チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

死霊館 エンフィールド事件

ジェームズ・ワン監督作「死霊館 エンフィールド事件」("The Conjuring 2" : 2016)[BD]

霊的現象の調査を行う夫妻が、ロンドンのある民家で発生した、悪霊の介在が疑われる通称「エンフィールド事件」を究明すべく、身命を賭して奮闘する様を描くホラー作品。

 

1976年、ウォーレン夫妻は教会の要請を受け、悪霊が棲みついているとされる、ニューヨーク州アミティビルのラッツ家にその真偽を確かめる為に赴く。その家では、ロッツ家が入居する前に、ロニー・デフェオによる彼の家族全員を惨殺する事件が起きており、彼が法廷で証言するところに拠れば、悪魔に憑依されて操られていた可能性があるという。ロレインは霊視により、デフェオによる惨殺を追体験し、殺された霊魂に地下室へと導かれた後、姿見から現れた尼僧の悪霊に襲われ、エドが死ぬ予兆を見る。ロレインはその経験を地獄に擬え、恐れ戦く。後に一連の出来事はアミティビル事件として大々的に報じられ、ウォーレン夫妻はマスコミの餌食となった挙句、懐疑派の識者達による苛烈な批判を浴びる。

1977年、ロンドンのエンフィールド。ペギー・ホジソンはグリーン通りの住宅街に立つ古びた家で、4人の子供と共に慎ましく暮らしているが、離婚した夫からの養育費が滞り、家賃の支払いもままならぬ程に困窮する。ある晩、11歳の次女ジャネットは友達と作ったウィジャボードを姉マーガレットと共に二階の寝室で試す。二人は霊に語りかけるも反応が無く、諦めて眠りに就く。その後、ジャネットは居間で目を覚まし、マーガレットはドアを叩きつける不可解な音を聞く。

翌晩、マーガレットはジャネットが悪夢に魘されたと思いきや、突然起きて、壁の隅に向かって会話しているのを目の当たりにする。ジャネットはそれが家の所有者と主張する男だと説き、その直後にマーガレットもその老人の悍ましい声を聞く。一方、水を飲む為に起きたビリーは廊下のテントの中に何者かが隠れているのを察知し、ペギーに助けを求める。ペギーは一階から聞こえる物音の原因を探りに向かい、居間の隅に置かれた古い革張りの安楽椅子に座るジャネットを見つける。ジャネットは寝ぼけて歩いたのだと明かす。

翌日、ジャネットは発熱の為に学校を休み、居間でテレビを見て過ごす。その最中、ジャネットはチャンネルが勝手に切り替わり、リモコンが安楽椅子に移動するのを目の当たりにし、老人の霊にそこが自分の家だと怒鳴り付けられる。

一方、エドは夢の中に現れた悍ましい顔の尼僧を絵に描く。ロレインはそれがロッツ家で見た尼僧と同一だと悟るが、それを明かさず、今後しばらくは霊的現象の調査を受けない意向を示し、エドに理解を求める。

夜、ジャネットは寝ている間に歩き回らない様に、腕をロープでベッドに縛り付けて眠る。その後、ジャネットはベッドから落ちて目を覚ますと、ドアを強く叩く音を聞き、部屋の外へ様子を覗いに行く。ジャネットは居間の椅子がひとりでに揺れるのを目の当たりにすると、ベッドに逃げ込むが、何者かが歩み寄る足音を聞いた後、シーツを剥ぎ取られ、肩に噛み跡を付けられる。更にベッドが激しく振動を始めると、ジャネットはマーガレットと共にペギーに助けを求める。ペギーはタンスが勝手に動くのを目の当たりにすると、子供達を連れて向かいのノッティンガム家に駆け込む。家長ビックに調査を依頼された巡査二人もまた、ホジソン家で同様の超常現象を目の当たりにすると、手に負えないと判断し、知人の神父に連絡する意向を示す。

一方、ロレインは自宅で寛いでいる際に、娘ジュディの前で悪夢へと引きずり込まれる。ロレインはロッツ家の地下室で尼僧の悪霊と対峙すると、名前と目的を問い質す。悪霊は再びエドの死を示唆する。ロレインは錯乱状態で聖書にペンで書き殴った後、正気を取り戻す。

程なく、テレビ局の報道担当ケントがペギーに接触し、心霊現象の取材を申し入れるが、ペギーはそれを拒む。ケントはペギーの足元を見て、助けを得られる絶好の手段だと説き、同意を得る。ケントは心霊現象研究教会の技術コンサルタントのモリスと、心霊現象に異議を唱える超心理学者アニータの立ち会いの下、居間でジャネットとマーガレットにインタビュー撮影を行う。ケントが老人の霊に話しかけると、ジャネットに霊が憑依し、同時に超常現象が生じる。ジャネットの声色が老人のそれに変わると、老人は72歳のビル・ウィルキンスを自称し、そこが自分の家だと主張する。ビルは安楽椅子で死んだものの、墓から戻ってきた事、一家を脅かして楽しんでいる事を明かした後、憑依を解く。

それ以後、ホジソン家は怪奇現象の家としてマスコミに取り沙汰される様になる。一家はノッティンガム家に身を寄せる。夜、一家が居間で揃って眠りに就いた後、ビリーは愛犬用のドアベルの音で目を覚ます。ビリーがドアを開けてやると、犬はビリーの所有するゾートロープに描かれていた「へそ曲がり男」に変化する。ビリーが家族の元に逃げ込むと、へそ曲がり男は悪霊に取り憑かれたジャネットへと姿を変え、超常現象を起こした後、泡を吹いて倒れる。

ホジソン家における一連の事件が神父ゴードンを通じて、ウォーレン夫妻に伝えられる。ゴードンはエンフィールドの件が英国版アミティビルとして囃し立てられているものの、確証が無ければ教会は関与できない事を明かし、夫妻にロンドンに渡って三日間で真偽を確かめて来る様に依頼する。ロレインはそれに難色を示す。エドは一家を放ってはおけないと主張するが、ロレインはエドの死の予兆を見た事を明かし、調査を続ければ死ぬという悪魔の警告だと説く。エドはロレインの能力が授かりものであり、神がそれを見せたのは理由があるのだと諭し、一家を助けられると奮起させる。ロレインは立会人の域を出ず、危険と判断したら教会に任せて手を引く様に請い、エドはそれに応じる。

12月21日。ロンドンに到着したウォーレン夫妻は、モリスと共にホジソン家を訪ねる。ペギーはジャネット以外の子供達をノッティンガム家に預けると、超常現象が相次ぐジャネットの寝室を鎖で施錠する。ロレインはジャネットに直接聴取を行うと共に、自らの過去の神秘体験について明かし、頼れる味方が一人でもいれば奇跡が起きると説く。ジャネットは皆に気味悪がられ、行き場を無くし、疲弊している事を明かす。ロレインは、異常だと思わせ、不安にさせる事で霊の力を強めるのが敵の狙いだと説く。ジャネットは悪霊がロレインを殺すと言っている事を伝える。

ウォーレン夫妻はペギーとモリスを同席させ、居間でジャネットに対する霊的現象の検証実験を試みる。エドはジャネットを安楽椅子に座らせると、水を口に含ませ、尋問を始める。ジャネットは皆が見ている前では悪霊が話さないと言っている事を明かし、皆に背を向けさせる。その直後に超常現象が生じ、ジャネットの声色はビルのそれに変わる。エドが一家を解放する様に命じると、ビルはそこが自分の家であり、家族に会いに来たが見つからないのだと説く。エドは次の段階に進む様に促すが、ビルは神や天国について信じていない事を明かす。エドが十字架のネックレスをかざすと、ビルは拒否反応を示し、「助けて…放して…」と喚いた後、ジャネットの憑依が解ける。ロレインはジャネットの声色の変化が腹話術では無いと断定するも、霊的な要素が一切感じられない理由を測りかねる。

その夜、ウォーレン夫妻はホジソン家に部屋を借りて泊まり、ジャネットはペギーと共に眠る。その後、ジャネットは居間の天井に張り付いた状態で目を覚ますと、ビルに施錠された寝室へと引きずり込まれ、襲われる。ペギーはジャネットの悲鳴で目を覚ますと寝室に駆け付け、ビルの姿を目の当たりにする。間もなく駆け付けたウォーレン夫妻はペギーに解錠させ、カーテンで窒息寸前のジャネットを救出する。

翌日、ウォーレン夫妻はモリス、アニータと事件への対応について協議する。モリスは家主の父親がビルであり、安楽椅子で脳出血により死んだ事を明かし、ジャネットの話が真実だと主張する。アニータはそれに疑義を呈し、空中浮揚を捉えた写真もジャンプしているだけであり、また、霊を見たのもペギーだけだと主張する。エドは瞬間移動と声色について見解を求める。アニータはそれがペギーが役所から補助金を引き出す為の偽装工作だと説く。エドは世間が背を向けた時こそ、常識を超えて信じるべきだと主張するが、確たる証拠が無い為に手を拱く。モリスはつてを通じて、撮影機材を手配する意向を示す。

ウォーレン夫妻は家族の絆を結び直し、霊の力を弱めるべく、ホジソン家に子供達を呼び戻させ、一家団欒を促す。エドはギターで子供達が好むプレスリーの「好きにならずにいられない」を弾き語るなどし、和ませる。モリスはロレインに対し、娘を事故で無くした後に不思議な体験をし、それが合図であれば救われると考えている事を明かす。その後、エドは故障により冠水した地下室の洗濯機の修理を買って出る。ペギーはエドに迫る何者かを察知し、それを指摘した矢先に、ビルの悪霊に水に引きずり込まれ、腕を噛まれる。エドは水の中に入れ歯を見つけ、それは噛み跡の欠けた部分に一致する。

一方、ジャネット達は居間でクリスマスの飾り付けを行う。その最中、ジャネットはキッチンに霊がいると指摘する。長男ジョニーは一人で追い払いに行く。次の瞬間、ジャネットはジョニーの前に姿を現すと、ドアを封鎖し、キッチンを荒らし回る。騒ぎを聞きつけたエド達はドアを壊して中に押し入り、ジョニーを救出する。その直後に、ビルの憑依したジャネットが、キッチンの傍の空洞に押し込まれた状態で見つかる。エドが十字架を突きつけると、ジャネットはビルの声色で「アレが…くれない…」と喚いた後、正気に戻る。

そこへアニータが現れ、キッチンの様子を隠し撮った映像を一同に示し、ジャネットが素手で荒らし回った後、偽装工作までしていた事が判明する。エドはこれでは教会が手を引くと判断し、調査を中断する意向を示す。ペギーは失望の余り、一同を家から追い出す。モリスはウォーレン夫妻を引き留めようとする。ロレインは霊の存在を感じないと説き、また、エドは工作は事実だと説く。モリスは全てが嘘とは限らず、まだ信じていると主張するが、ウォーレン夫妻は後ろ髪を引かれる思いでホジソン家を後にする。マーガレットはキッチンを荒らした事について、ジャネットに問い質す。ジャネットは霊に殺すと脅され、皆を追い払う様に命じられた事を明かす。

ウォーレン夫妻は帰りの列車に乗り、出発を待つ。ロレインはジャネットの工作に疑義を呈す。エドはバッグから落ちた録音テープに兆候を察知すると、ビルの発した二つの喚き声をレコーダーで再生し、「助けてくれ、アレが、自分を、解放して、くれない」と伝えていた事が判明する。その途端、ロレインはビルのもたらしたビジョンを見る。それによりロレインは、ビルが悪魔の操る手先に過ぎず、霊視がその悪魔に妨害されていた事に気付き、また、授けたり因んだりする、誕生の時にあった、死ぬまでついてまわるものが悪魔を追い払う方法だと知る。夫妻はビックの車で直ちにホジソン家に戻る。一方、ジャネットは悪霊に取り憑かれ、ペギー達を家から閉め出す。

ウォーレン夫妻は悪魔を追い払う方法が、その名前だと悟る。ホジソン家に到着すると、エドは裏口から屋内へ侵入する。ロレインはエドを追うが、扉が見えない力で閉められ、エドと隔てられる。ロレインはエドを失う怖れを示し、自分を待つ様に請うが、エドはそれを振り切り、ジャネットを助けに向かう。エドは床を破って一階へ上がった矢先に、蒸気を浴びて視界を奪われる。ロレインはかつて予知夢の中で尼僧の悪霊から聞き出し、聖書に書き殴った文字の事を思い出し、悪魔の名前がヴァラクだと知る。その時、ホジソン家の前の木に雷が落ち、幹が鋭く裂かれると、ロレインは予知夢が示したエドの死をもたらすのがそれだと悟る。

エドはジャネットの悲鳴を頼りに二階へ上がると、テントの中のゾートロープから現れたへそ曲がり男の襲撃を躱し、寝室に辿り着く。憑依されたジャネットが、裂けた幹を目掛けて窓から飛び降りると、エドは既のところでジャネットを掴むも、自らも転落しそうになる。ロレインはビックが斧で叩き割った扉から中に入り、寝室に駆け付けると、壁の隅に潜む尼僧の悪霊と対峙する。悪霊は魔力でロレインがエドを助けようとするのを阻む。ロレインはヴァラクの名を呼び、地獄に戻る様に命じる。悪霊は悪魔としての姿を露わにした後、地獄に引きずり込まれて消滅する。ロレインはエドとジャネットを引き揚げ、救う。

夜が明け、現場に救急車が駆け付ける。治療を受けたエドは、子供の頃から自分を救ってくれている十字架のネックレスをジャネットに託し、大人になったら必要とする人に渡す様に促す。帰国後、エドはホジソン家から回収したゾートロープを収蔵品の一つとして棚に保管すると、居間で「好きにならずにいられない」の音楽に乗せてロレインと踊る。

その後、「エンフィールド事件」は最も信憑性が高い心霊現象と認められる。ペギーは晩年までその家に済み続け、2003年に安楽椅子で息を引き取る。40年前にビルが亡くなった様に。

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