これ一冊手元にあれば、靖国神社を語るのに十分だという程に、本質的な事柄が網羅してある良書。「英霊」とは何を指すのか、英霊を「奉慰顕彰」するとはどういう事か、小泉や安倍が行ってきた靖国参拝のどこに問題があるのか、靖国と千鳥ケ淵戦没者墓苑、アーリントン国立墓地の本質的な違い、今後の靖国神社のあるべき姿等々、目が醒める様な潔さで解説がなされている。靖国神社を論じるならウヨサヨ問わず、まず一読すべきだと思う。僕自身は数年前、オフシーズンに一度しか訪れた事が無いので、現在の靖国事情を良く知らないのだが、昨今の靖国神社はネトウヨの聖地の様相を呈しているらしい。彼らはさながら英霊を出汁にして、承認欲求を満たす様なゲスい集団だという。そんな彼らのマスターベーションの材料にされている英霊を思うと、虚しさだけが募る。手元にあれば、とは言ったものの、図書館で借りて読了したワケで、いずれ購入しようかなと(汗)