チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ドローン・オブ・ウォー

アンドリュー・ニコル監督作「ドローン・オブ・ウォー」("Good Kill" : 2014)[DVD]

元戦闘機乗りのベテラン将校が無人攻撃機の操縦士に異動となり、道義に反する不本意な任務に従事する内に、心が蝕まれていく様を描くドラマ作品。

 

戦闘地域で無人攻撃機による標的殺人が最も激化した2010年。軍が無人機の操縦士を養成すべく、多くの新兵をリクルートする一方で、道義上の観点から市民の無人機に対する批判が高まっていく。元F16の熟練パイロットで、現在は無人機の操縦士を務めるトーマス・イーガン少佐は、ラスベガス近郊の空軍基地内に設けられた専用コンテナ内で、上官のジョンズ中佐の指示に基づき、アフガニスタンタリバン戦闘員の掃討作戦に従事する。現地に派遣されていた頃とは異なり、イーガンは日々の仕事を終えると、住宅街の自宅で待つ妻モリーと幼い息子トラヴィス、娘ジェシーに会う事ができ、家族と穏やかな暮らしを送れる事に喜びを感じながらも、再びパイロットとして戦闘機に乗る機会を切望する。

ある時、イーガンの相棒の副操縦士カルロスに薬物使用が発覚し、交代要員として有能な空兵のスアレスが新たに副操縦士に就く。イーガンは度々、ジョンズにパイロットとしての戦地派遣を志願する。ジョンズは理解を示しながらも、無人機の任務に専念する様に諭す。

イーガン、ジマー、クリスティ、スアレスからなるチームは夜勤担当として、アフガニスタン上空を偵察飛行し、任務を遂行する。ある時、イーガン達は標的捜索中に担当区域内の民家の使用人の女が、銃を持った戦闘員の男にレイプされるのを目の当たりにする。しかし、その男は標的では無い為、イーガン達は為す術もなく、臍を噛む。

イーガンは昇進を控えた時期に、パイロットとして戦場に復帰したいという意向をモリーに明かせず、その事を近所の同僚に打ち明ける。同僚は家族と毎日会える喜びを捨てる事になると説き、正気を疑われる。イーガンは無人機の任務に鬱憤を募らせる内に、モリーに隠れて酒を飲む量が増えていく。

モリーはイーガンが忍ばせていた退役に関する書類を見つけると、その事を問い質す。イーガンは戦闘機に乗れなかった場合の話だと諭すが、モリーは地上勤務になってからのイーガンの変わりぶりを指摘すると、基地で何をしているのか話す様に請う。イーガンはそれに難色を示すと、今のままでは昔の自分には戻れず、再び戦闘機に乗る事の必要性を説く。二人のすれ違いぶりに拍車がかかる。

後日、イーガンは担当区域の集落の中の爆弾製造が疑われる建物を爆撃し、その際、不運にも駆け寄ってきた二人の子供を巻き添えにしてしまう。自責の念に駆られたイーガンは、改めてジョンズに戦地に派遣して欲しいと請う。ジョンズはイーガンの心情を慮りながらも、弱気にならぬ様に諭すと、一日休暇を与える。

程なくして、イーガン達は不本意ながらも、CIAの通称ラングレーの指揮の下で特殊任務に就く事になり、CIAの交戦規定に基づき、従来の標的を絞った個別攻撃では無く、行動パターンに合致したもの全てを標的とする特徴攻撃を強いられる様になる。以後、イーガン達はラングレーからその都度、対象の行動パターンを通信で指示され、有無を言わさず攻撃を命じられる。

ある時、イーガン達は爆弾製造拠点と指摘された建物を爆撃する。ラングレーはその場に救助に集まってきた者達を先制的自衛措置と称して、続けざまに爆撃する様に命じる。スアレスはそれが戦争犯罪に当たると主張し、憤慨する。現実主義のジマーとクリスティは、そこが戦闘区域であり、自分達が米国をテロリストから救っているのだと説き伏せる。イーガンは不本意ながらも命令だと自分に言い聞かせ、指示に従う。

スアレスの提案で、チームが反目しあうのを避けるべく、勤務後に4人でラスベガスのクラブに繰り出す。イーガンはモリーとの馴れ初めをスアレスに語り聞かせた後、戦闘機に乗っていた頃の危険と隣り合わせの日々を述懐すると、今は毎日が快適な部屋でリモコンを操作するだけで良く、撃墜されてもまた飛ばせばいいだけで、臆病者になった様だと嘆く。

後日、イーガン達はイエメン上空を飛び、集落の中のアルカイダ支部を標的とする任務に従事する。イーガン達はラングレーが切迫した脅威と判断した集団を、記録に残さない形で排除する様に命じられ、やむを得ず、それに従う。スアレスは自分達がテロリストを製造しているのだと憤慨し、再びジマー、クリスティらと口論になる。その日の勤務後、イーガンとスアレスは現地地上軍の休憩中の上空からの見張りを追加任務として命じられる。イーガンは子供達を学校に迎えに行けなくなり、不満を募らせるモリーに、埋め合わせをする事を約束する。

後日、イーガン達はかつての戦闘員が、同じ使用人の女を再びレイプするのを目撃するが、任務外の為にどうする事もできず、苦悩する。イーガンはCIAの任務に従事する内に、次第に精神が疲弊し、モリーとの関係も悪化していく。そんな折、イーガンはモリーが近所の男と一緒にトラックに乗ってすれ違うのを目撃し、帰宅後、その事を問い質す。モリーは男との関係を否定しながらも、イーガンへの情熱が失われており、浮気をしようと思う事はあると説くと、イーガンがもう戦闘機には二度と乗れないのだと詰る。イーガンが不快感を示すと、モリーは不満を自分にぶつけぬ様に説き、戦闘が懐かしいのなら自分を殴れば良いと詰め寄る。イーガンは衝動に駆られ、モリーの傍の鏡を殴りつけて割り、家を飛び出す。

その後もラングレーによる無慈悲な任務は続き、イーガンは酒に溺れ、身持ちを崩していく。モリーはイーガンの只ならぬ様子を見て心配する。イーガンは、タリバン司令官の家を妻子がいると知りながら爆撃し、隣人達が彼らの死体を運び出し、墓地で葬式を始めたところに、司令官の弟が現れた為に、大勢の参列者と共に再び爆撃した事を明かし、自分がそんな仕事をしているのだと初めてモリーに伝える。

翌日、モリーはイーガンが酒を飲んで出勤しようとしている事に気付き、その不穏な様子を見て、助けが必要であり、病欠する様に諭す。イーガンはモリーの制止を振りきって強引に出勤する。ジョンズはイーガン達がラングレーの任務に反感を抱いている事に理解を示しながらも、それが国民と兵士達の為だと諭す。

イーガンはその直後の任務で、ラングレーの攻撃命令を操作ミスで欺き、意図的に標的を見失う。イーガンはジョンズにより命令に対する不服従を指摘される。ジョンズはCIAに追求される前に処分を下す必要に迫られ、イーガンを監視任務へと降格させる。時を同じくして、モリーは子供達を連れてリノに住む姉の家に行くとイーガンに告げ、別れを切り出す。

イーガンはモリー達の去った自宅に戻ると、酒を捨てる。程なく、スアレスもまた任務を外れた事を明かし、イーガンに連絡先を教える。イーガンは新たなチームで監視の任務に従事する。その最中、イーガンは、かつての戦闘員の男が使用人の女の元へ向かっている事に気付く。イーガンはチームのメンバー達に休憩を促し、コンテナの中で一人きりになると、記録を止め、男がレイプに及ぶ直前に爆撃する。イーガンは女が爆発の被害を免れ、無事だと確認すると、基地を去り、車でリノへ向かう。

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