チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

サスペリア

ダリオ・アルジェント監督作「サスペリア」("Suspiria" : 1977)[DVD]

バレリーナを志す若き女が入門したバレエ学校で、奇怪な事件の数々に遭遇し、やがて恐ろしい秘密に直面していく様を描くホラー作品。

バレリーナを志す若きスージーは、バレエ修行の為にニューヨークからはるばるフライブルクの名門バレエ学校を目指す。夜遅く、空港に到着したスージーは、土砂降りの雨の中、タクシーを拾って、エッシャー街にある学校へ向かう。タクシーが学校へ到着すると、一人の女が入り口で「秘密、扉の影に3つのアイリス、青を回して」と屋内の何者かに告げ、スージーとすれ違い、学校を後にする。スージーはインターホンで新入生である事を告げ、中に入れる様に請うも、通話を断たれてしまい、已む無く引き返す。その途中、スージーは車内から先ほどの女が逃げていく様を目撃する。その後、女は友人宅へ身を寄せる。そこで不穏な気配を察知した女が窓外を見やると、その途端、何者かに襲われ、惨殺される。

翌朝、スージーは改めて学校を訪ね、教師タナーと対面する。タナーは副校長のブランク夫人を紹介する。ブランクは校長が旅行中で、自らが代理を務めている事を明かす。学校には警察が捜査に来ており、ブランクはパットが校外に出て何者かに殺された事を明かすと、スージーは11時過ぎに女を見かけた事を伝える。

タナーはスージーを生徒達に紹介する。スージーは寮の部屋が空くまで、生徒の一人オルガの部屋に泊まる事にする。オルガはパットが問題児であり、放校されたのは自業自得だと主張する。スージーはパットが口走った独り言から「秘密」「アイリス」という二言を思い出し、オルガに伝える。オルガはパットが厄介事に首を突っ込んだのだと推察する。

翌日、スージーは初めてレッスンに参加する。ブランクは寮の部屋が空いた事を伝えるが、スージーはオルガの部屋に身を寄せる事を決め、固辞する。稽古場への移動の際、スージーは使用人の女とすれ違い、その直後に不調を来す。スージーはタナーに不調を訴えるが、タナーは力量を見たいと告げ、スージーにレッスンに参加する様に促す。やむを得ず練習に参加したスージーは、途中で鼻血を流して失神する。

スージーは寮の部屋に運ばれ、医師により強制的に投薬治療を受け、そのまま寮で生活する事を余儀なくされる。医師はスージーに食事制限を課し、赤ワインを飲むように命じる。

程なく回復したスージーの元に、隣室のサラが訪ねてくる。そこへ使用人のパブロが病人用の献立を運び込み、スージーは生徒達とは別に一人で夕食を取る事になる。その直後、天井からウジ虫が落下し始め、その階の寮室の生徒達は大騒ぎとなる。タナーが天井裏へ上がると、そこには夥しいウジ虫がおり、箱の中に保管してあった食料が腐敗し、発生源となっていた事が分かる。

ブランクは生徒らに謝罪し、緊急処置として稽古場を宿泊所として開放する。スージーは生徒らと共に稽古場に集い、眠りに就く。そこへサラが仕切りのシーツの向こう側から聞こえるいびきを指摘する。サラはかつて寮の客間で眠った時にいびきが聞こえ、後にそれが校長だったと知った事を明かすと、校長の旅行は嘘で、シーツの向こうに眠っているのが校長だと主張する。翌日、サラはタナーに校長が一緒に眠っていたのか尋ねるが、タナーはそれを否定し、校長の帰りが二週間後だと告げる。

その日、レッスンのピアノを担当する盲人ピアニストのダニエルの盲導犬が、校舎の外でブランクの甥アルベルトに咬み付き、負傷させる。ダニエルはありえないと反論するが、憤慨したタナーはダニエルを解雇し、校舎から追い出す。

その夜、スージーの部屋を訪ねたサラは、教師達の帰宅時間が靴音で確認できる事を伝える。スージーは靴音が出口とは逆方向に向かっており、校外では無く、校内のどこかに向かっていると主張する。サラはそれに納得すると、教師達の行き先がどこか突き止めるべく、靴音を数えてメモに書き留める。その頃、酒場を後にしたダニエルは夜道で邪悪な気配を察知し、その直後に突然凶暴化した盲導犬に咬み殺される。

翌日、スージーはダニエルの死を知り、学校が呪われているという噂を耳にする。スージーは事件が続いている事を不審に思い、ブランクにパットの独り言「秘密」「アイリス」について伝える。ブランクは警察に連絡し、それを伝える。

サラは、友達だったパットが死ぬ直前に教師以外の何物かと話していた事、ヒステリー状態で自分にも何かを話そうとしていたが怖くなって逃げた事をスージーに明かす。パットは生前、信じられない事が重なった為にそれをメモし、サラに託しており、サラは親友フランクにだけ、その事を話したという。

その夜、スージーが眠っているところへ、サラが訪れ、メモが消えている事を伝え、助けを請う。サラは教師達の行き先を探る鍵となるメモだけが残っている事を告げ、スージーに魔女を知っているか尋ねるが、スージーは昏睡する。不穏な気配を察知し、身の危険を感じたサラは、校外へ逃亡を図るも、何者かの追跡に遭い、罠にかかって殺される。

翌朝、スージーはサラが黙って消えた事をタナーから伝えられる。学校に不信感を抱いたスージーは、フランクに連絡を取り、学会ビルで落ち合う。精神科医のフランクは、サラの父親が旅行中で一緒かも知れず、帰りを待つように促すと同時に、サラが3年前に自らの患者だった事を明かす。サラは母の死で神経症に罹り、最近も友人に何かを離され不安そうだったという。更にフランクはサラが奇妙な発見をしていた事を明かす。

1895年に学校を創立したヘレナ・マルコスはギリシャ移民の魔女だった。人々を惑わす妖術を使っていたマルコスは、19世紀初めに欧州諸国から追放されたが、信奉者達からは黒の女王と呼ばれ、崇められていた。マルコスはこの地に来てからも噂を撒く事で、あちこちから資金を集め、バレエとオカルトの学校を創立した。しかし、学校はあらゆる限りの迫害を受け、1905年にマルコスは火事で焼死した。その後、学校は弟子が再建し、オカルトは排除され、バレエで有名になったのだという。

フランクは魔女に詳しいミリウス教授をスージーに紹介する。ミリウスは精神医学の重要課題と確信し、魔女だった女を研究した事を明かすと、魔女が魔力であらゆる悪事を働き、世界や人々の運命を悪い方向へ変える存在であり、物質的優位を追求する為に邪魔者を死に至らせると説く。ミリウスはマルコスが悪の才能に恵まれた伝説的な魔女だと告げる。

後日、スージーはタナーが自分以外の生徒を連れて外出した事を知る。スージーはパブロに用意された食事に不信感を抱いて捨てる。その直後、スージーは窓から侵入し、襲い掛かってきたコウモリを叩き潰すと、サラの残したメモを元に、教師達の行き先を突き止めに向かう。

スージーは辿り着いた先の部屋の壁に、3つのアイリスが描かれているのを発見すると、パットの言葉を思い出し、青のアイリスを回す事で隠し扉が開く。スージーは通路を辿って奥へ進み、その先の部屋でブランクが教師達を集め、スージーを殺す為に死の呪いをかけているのを目の当たりにする。その時、スージーはパブロに察知され、身を隠すと、傍でサラの惨殺死体を発見する。

逃げ込んだ先の部屋でスージーは、ベッドの上でいびきを立てて眠る何者かと遭遇する。いびきの主は目覚めると、侵入したのがスージーだと察知し、自らがマルコスだと明かす。スージーは刃物を手に取ってベッドに近づくが、そこにマルコスの姿は無く、不気味な笑い声だけが響き渡る。マルコスはサラのゾンビを招き寄せ、スージーを襲わせようとする。その瞬間、雷の明滅でマルコスの姿が露わになり、スージーはマルコスの喉を刃物で突き刺す。マルコスが息絶えると、教師達は悶絶し、校舎は崩壊を始める。校外へ脱出したスージーは、炎上する校舎を後にする。

 

 

先日、サスペリアPART2を観たので、ついでに本作も観てみる事に。両作は全く別物の作品なのだが、日本の配給会社のせいでややこしい関係となってしまっている。実際にはこちらの方がサスペリアPART2より後の作品で、純粋なホラーに近い作風である。40年近く前の作品だからそれなりに古めかしいものの、派手目な惨殺シーンと、ゴブリンによる風変わりなBGMの相乗効果で、印象的なシーンが多い。PART2はリマスター版だったが、本作はそういう処理が施されておらず、画質・音質共にビデオのダビングの様なクオリティで残念だった。これもリマスターすればもっと見応えのある作品になると思うんだけどな。

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