チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

エレクトラウーマン&ダイナガール

クリス・マーズ・ピリエーロ監督作「エレクトラウーマン&ダイナガール」("Electra Woman and Dyna Girl" : 2016)[DVD]

地方でスーパーヒーローに扮し、市民を守る為の地道な活動を続けていた女二人組が、スーパーヒーロー専門エージェントに見出され、互いに衝突しながらも、人気者になるべく奮闘する様を描くスーパーヒーロー・コメディ作品。

 

学生時代から親友同士のロリとジュディは、オハイオ州の小さな町で一緒に暮らしながら、それぞれスーパーヒーロー「エレクトラウーマン」と「ダイナガール」に扮して、コンビで市民を守る活動を数年間続けている。かつて伝説のスーパーヒーロー達が、市民を守る為に、超能力を駆使して命がけでスーパーヴィランと戦い、勝利を収めた「シャドー・ウォー」に強く影響を受けての事だが、二人には超能力が無く、その代わりに自家製の武器と腕っ節で、果敢に悪党達に挑む日々を送っている。近所に住む年下のバーニスは、そんな二人の活躍を評価せず、邪険に扱うが、二人はバーニスを適当にあしらう。ロリは、ハリウッドのスーパーヒーロー専門のエージェント会社CMMに所属し、華々しく活躍する「スターレッタ」や「メジャー・ヴォント」らに対抗心を燃やす一方で、自分達の活躍ぶりを市民が気にかけてくれない事を嘆く。ジュディは超能力が無くても、市民の為に働き、町を守ってきた事を誇りに思うべきだと諭す。

ある日、二人はおんぼろな車エレクトラカーに乗って、コンビニへ買い物に訪れる。そこへ拳銃を所持した男二人組の強盗が押し入り、ロリとジュディが対峙する。ジュディは相手の武器を奪う自家製の武器「ダイナサクション」を発射し、男の右腕ごともぎ取って撃退する。二人は功績を動画に収めてSNSにアップする。

その夜、動画がネットで評判となった事で、CMMが二人に面談を打診してくる。ロリはCMMと契約し、人気者になれる展望が開けた事に歓喜するが、ジュディは自分達の活動は金儲けの為では無いと主張する。ロリは今のままでは家賃すらろくに払えないと反論し、オハイオから抜け出し、世界を変え、その上、稼ぐ事ができると諭す。ジュディは人気者になっても関係が変わらないままでいる事をロリに確認する。

二人はエレクトラカーではるばるハリウッドのCMM本社に訪れ、エージェントのダンと面談する。ダンは自らがヴォントを見出し、世界一の売れっ子ヒーローに仕立て上げた事を明かすと、二人にロゴの変更と、ファンに受けの良い「ギャングに両親を殺された」という生い立ちを設ける様に求め、ブランド戦略の必要性を説くが、ジュディはそれらに難色を示す。ダンは二人を武器開発担当のフランクのラボに招く。フランクは犯罪撲滅用のデータ分析装置「クライムスコープ」を紹介すると、二人に新しい戦闘用のスーツと、地球上のどこでも通信可能で、強力な電子ビームを発射する腕輪型兵器「エレクトラコム」を提供する。ダンは人生は一度きりだと説き、すぐにでも活動を開始する様に二人に促す。ロリはジュディの意向を無視し、即座にCMMとの契約を決めると、エレクトラコムがあれば本物のヒーローになれるとジュディを説き伏せる。

翌日、ロリはこれまでの古い武器と決別し、ダイナサクションをも破壊する。そこへダンから連絡が入り、最初の仕事として朝の情報番組への出演を命じられる。二人は意気揚々と番組に出演し、エレクトラコムをお披露目するが、ダイナガールは助手として添え物の様な扱いを受ける。番組の途中、スタジオの目の前で武装した強盗団が現金輸送車を襲撃する。ロリとジュディは即座に駆け付け、エレクトラコムを使用して見事に強盗団を撃退する。その様子は全米にテレビ中継され、好評を博す。

その夜、ダンは新ヒーローの誕生を祝し、クライアントとヒーロー達を招いて盛大にパーティを開催する。集まった皆が二人の功績を讃えるが、ここでもダイナガールは助手扱いされ、エレクトラウーマンばかりが注目される。ヴォントはジュディに対し、上から目線で、活躍が幸運だっただけだと侮蔑する。一方、ヴォントのパートナーで冴えない風貌の「ウィングマン」はジュディに対し、自分も助手扱いだと明かし、親近感を示す。ジュディは、ロリが中学時代にいじめられっ子だった自分の味方になってくれた事を明かし、それ以来正義の為に一緒に戦っているパートナーだと主張する。ウィングマンは自らもまたヴォントとそんな関係だった事を明かす。

その後、エレクトラウーマンとダイナガールは多くのメディアに取り上げられ、一躍有名になるが、常にエレクトラウーマンばかりが主役であり、ダイナガールが助手扱いされ続ける事に、ジュディは不満を募らせる。そんな折、ファンが色んな能力を有するヒーロー達と触れ合えるスーパーフェスが開催される。ロリとジュディもサイン会を開く運びとなり、大勢のファンが詰めかける。しかし、ロリは親しくなったスターレッタと遊び呆けて、サイン会に遅刻し、ジュディはそれを非難する。ロリはジュディが不満ばかりを口にし、この好機を楽しもうとしない事を批判する。ヴォントは二人の人気ぶりが気に入らず、二人に対してヒーローの真似事だと悪態をつく。ロリとジュディはそれを無視するが、ヴォントは先輩に敬意を払う様に命じる。ダンはそんなヴォントが出演していたエナジードリンクのCMに、ロリとジュディが取って代わる事になった事を明かす。

その直後、ウエスト・ハリウッドに謎の女スーパーヴィラン「エンプレス・オブ・イーブル」が舞い降り、包囲する警察の銃撃を物ともせず、強力な念動力で街の破壊を始める。ジュディは集まったヒーロー達になんとかすべきだと主張するが、皆一様に怖気付いて戦いを拒む。ジュディはかつてスーパーヴィランと戦った先輩ヒーロー達に倣い、自分達で団結して倒そうと発破をかける。ヴォントはそれを無視して瞬間移動し、エンプレスと対峙する。ところが、ヴォントは早々にエンプレスに胴体を貫かれて殺される。

翌日、ロリはジュディと共に報道番組に出演し、エンプレスと戦う決意を示す。出演が終わると、ロリはクライムスコープでエンプレスの所在を調べてもらっている内に、エナジードリンクのCM撮影に臨む意向を示し、ジュディも渋々応じる。ロリとジュディは監督からCMのコンセプトの説明を受けるが、ジュディはそのセクシー要素満載の演出ぶりに反発し、成功する事だけを考えて大事な事を忘れているとロリに説く。ロリは誰もが夢見る様な待遇なのにジュディがずっと不機嫌でいる事を非難する。ジュディは自分が無視されているからだと反論するが、ロリはチャンスを逃したくないと応じる。ジュディは冷静になってから話し合う事を希望するが、ロリは自分に従わないのなら、スーツと名前を変えて出直す様に要求する。二人は諍いの末に、仲違いしたまま別れる。

ジュディはCMMに戻ると、フランクにエンプレスの調査を依頼した後、その足でヴォントが殺された現場を訪ねる。そこへエンプレスが現れ、ジュディを連れ去る。ロリはその様子をファンがアップした動画で確認すると、撮影を投げ出し、ジュディの救出に向かう。フランクはクライムスコープでジュディのエレクトラコムの位置を確認し、それがCMM内である事をロリに報せる。

ジュディはCMMの地下倉庫内に拘束され、エンプレスの正体がバーニスだと知る。エンプレスは誰もが憧れるヒーローは山ほどいて退屈だが、スーパーヴィランは世界で一人だけだと説くと、ロリとジュディよりも自分の方が人気者に向いているのだと主張する。またエンプレスは、ロリとジュディがLAに引っ越した後に能力に目覚めた事、脳が急激に進化し、皮膚の分子構造を変化させ、どんな凶器をも跳ね返す無敵の体になった事を示す。一方、ロリはウーバーでCMMに向かう道すがら、ジュディがいなくなって初めてその正しさに気付いたと吐露する。

ロリはCMMの地下倉庫に辿り着き、ジュディを発見するが、ロリもまたエンプレスに拘束される。エンプレスは二人のエレクトラコムを破壊すると、ダンが自らのエージェントであり、二人を捕まえ、捜索や救助の様子を大衆に見せるというシナリオがダンの物である事を明かし、その場を後にする。ロリとジュディは互いの非を詫び、和解する。そこへ偶然、倉庫に好物のスープを取りに来たフランクが現れ、二人を発見し、救出する。

二人はスーツを装着すると、フランクが完成させたばかりの新生エレクトラカーでエンプレスの元へ向かう。二人はエンプレスと対峙すると、エレクトラカーに装備されたエレクトラガブラスターを起動するが、その矢先に車体ごと吹き飛ばされ、大破する。ロリはエンプレスに肉弾戦を挑むが、弾き飛ばされ、傍の青果店に突っ込む。その際、ロリはバーニスがアレルギーを有するピーナツを見つけ、一計を案じる。ジュディがエンプレスの不意を突いて口を開けさせ、ロリがその中にピーナツを投げ込む。エンプレスはたちまちショック症状を起こし、持参するアドレナリンの注射を打とうとするが、皮膚に針が通らず、全身が膨張した末に木っ端微塵に破裂する。ロリはフランクに修理してもらったダイナサクションをジュディに返すと、自分達には変化が不要だったのだと説く。二人はダンの元へ向かう。

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