

城に戻った王の下、姫とアルコットの結婚式が盛大に執り行われる。王は姫の成長ぶりを祝うと共に、女王を倒した功績を称える。姫とアルコットはキスを交わし、集まった人々の祝福を受ける。その後、姫の前に老婆が現れ、祝いの品として真紅の林檎を贈り、一口食べる様に促す。姫はその林檎を一欠切り分け、老婆に差し出すと、かつて女王自身が説いた様に、負けを知る事が大切だと告げる。老婆が林檎を口にすると、鏡と共に魔女の世界が木っ端微塵に砕け散る。

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