曇天。今日も雨が降りそうで降らない、はっきりしない天気。億劫でも図書の返却と受け取りに行かねばならない。予約していた図書が立て続けに回ってくるので、なかなかマイペースで読めないのが辛いところ。まぁ、タダで利用しているのだから、文句を言える筋合いなどなく、寧ろアタマを下げて拝借してくるくらいの立場なのだが・・・。
北日本は冷夏のおそれ エルニーニョの影響 気象庁予報:朝日新聞デジタル
三ヶ月予報が出た。やはり北は冷夏らしい。とまれ、当たるも八卦、当たらぬも八卦。大過なく夏を超えられるかしら。
読了記
内臓の進化の過程を、体系的に「呼吸器系」「消化器系」「泌尿器系」「生殖器系」「内分泌系」の5つに分類し、ふんだんに図解を交えて論じた一冊。その道の人にはごく初歩的な知識なのかも知れないが、門外漢の自分にはエキサイティングな情報に富む内容で、非常に面白かった。平易で、且つ、過不足ない感じはさすがブルーバックス。
まず、魚類の鰓が酸素を取り込む仕組みを知らなかったから、そこからもう目から鱗なんだよね。魚類から、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類とそれぞれの進化を辿る過程で、呼吸器系は変化を繰り返し、鰓が肺原基となり、やがて肺となる。もう神の所業、芸術的。
消化器系ではウシの反芻の仕組みに度肝を抜かれたよね。胃が4つに分かれているのはお馴染みだけど、口→1→2→口→3→4って具合に、出し入れを繰り返しながら、体内の微生物と協力して発酵を促す、草食動物ならではの消化システムを構築しているワケで、なんだか途端に彼らが愛おしくなってしまった。そりゃゲップも出るわな。およそ200㍑/日らしい。
尿の排出ってのも、これまた生物にとっては重要な課題で、極めて効率的な体液調整の仕組みが整っている。陸棲か水棲かで利用できる水分量が違うから、排出する方法も異なってくると。小便をする度に腎臓を意識する様になった(笑)
いやはや進化って素晴らしい。
映画鑑賞記
サム・メンデス監督作「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」("Revolutionary Road" : 2008)
1950年代のアメリカを舞台に、理想の生き方を模索し、互いに衝突する一組の夫婦の顛末をドラマチックに描いた作品。おっさんのお気に入りの一作。生涯のベスト3に入れたい。
郊外の住宅街にある、レボリューショナリー・ロードという道に面した家に引っ越してきたフランク(レオナルド・ディカプリオ)、エイプリル(ケイト・ウィンスレット)夫妻。子供二人を抱え、フランクはコンピュータ会社のリーマン、エイプリルは専業主婦という、当時としてはごくありふれた家庭。しかしその姿は彼らが結婚当初に描いた理想とはほど遠いものであった。本来のフランクは平凡だった父を反面教師に、成り上がろうと意気軒昂な野心家だったのだが、いつのまにか会社という型に嵌り、やり甲斐のない仕事を適当にこなす様に。一方、エイプリルは女優志望で舞台にも上がっていたのだが、挫折し、志半ばで夢を諦めていた。
ある日、エイプリルはパリへの移住をフランクに提案する。もう一度人生をやり直し、夢を取り戻そうと熱く語るエイプリルの言葉に、その気にさせられたフランクはこれを承諾。憧れの生活に向けて、冷めかけていた夫婦の歯車が動き出したのだが、期せずしてフランクに昇進の話が持ちかけられ、また同時期にエイプリルの妊娠が発覚し、事態は急展開。アメリカに留まり裕福な生活をしようという現実派のフランクと、パリで夢を追う生活を諦めきれないエイプリルは激しく衝突し、家庭は崩壊の危機を迎えるのであった。
脳裏に焼き付く衝撃的な結末に、心動かされること必至。かなり鬱々とした内容ながらも見応え十分で、何度観てもとにかく圧倒される。ディカプリオとウィンスレットの演技力には、ただただ目を見張るばかり。タイタニック以来の共演を果たした二人だが、本作こそ二人の代表作だと思う。この夫婦の様に、地に足が着かない生き方って傍目では痛々しいのかも知れないが、あるあると理解できてしまう自分がいるのも確か。自分達は特別な存在なんだと信じて疑わない、いわば中二病って感じ?拗らせると大変な事になっちゃうのは万国共通かしら?