チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。4年目。

ロスト・エモーション

ドレイク・ドレマス監督作「ロスト・エモーション」("Equals" : 2015)[DVD]

住人に感情の抑制を強要する近未来の共同体で、一組の男女が禁断の恋に落ち、外界への逃避を企てる様を描くSFロマンス作品。

 

近未来。人類は大戦中の爆弾投下によって陸地の99.6%を失う。生き残った者達は、破壊を免れた二つの土地の内、一方に共同体「イコールズ」を作る。共同体の住人は与えられた部屋に住み、与えられた食事を摂り、与えられた衣服を来る、といった画一的でシステマチックな生活を営む。住民は感情の抑圧を促されており、必要以上に他人と関わり合う事を禁じられている。異性との身体的な接触、感情の発露などはSOS(感情制御不能症)の特徴と見做される。SOSには効果的な治療法が見つかっておらず、唯一、症状と進行を抑える為の抑制剤がクリニックで処方されている。SOSの症状が進行すると、感情の抑制が利かなくなって生産的な人間でなくなるとされ、半年以内にDEN(欠陥障害者施設)に隔離される運びとなる。DENでは電気ショック療法で感情抑圧治療を施され、やがて安楽死させられる。異性との交際は社会にとって危険をもたらす異常行動とされ、親密な行為に及んだカップルは保健安全局に捕らえられ、DENに強制収容される。住民は不審な出来事を目撃次第、通報する義務が課せられている。また、女の一部には受胎任務が課せられている。共同体の西方に位置する半島は、荒廃した建物を含む未開の地とされ、そこに住む者達は感情や欲望に支配された欠陥者達だと考えられている。共同体は半島から無用な混乱が持ち込まれないように巡視隊を結成している。人類は目下、13億キロ離れた惑星TK-14向けて探査機を飛ばしており、宇宙の真実解明に挑んでいる。

出版部に勤め、イラストレーターを担当するサイラスもまた、共同体の住人として、毎日を粛々と暮らしていた。ある日、ビルの屋上からSOS感染者が飛び降り自殺を図る。しばしば起こりうる自殺を同僚達が平然と眺める中、サイラスは記事執筆担当のニアが明らかに動揺している事に気付く。それ以来、サイラスはニアの事が頭から離れず、経験した事の無い感情が自分の内に芽生えるのを実感すると同時に、悪夢に苛まれる。サイラスはSOSの検査の為にクリニックを受診する。サイラスはそこで進行ステージ2を自称する患者ジョナスと出会う。サイラスは医師に症状を訴える。血液検査の結果、陽性反応が現れ、サイラスはステージ1と診断される。

サイラスは職場で同僚に欠勤の理由を疑われる。ニアはサイラスのアリバイをフォローする。サイラスはニアに魅せられていく。サイラスは薬局で薬の処方を受け、服用を開始するが、感情の抑制が効かずに情緒不安定に陥る。サイラスは職場で常にニアが気になり、ニアを見つめ続ける。その内、サイラスはニアと関わる事ができる様に、ニアの記事の挿絵担当に変わったり、終業後のオフィスに忍び込んで、ニアが端末に記録した音声を聴いたりする。そんな折、サイラスは集中力の欠如が災いし、同僚達にSOSだと知られる。SOSは伝染性では無いが、サイラスは同僚達に疎外される。サイラスは終業後、ニアの後をつける。それに気付いたニアはサイラスを非難する。サイラスは飛び降り自殺の一件以来、ニアの反応を観ていた事を明かし、SOSでは無いかと尋ねる。ニアはそれを否定する。

翌日の終業後、ニアはサイラスを誘う様にトイレに向かう。サイラスはニアの後を追い、個室で二人きりになる。二人は互いに触れ合った後、抱き合う。ニアは感染してから一年三ヶ月経っており、検査を受けていない事を明かすと、常に不公平感と罪悪感に苛まれ、耐え難いほどに自分を律している事への苦悩を露わにする。ニアは見つかる事を危惧し、会うのをこれきりにして、治療薬を待つ意向を示す。サイラスは一緒にいる事を希望し、二人は初めてのキスを交わす。

サイラスとニアはその後も終業後まで残って密会を重ね、芽生えた感情こそが正しいのだと確信する。ある時、上司レナードが職場に戻ってくる。サイラスは先に個室から出て応対する。レナードはニアのモニターが点きっぱなしになっている事に気付くと、サイラスを見張る様に忠告を受けている事を明かし、不穏な行動は通報すると釘を刺す。それを受け、ニアは距離を置くべきだと主張する。サイラスはそれを拒み、出版部を辞めて、人と接する事の少ない植物園の職に就く。

サイラスとニアは互いに会えない日が続き、喪失感を募らせる。程なく、サイラスは薬局の前でジョナスと再会する。サイラスはニアへの感情をジョナスに吐露する。ジョナスは自らも一年前に女と接点を持ち、悲しい別れ方をした事を明かすと、別れて正解だと説く。ジョナスはSOSのサポートグループに所属し、同僚の仲間達と自由に感じた事を話し合っている事を明かし、サイラスに参加を打診する。サイラスはジョナスとDENの医師ベスを含む7人のグループの秘密の会合に参加する。ベスはDENでは半数が自殺し、スタッフもそれを奨励している事を明かすと、辛くなった時に希望を持つ術や、感染者に決して深入りしない戒めなどについてサイラスに助言する。

その夜、サイラスの部屋にニアが情緒不安定な状態でやってくる。サイラスはニアを落ち着かせ、二人は肉体関係を持つ。二人は初めて愛という感情を知り、外の世界に脱出したいという衝動を共有する。サイラスは幼少より、人類の存在意義と誕生の理由を宇宙に見出す事が使命だと刷り込まれてきたが、答えは目の前にあったのだと説く。その後、二人は職場では普段通りに振る舞い、夜は一緒に過ごす生活を続け、より深く愛し合う。サイラスは服薬を止め、ニア共々、活力を取り戻していく。

程なくして、抑制剤とは異なり、完全な回復を可能とするSOSの治療法ENIが開発される。ENIは首に注射しコイン状の痕を付けるだけで、治療のみならず、将来の感染の予防ができる事、投与後六時間で症状が完全に消える事、目下大量生産中であり、直ちにクリニックへ輸送される運びである事が住民に通知される。二人はそれを知ると、接種せずに済ませる方法を模索する。

サイラスはニアをジョナス達の会合に連れて行くと、二人で半島へ逃れる事を希望する。ジョナスはかつて仕事で半島を空から巡回していた経験に基づき、半島が原生林になっている事を明かす。ベスはサイラスたちに翻意を促す。ニアは留まれば治療を余儀なくされると訴える。ベスはまだSOSが知られていなかった若い頃に感染し、多くは自殺したものの、その内の若い闇感染者に一緒に半島に逃げてほしいと請われ、それが死にに行く様なものである為に断った事を明かすと、一番報われない死に方だと説く。ニアはその男が生きている可能性を指摘する。ジョナスはサイラスに後戻りできない覚悟を確認すると、巡視隊のパイロットだった元同僚に話を付け、サイラス達が共同体の境界線を超える手筈を整える。二人は境界線への列車が出る三日後の土曜日まで、穏便に過ごす事を決意する。

翌日、ニアは受胎命令を通告される。ニアは直ちにそれをサイラスに報せる。サイラスは無視する様に促す。ニアは血液検査でSOSが発覚する事を危惧する。サイラスはクリニックが満員である事から、すぐには治療されないという見通しを示し、クリニックの裏口で落ち合う約束を交わす。ニアはクリニックで血液検査を受けた際に、妊娠が発覚し、そのままDENに連行される。サイラスはそれを目の当たりにすると矢も盾もたまらず、ジョナスの元へ向かう。DENではニアに対する中絶手術の準備が整う。ジョナスは同僚を通じてその報せを受けると、訪ねてきたサイラスにニアを自分に任せて部屋に帰る様に命じる。ベスはニアの手術をキャンセルし、ニアを連れ出すと、ジョナス達と合流し、昨晩自殺したエバとニアのIDを入れ替え、ニアをエバとしてDENから逃がす。ニアはサイラスの部屋へ向かう。その直後、ジョナス達は企てを察知され、保健安全局に捕らえられる。

ニアはサイラスの部屋に身を寄せる。サイラスは入れ違いでニアを助けに行く途中で、ジョナス達にENI療法が施されたとの通知を目の当たりにする。サイラスはDENを訪ね、守衛にニアの在否を尋ねるが、ニアが死亡したと伝えられ、絶望する。ニアは部屋でサイラスの帰りを待ち続ける。サイラスはビルの屋上に昇り、自殺を企図するが、既のところで翻意する。

夜更け、部屋にサイラスが帰宅する。ニアはサイラスを抱き締めると、首のENI療法の痕に気付き、理由を尋ねる。サイラスはニアが死んだと思ったのだと答え、薬が効き始めるまで五時間だと明かす。ニアは妊娠を打ち明けると、二人で列車に乗る為に、薬に負けて感情を忘れない様にひたすら励ます。サイラスは感情を失っても自分の事を諦めないで欲しいと請う。

翌朝、ニアはサイラスに自分への愛を問う。サイラスはそれが消失したと答えるが、列車に乗る事に同意する。二人は距離を置いて駅へ向かい、車内では離れ離れの席に座る。列車が出発すると、ニアはサイラスと一緒に過ごした日々を思い出し、それがもう戻らない事を悲嘆する。そこへサイラスがやってきて、ニアの隣に座る。二人は互いに見つめ合い、手を握る。

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