チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

パワー・ゲーム

ロバート・ルケティック監督作「パワー・ゲーム」("Paranoia" : 2013)[BD]

ライバル企業への潜入スパイを命じられた男が、やがて謀略に翻弄されていく様を描くクライム・スリラー作品。

IT企業ワイアット・モバイルのエンジニア、アダムは野心家で成功に飢える青年。しかし、親の世代が富を収奪し、若者世代はチャンスすら与えられず、貧しいままを強いられる硬直化した社会構造を憂いていた。アダムの住むブルックリンと、川向うのマンハッタンはその象徴だった。アダムは7歳で母を病気で亡くし、以来、父フランクと二人暮らしだったが、フランクも肺気腫を患い、高額の医療費をなんとか保険でカバーしている状況だった。しかし、会社の経費削減により保険が一部解除されてしまい、アダムに出費が重くのしかかってしまう。

そんな時、社内で社長ワイアットに直接プレゼンする機会が訪れる。アダムはようやく巡ってきたチャンスをモノにしようと意気込み、チームと共に練った会心の力作をプレゼンするが、ワイアットに一蹴されてしまう。アダムはワイアットに若者のニーズが分かっていないと楯突くが、ワイアットは携帯電話の考案者としての自負があり、アダムに反論の余地を与えない。結局、アダムのチームは全員解雇されてしまう。アダム達は会社のカードを使い、最後の夜を高級クラブで盛大に飲み明かす事に決める。アダムはクラブで女と出会い、成り行きのまま、一晩を過ごす。翌朝、目覚めたアダムに対して女は素っ気なく、遊びだったと告げる。女は富める側の人間だった。

女と別れると、アダムはワイアットに強引に呼び出される。ワイアットはアダム達の1万6千ドルにも及ぶクラブでの高額な使い込みを追求する。その上でアダムに、ワイアットのライバルである世界最大のIT企業アイコンに潜入する様に命じる。アイコンの社長ゴダードはかつてワイアットが師事した男で、携帯の小型化を可能にしたアイコンの創設者だった。しかし、アイコンから独立したワイアットを潰そうと画策しており、ワイアットはアイコンが極秘に開発を進めるスマホ「オキュラ」に関する情報を盗み、反撃を企てようとしていた。詐欺罪で捕まるか、アイコンに潜入するかの選択を迫られたアダムは、ワイアットに高額な報酬を約束され、潜入の命令に応じる。

ワイアットの側近ジュディスに伴われ、ワイアットの邸宅へ到着したアダムは、アイコンの幹部登用に相応しい高級品を充てがわれ、身なりを整える。アダムはアイコンの雇用担当幹部のトムとの面談に臨むが、そこにはクラブで出会った女エマが同席していた。エマはアイコンのマーケティング部長だった。アダムはトムにワイアットでの実績を評価される一方、エマに対しては初対面を取り繕う。アイコンへの幹部採用が決まると、アダムはワイアットに高級住宅を用意され。同時に50万ドルの報酬を受取る。アダムはジュディスからエマの詳細な経歴を知らされ、接近して利用する様に命じられる。

アイコンに出社したアダムは専用のオフィスを用意され、早速、タイプXという新端末に搭載する3DPSの用途をゴダードにプレゼンする事になる。アダムは兵士の位置確認に有効利用できると判断し、ワイアットでのチーム仲間だった親友ケヴィンに相談を持ちかける。ケヴィンは3DPSをメールで送信できる形に転用し、更に盗聴できる様に改良する。アダムはゴダードに3DPSのプレゼンを行い、軍への導入を提案する。ゴダードはチームで開発に当たる様に命じ、国防総省にも援助を要請する。ゴダードに評価されたアダムは、週末に郊外の別荘で行われるパーティに招かれる。ケヴィンがアイコンの面接に臨む事になり、アダムに手心を加える様に依頼する。

食事会に訪れたアダムは、エマがオキュラの販売戦略部門のチーフだと紹介される。ワイアットの側近ミーチャムに再三、報告を催促されたアダムは、ゴダードの屋敷内で手がかりを探る。そこにゴダードが現れ、ワイアットと共に働いていた頃を懐かしく語る。ゴダードはワイアットとの競争が革新を生むと考えていた。屋敷を出たアダムはエマと互いの家庭環境について語り合い、意気投合する。エマを家に送ると、再び関係を持ち、悟られぬ様にエマのPCからオキュラに関する情報を盗み出す。

アダムが帰宅すると、FBI捜査官ギャンブルが待ち受けていた。ギャンブルはワイアットを5年間調査しており、アダムと同じようにアイコンに潜入した後、不審死した男がいると打ち明ける。アダムが同じ轍を踏む前に協力する様に求めるが、アダムは断る。フランクはアダムに事情を問い質すが、警備員を32年間勤めたものの、医療費に事欠き、社会に諦観する父を負け犬だと突き放す。

アダムはワイアットの元を訪ね、オキュラの情報を手渡すと、潜入から降りたいと願い出る。しかし、ワイアットはデータでは無く、試作機を手にし、ゴダードのビジョンが見たいと言い、フランクが人質になっている事を告、アダムを脅す。アダムはオキュラが保管されている金庫室のセキュリティを突破する為に、エマの指紋を手に入れる。一方で、アダムはケヴィンの面接の件を失念しており、ケヴィンに失望される。

国防総省の援助が決まった見返りに、アダムはゴダードから高級車をプレゼントされる。ゴダードの昼食に同行したアダムは、オキュラに関する深淵なビジョンを聞く。そこへ偶然、ワイアットが現れ、ゴダードと互いに腹の探り合いをする。その後、帰宅したアダムは、ミーチャムから脅迫を受け、自宅があらゆる角度から監視されている事を知る。

翌日、ケヴィンが轢き逃げに遭うが、辛うじて重傷は免れる。ワイアットが本気だと察したアダムは、フランクに事情を話すが、フランクはFBIに連絡する様に促す。夜中、アダムはミーチャムの追跡に遭い、エマの携帯を入手する様に脅迫される。その後、エマが眠っている間に携帯を持ち出したアダムは、アイコンに入り、エマの指紋と携帯を使って、セキュリティを突破し、金庫室へ侵入する。ところがオキュラの試作機には盗難を察知する細工が仕込まれており、持ちだそうとしたアダムの前にゴダードが現れる。ゴダードはワイアットの計画を全て見透かしており、証拠を全て提出し、FBIに通報すると脅し、ワイアットの過半数の株と引き換えが条件だと告げる。エマに事情を知られたアダムは真実を打ち明け、不正を正すと誓う。

計画が失敗に終わった事で、アダムはミーチャムに襲撃されるが、逃走する。ケヴィンと会い、事情を説明し、詫びを入れると、協力してケリを付ける事にする。アダムはワイアットの元を訪ね、ゴダードの企みを打ち明け、証拠が全て揃っていると告げ、ジュディスが、ゴダードに内通する潜入スパイだと暴露する。

アダムはワイアットを伴い、ゴダードの元へ向かう。ゴダードは盗聴できない様に携帯を回収した上で、ワイアットの株を半値以下で売るように強請る。ワイアットは為す術無く契約書にサインをし、その場を後にする。ゴダードは真の狙いがワイアットのプロセッサだとアダムに打ち明ける。オキュラの完成にはそれが必要不可欠だった。ところが、ゴダードの携帯のメールに、かつてアダムが送信した3DPSのデータが残っており、そこからケヴィンが一部始終盗聴していた。アダム達はFBIとも連携を取っていた為、ゴダードとワイアットは逮捕される。アダムは協力の見返りに起訴を免れる。帰宅したアダムはフランクが正しかったと詫びる。その後、アダムはかつてのチームと共に、一から会社を起こす。アダムはエマをメンバーに誘い、マンハッタンと決別し、ブルックリンで生きていく決意をする。



新製品開発に鎬を削る大手IT企業が、ライバル企業を潰そうと産業スパイを送るのだが、その盗む情報が最新型スマホという当たりが現代風な感じ。アイコンやワイアットという企業は、規模的に言えばアップルの様な企業に近いのだろうが、社風は旧態依然とした昔ながらの組織に見えた。もちろんアップルの実際の社風なんて知る由もないが。社長のゴダードハリソン・フォード)が坊主頭にTシャツ+ジーパンという、ジョブズさながらな格好しているのは笑ったが、その実とても強欲な男で、世界最大の企業のトップにしては卑小な存在だった。しかし、一般的に開発中の試作機はあんな風に、仰々しい警備態勢で保管されているモノなのだろうか。その割にはあっさりと突破されてしまったワケだが。その最新スマホというのも、地に足の着いたデザインでは無く、どこかSFチックでやや萎えた。それにしても、イケメンで頭脳が冴えて仕事もデキるってのは納得いかん(笑)

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