チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ケース39

クリスチャン・アルバート監督作「ケース39」("Case 39" : 2009)[DVD]

社会福祉士の女が、被虐待女児に関与する内に、女児に宿る悪魔と対峙していく様を描くホラー作品。

保護局で社会福祉士として多忙な日々を送るエミリーは、同時に38件の案件を抱えながらも、上司のウェインから追加の案件を依頼される。担当する女児はリリス・サリヴァン(リリー)。食欲が無く、学校で居眠りしがちである事から、家族による育児放棄の疑いが報告されており、エミリーは早速、サリヴァン宅に面談に赴く。

リリーの両親であるエドワード、マーガレット夫妻は共に無愛想で、リリーを交えた面談にも非協力的な態度を示す。マーガレットはエドワードの言いなりで、エドワードはエミリーを終始睨みつけるという異常さに、エミリーはリリーへの虐待の可能性を疑い、局に戻ると、ウェインに報告する。しかし、証拠に乏しい事から、ウェインが取り合おうとしない為、エミリーは夫妻とリリーを局に呼び、ウェインを交えて、改めて面談を行う。エミリーは、リリーの成績が落ちている原因や、居眠りの理由について尋ねるが、夫妻が打って変わってまともに対応した為、ウェインは問題が無いと判断する。そこで、エミリーはリリーと2人だけで話す事をウェインに提案する。リリーは、両親に嫌われており、地獄に落とすと言われた事をエミリーに明かし、ウェインを交えてリリーに改めて事情を聴取する。しかし、リリーは両親の影に怯え、証言を躊躇い、夫妻と共に帰る。

ウェインがリリーの追加調査を禁じた為に、エミリーは親友の刑事マイクに相談し、警察に動いてもらう様に要請する。マイクは証拠が無ければ動けないとエミリーを諭す。後日、エミリーは下校直前のリリーを訪ねる。エミリーは、自分を頼りにするリリーに自宅の電話番号を教える。その夜、エミリーは、リリーから助けを請う連絡を受け、マイクに連絡し、サリヴァン宅に急行する。サリヴァン宅で落ち合ったエミリーとマイクは、リリーの悲鳴を聞くと同時に、屋内に押し入り、キッチンのオーブンで焼き殺される寸前のリリーを発見し、無事救出する。マイクは抵抗する夫妻を撃退し、逮捕する。

後日、夫妻には精神鑑定の措置が下り、エミリーは人間性の問題だと憤慨する。エミリーの恋人で心理学者のダグラスが、リリーのメンタルケアに協力し、リリーは保護施設で児童のグループセラピーに参加する事になる。リリーはエミリーに里親になって欲しいと哀願するも、エミリーは、手続きが煩雑な上、多忙で里親にも向いてないと告げ、一旦は拒否する。しかし、リリーは施設に入所後も尚、エミリーと暮らす事を切望した為に、エミリーは里親が見つかるまでの間、リリーと共に暮らせるように関連部署に掛け合う。

後日、申請が認められると、エミリーはリリーを自宅に招き入れる。リリーはエミリーとの生活を甚く喜ぶ。後日、エミリーは、リリーの私物を取りに、サリヴァン宅に再び訪れ、夫妻が寝室のドアに頑丈な鍵を付けていた事など、異様な実態を知る。

リリーとの生活が始まり、程なくして、エミリーが担当していた男児ディエゴが、両親を惨殺する事件が発生する。エミリーは10歳のディエゴには無理だと主張するが、マイクは育児放棄ゆえの犯行だと推断する。リリーが悲嘆に暮れるエミリーの気持ちを慮ると、エミリーは父を知らず、母に育てられた事を打ち明ける。後日、リリーはエミリーの私物から、エミリーが母と撮った写真を無断で持ち出す。エミリーは母が交通事故で死んだ事を明かすと、私物を持ち出さないように窘める。

事件当日の午前2時に、エミリー宅からディエゴ宅に電話があった事が判明し、マイクはエミリーに事情を尋ねる。エミリーは、セラピーで同じグループだったリリーがかけた可能性を疑い、リリーに真実を話す様に促すが、リリーは頑なに否定する。エミリーは拘置所のディエゴを訪ねると、電話の件を尋ねる。ディエゴは酷く怯えながらも、リリーから電話で脅され、それが男の声だったと証言する。

エミリーはダグラスにリリーのカウンセリングを依頼する。ダグラスは、恐怖を克服する為に正直に話す様にとリリーに促すが、リリーは逆にダグラスの恐怖について尋ねる。ダグラスがかつてスズメバチに襲われた経験を話すと、リリーは自らの恐怖が自分自身だと告げ、ダグラスの人間性を否定する。カウンセリングを終えたダグラスは、子供に対して初めて恐怖を感じたと、エミリーに打ち明ける。エミリーはリリーの人知れぬ本性を不審に感じ、リリーはそんなエミリーの変化を察知する。その夜、ダグラスは自宅で何者かからの電話を受けた後、夥しい蜂に襲われる幻覚に襲われ、その衝撃で死ぬ。

ダグラスの葬儀が終わり、エミリーの疑念は確信へと変わっていくが、警察は自殺と判断する。エミリーはディエゴの件と同質だとマイクに訴え、サリヴァン夫妻が鍵で何かを防いでいたのだと推察する。エミリーは局から夫妻の聴取記録を持ち出し、真実を探ろうと試みる。記録の中で、夫妻はリリーの誕生後、兄弟姉妹を次々に喪っており、リリーが悪魔の化身だと疑っていると証言する。

エミリーは収監中の夫妻の元を訪ねる。マーガレットは幻覚に苦しみ、面会できる状態に無いため、エミリーはエドワードとの面会に臨む。エドワードは、エミリーが善人だからリリーに選ばれ、優しさに漬け込まれたのだと告げると、リリーがなんでも予知できる悪魔の魂を持ち、人に地獄を見せ、絶望をもたらす存在だと主張する。

エミリーは帰宅するや否や、電話を取り外し、危険を及ぼしうる物は全て撤去する。更に、リリーの里親を早急に探す様に働きかけ、セラピーへの参加を取りやめさせる。その直後、エミリーはリリーに幻覚を見せられ、脅迫される。エミリーはマイクに相談するが、リリーが悪魔だという話をマイクは真に受けず、正気でないとエミリーを拒絶する。エミリーは自室に鍵を付け、自衛措置を取る。その夜、エミリーは幻覚に襲われ、逃げ出そうとすると、リリーが現れ、セラピーに再び参加させる様に要求し、服従を強いる。

翌日、リリーに里親が見つかったとの一報を受けたエミリーは、エドワードの元へ相談に訪れる。エドワードは、リリーを里親の元に行かせず、エミリーの手で殺すべきだと説き、睡眠中が数少ないチャンスだと教える。程なくして、エドワードは幻覚に襲われ、死亡する。エドワードの死を受け、マイクはエミリーの話を信用し、ダグラスが死ぬ直前に、エミリーの携帯でリリーがダグラスと通話をしていた証拠を掴むと、リリーの殺害に協力を買って出る。しかし、その直後、マイクは幻覚に襲われ、自殺する。その連絡を受けたエミリーは、リリーに家から出て行く様に命じる。リリーがたちまち本性を露わにした為、エミリーは自室に逃げ込むが、リリーはドアを破り、愛して欲しいと笑顔で迫る。

エミリーはカモミールティーに睡眠薬を入れ、リリーに飲ませる。リリーが眠りに就くと、エミリーは家に放火し、全焼させる。しかし、リリーは何事も無かったかの様に目の前に現れ、エミリーは呆然とする。エミリーは、警察に先導され、リリーと共に車で宿に向かう。走行中、エミリーは幻覚に襲われるが、恐怖に打ち勝ち、幻覚から逃れると、港に向かい、車両ごと海に突っ込む。エミリーは、悪魔と化したリリーを沈んだ車両に閉じ込めたまま、脱出に成功し、九死に一生を得る。

 

 

タイトルには深い意味は無い様で、平たく言えば悪魔憑きの女の子のハナシ。或いは悪魔そのものなのかも知れないが、子供思いで仕事熱心な社会福祉士が、その優しさ故に悪魔に付け入られてしまうと。電話で指示を与え、幻覚を見せ、自殺に追いやるという一連の流れが、攻殻機動隊の電脳ハックに似ていて興味深かった。割りと地味目なホラーで、ダグラスを夥しい蜂が襲うシーン辺りが演出上のピーク。悪魔の狙いがよく分からないし、案外あっさりやられるから、モヤっとするんだよなぁ。

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