チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

死霊高校

トラビス・クラフ,クリス・ロフィング監督作「死霊高校」("The Gallows" : 2015)[BD]

夜の校舎に忍び込んだ高校生達が、かつて事故死した生徒の悪霊に襲われ、逃げ惑う様を描くファウンド・フッテージ型スーパーナチュラル・ホラー作品。

 

1993年10月29日、ネブラスカ州のビアトリス高校で演劇部の生徒達により「絞首台」が上演される。劇の最終シーンでは、身分を超えてメアリーと恋に落ちたオーガストが、強盗、偽証、姦通の罪に問われ、絞首刑に処される展開となる。オーガスト役のチャーリーは絞首台に上がり、首に縄を掛けられるが、装置の事故により底板が外れ、チャーリーは首を吊って死亡する。

2013年、ビアトリス高校では30年ぶりに「絞首台」を上演する事になり、演劇部が稽古と準備に励む。メアリー役にはファイファー、オーガスト役にはアメフト部を退部したリースが配される。アメフト部員でリースの親友でもあるライアンと、ライアンの恋人でチアリーダー部のキャシディは、卒業用の単位取得の為に、渋々ながら演劇部に協力させられる。

10月28日、上演を翌日に控え、生徒達は最後の稽古に臨む。撮影役のライアンはリースの拙い演技を見て嘲笑う。指導教師はライアンの不真面目な態度を咎める。客席には生徒の親達が稽古の見学に訪れており、ライアンはその中で毎日見かける女にインタビューし、それが20年前の出演生徒だと知る。また当時を知る別の親は、チャーリーに恋人がいた事や、劇場の照明が勝手に作動したり、ドアが施錠されたりと不可解な出来事が相次いだ事を証言する。

ライアンはリースがアメフト部を退部してまで、出演を決めた真意を訝り、仮病を使って辞退する様に促すが、リースは主役の責任があると反対する。ライアンはリースがファイファーに好意を抱いていると察知すると、それをファイファーに伝えると共に、リースがチャーリーの様に失敗すると告げる。ファイファーはその名が不吉であり、禁句とされている事を伝える。

ライアンはひょんな事から、屋外からステージに通じるドアの鍵が壊れており、久しく施錠されていない事を知る。ライアンは夜中にステージに忍び込んでセットを壊し、上演を中止に追い込む事をリースに提案する。リースは反対するが、ライアンは拙い演技で醜態を晒せばファイファーに嫌われると告げると、中止になって嘆き悲しむファイファーを慰める様に唆す。リースはライアンの説得に折れ、提案に応じる。

夜9時、三人は意気揚々と壊れたドアから学校に忍び込むと、明かりの付かないステージに上がり、カメラのライトを頼りにして、セットの破壊を始める。ライアンは悪ふざけでリースにオーガスト役を演じさせる。その最中、物音が聞こえ、三人は何者かが来た事を察知する。三人が様子を窺いに行くと、そこにファイファーが現れる。ファイファーはリースに学校にいる目的を問い質すが、リースは返答に窮し、ファイファーを失望させぬ為に練習するつもりだったと偽る。リースは誰かに見つかる前に出るべきだと促すが、ライアンはファイファーをやり過ごし次第、破壊を続行する意向を示す。その時、キャシディはケータイが何故か圏外になっている事に気付き、セットを戻して帰るべきだと主張する。一同がステージドアから外に出ようとすると、壊れているはずのドアが施錠されている事を知る。その後、校内の別の出口を回るも全て施錠されている事が分かり、一同は当惑する。

憤慨したキャシディは、ライアンとリースの企みをファイファーに暴露する。ショックを受けて逃げ出したファイファーを追って、一同はステージに戻るが、そこで外したはずの絞首台の縄と階段が元に戻っているのを見つける。一同は事務室に駆け込むと、電話を試みるが、不通になっている事を知る。脱出に用立てる物を探す最中、一同は隠し扉を発見すると、出口を求めてその奥へ向かい、通路を進んだ先の部屋で電源の入ったテレビを発見する。それは20年前当時のニュース番組を映し出し、チャーリーが上演中に装置の誤作動で事故死した事、チャーリーには恋人がいた事を伝える。ライアンは劇場に毎日来ている女がその恋人だと悟る。更にニュースは、チャーリーが元ハングマン役だったが、オーガスト役が急に病欠した為に代役として出演した事を伝える。リースはそのオーガスト役が父親のリックだった事に気付き、校内に掲示されている20年前の「絞首台」出演者の集合写真を参照に向かう。その最中、ライアンが逸れる。

ライアンは三人を探してメンテナンス室へ辿り着き、縄の軋む音を聞くと、上を見上げ、そこに首吊死体と思しき影を見つける。その時、キャシディの絶叫が轟き、ライアンはそれを頼りに衣裳部屋を潜り抜けて三人と合流する。リースはチャーリーが父の代わりに死んだのだと確信する。その時、天井から足音が響き始め、キャシディが突然首を吊り上げられる。キャシディの首には絞められた傷痕が付き、一同はパニックに陥る。ライアンとリースは互いに責任を擦り付け合う。リースは父から何も聞かされていないと訴え、ファイファーが二人の争いを制止する。

一同はステージ脇に空調ダクトを見つけ、そこから外に出ようと考える。憤慨したライアンは、挑発する様にチャーリーの名を連呼しながら、ハシゴでダクトへ上るが、異音が響き渡った後、振り落とされて脚を骨折する。三人はライアンを残して、手当をする為の道具を探しにステージを出るが、その途端に施錠され、ステージに戻れなくなる。その直後、ライアンはハングマンに縄で首を吊られ、ステージ上方へ引き上げられて姿を消す。

程なくしてドアが開くと、リース達はライアンの壊れた携帯だけを発見する。キャシディは首の傷痕が酷くなり、座り込んで啜り泣く。リースとファイファーはキャシディを残し、脱出する術を探して校内を彷徨う。リースが窓を割って出ようとした矢先に、いつの間にか施錠されたロッカーの中に入れられた携帯が鳴り始める。リースはロッカーを壊して電話に出ると、チャーリーがオーガストの台詞を語り始める。リースが演劇に出た事の後悔を口にすると、ファイファーは誘った事を詫びる。その頃、キャシディにハングマンが忍び寄り、首に縄を掛けて連れ去る。

リースとファイファーは火災報知機を鳴らし、助けが来るのを待とうとする。その直後、ハングマンが姿を現し、二人に襲いかかる。二人はハングマンの追跡を逃れ、ステージの天井裏に上がる。程なく、報知器が鳴り止むと、リースは助けが来たと確信し、ファイファーに降りる様に促す。その時、二人はライアンとキャシディの首吊死体と遭遇し、パニックに陥る。リースはファイファーに必ず守ると約束し、一緒に階下に降りる。

二人は施錠されたステージドアが開放されているのに気付くと、ステージを横切って出口に向かう。リースはドアから一旦外に出たものの、ファイファーが助けを呼んでいるのを聞きつけ、再びステージに戻る。リースがファイファーの傍に駆け寄ると、二人をスポットライトが照らし出す。二人は、チャーリーがオーガストとメアリーの最終シーンを二人に演じさせようとしている事を悟ると、台本どおりに事を運び、リースは絞首台に上がって縄を首にかける。リースはファイファーに演技を中断して逃げる様に促すが、ファイファーは取り憑かれた様にメアリーの演技を続ける。絞首台にハングマンが現れ、リースを処刑すると、ファイファーはハングマンと共に客席に一礼する。その様子を客席で見守っていたチャーリーの恋人で、ファイファーの母親アレクシスが拍手する。

それから間もなく、ファイファーの自宅に警官が突入する。警官は、屋内の部屋で「絞首台」の小道具の数々に囲まれ、取り憑かれた様子のアレクシスとファイファーを発見し、本部に報告する。警官がチャーリーの名を口にすると、ファイファーはその名を言ってはいけないと告げ、その直後、別室の同僚が縄で首を吊られ、更に警官は閉じ込められる。そこにハングマンが姿を現し、警官に襲いかかる。

 

 

ホラー作品としては最早定番となったファウンド・フッテージ。後発の作品にしては随分と平凡な作品という印象。低予算の割には映像面は程々に頑張っているとは思うが、学生達がワチャワチャやってるのをハンディとスマホで撮ってるだけなんだよなぁ。もちろん色々と計算し尽くした上でのカメラワークだとは思うが、恐怖感が圧倒的に足りない。ファイファーがかつてリースの父親が演じる予定だった役を、息子であるリースに演じる様に仕向け、意趣返しを図ったという事なのだろうが、リースは主演する事を父親に話さなかったのだろうか。或いは父親は過去を秘匿していたのだろうか。ファイファーが実はチャーリーの恋人の娘だと誰も知らなかったのだろうか。劇中で謎が明らかになっていくのだが、逆にモヤモヤは募った。まあこういうノリの作品も嫌いでは無いんだが(笑)一番チャラいライアンが最初に殺されたのは笑った。

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