チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主

スティーヴン・ソマーズ監督作「オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主」("Odd Thomas" : 2013)[BD]

霊能力を持った青年が、悪霊が人々にもたらす惨劇を未然に防ぐべく奮闘するアクション・ホラー作品。

カリフォルニア郊外の町ピコムンドで暮らすオッド・トーマス(アントン・イェルチン)には、母親譲りの奇妙な霊能力があった。オッドには死者の霊が見える為に、犯罪や事故で死んだ者達がしばしば彼の元を訪れた。オッドは死者の無言のメッセージを頼りに、その原因の究明や犯人の捜索を行う事を自らの使命と考え、ダイナーでコックを生業とする傍ら、町の平和を守る為に日々奮闘していた。定住を拒むオッドはアパートで生活していたが、そんな彼の良き理解者で心強い協力者が、恋人ストーミー(アディソン・ティムリン)と警察署長(ウィレム・デフォー)だった。アイスクリーム店のマネージャーを務めるストーミーは、オッドの幼馴染であり、互いに運命を共にすると誓った相手同士だった。署長はオッドの能力が公にならない様に常に配慮し、オッドの働きには惜しみないサポートをしていた。

ある夜、オッドは顔の無いボウリングシャツを着た集団と共に、何者かに射殺される夢を見た事で、何かの予兆を疑う。翌日、オッドはダイナーでボダッハの出現を目の当たりにする。ボダッハは人間の流す流血を糧にし、惨劇の起こる直前には決まってその臭いを嗅ぎ付けて異世界から現れる悪霊で、オッドにだけ見える存在だった。ボダッハは奇妙な風貌をした客の男を取り巻く様に何体も現れ、オッドはその男に何かしら事件が起こる事を確信する。

オッドはロバートソンというその男を家まで尾行し、留守を見計らって内部へ侵入する。屋内は見るからに怪しげな物が散乱していたが、オッドはファイルの1つから、ロバートソンが8月15日に何かを計画している可能性を見出す。部屋の一角でオッドは異世界への穴を発見し、そこからボダッハが現れる。オッドは辛うじてやり過ごすが、その直後、何者かが家を訪ねてきた為に、オッドは逃走する。署長はオッドから事情を聞き、2人の警察官ヴァーナーとエクルズをロバートソンの監視に付ける。

オッドとストーミーが教会でデートをしていると、ロバートソンの襲撃を受ける。オッドとストーミーはロバートソンの追跡を逃れ、夢で見たボウリングシャツを手掛かりにボウリング場に向かうが、手掛かりは無かった。署長からの指示でヴァーナーが到着し、オッドから事情を聞く。オッドは同僚のヴァイオラがオッドと同じ夢を見ていた事を気掛かりに思い、彼女の家を訪れる。そこでヴァイオラの子供達を取り巻くボダッハの姿を見て、町から出るように促す。その夜、オッドはエクルズの恋人リゼットが犬に襲撃されている現場に遭遇する。偶然出会した男が犬を追い払おうとしたが、間に合わずリゼットは死ぬ。その犬はロバートソンの家にいた犬とそっくりだった。

帰宅したオッドは、室内のバスタブでロバートソンの腐敗した射殺体を発見する。オッドは教会で見たロバートソンが霊だった事に気付き、ロバートソン以外の何者かが惨劇を起こそうとしていると推測する。オッドはロバートソンの死体を廃墟となった町外れの刑務所内部に隠す。惨劇前日のその夜、町には大量のボダッハが徘徊し始める。更に、署長が何者かにより銃撃され、重傷を負う。オッドは再びロバートソンの家に赴き、PCで悪魔崇拝のサイトにアクセスしていた痕跡を発見すると、そこへロバートソンの霊が現れ、家を爆破する。オッドはその足で、ロバートソンの死体を確認しに訪れ、POD(プリンス・オブ・ダークネス)のタトゥーを発見する。それはヴァーナーの腕にあったタトゥーと同じだった。

ヴァーナーとロバートソンの共謀を確信したオッドは、ストーミーのアイスクリーム店の入るショッピングモールに急行する。オッドは監視室で武装した覆面男を倒すと、それはエクルズだった。モール内には夥しいボダッハが集まり始め、その直後、銃声が鳴り響き、人々が一斉に逃げ始める。ストーミーの店の目前には、機関銃を乱射する覆面の男がいた。オッドはボダッハの抵抗に遭いながら、エクルズから奪った銃で男を射殺する。その男はリゼットが犬に襲われた時に現れた男だった。幸いストーミーは無事だった。そこへリゼットの霊が現れ、導かれるままに向かうと、倉庫前のトラックに大量の時限爆弾を発見する。そこへヴァーナーが現れた為に、オッドはトラックを運転し、人気のない場所を目指す。ヴァーナーの猛追を受けながら、オッドはヴァーナーもろともトラックを郊外の道路上で爆発させる。辛うじて助かったオッドは、病院に搬送される。

その後、ヴァーナーとエクルズがカルト宗教にハマっていた事、それを察知されない様に警察官となっていた事が判明する。ロバートソンとリゼットの死は彼らによる犯行だった。オッドは町の平和を守った英雄として、市民の大歓声の中、退院する。ストーミーと2人きりで穏やかな日々を過ごすオッドを、署長が訪ねてくる。署長はストーミーがモールで死んだ事をオッドに諭す。オッドはストーミーの死を受け入れられず、霊を本人だと信じ込んでいたのだった。オッドはストーミーを解放し、別れを告げると、あの世へ送り出す。後日、オッドはピコムンドを離れ、ベガスへ向かう。いつかストーミーと話した使命を果たすために・・・。

 

いまいち評価が芳しくない本作なのだが、期待値が低かった事もあって、個人的にはかなり面白かった。低予算系B級ホラーの部類で、序盤は確かに安っぽい印象を受けたものの、ストーリーはなかなかオリジナリティがあるし、二転三転する展開が良い。ボダッハというオドロオドロしい悪霊と直接やり合うワケでは無く、奴らをある種のサインとして利用するという設定も良い。ボダッハが見えている事がバレると殺されかねないから、オッドはひたすら気づかないフリをするのである。終始コメディ調だが、最後はシリアスに纏める意外性。アディソン・ティムリンを本作で初めて見たが、とてもキュートでホットな女優だ。もっと活躍して欲しい。

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