チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ファインド・アウト

エイトール・ダリア監督作「ファインド・アウト」("Gone" : 2012)[BD]

かつて何者かに誘拐、監禁された後、命からがら生還した女が、突然失踪した妹もまた誘拐されたと確信し、自らの手で手掛かりを掴むべく奔走する様を描くスリラー作品。

 

復活祭直後のある晩、ジルは素性の知れぬ男に誘拐された後、森林内の深く掘られた縦穴の中に、ガムテープで縛られた状態で監禁された。ジルはその穴の底に無数の白骨化した遺体を発見した。その後、ジルは男の不意を突いて何とかその穴から脱出し、オレゴン州ポートランドの東に広がる国立森林公園内で、凍死寸前の状態で保護された。ポートランド警察署の殺人課は、ジルの証言に基づき、森林内の大規模な捜索に乗り出した。しかし、何一つ証拠は得られないばかりか、ジルの家に侵入した形跡もジルに対する性的接触の痕跡も無く、またジルが犯人の男を見ていない事が分かると、全てがジルの妄想だという疑いが強まり、捜索は打ち切られた。ジルは数年前に両親を相次いで亡くした事で心を病み、精神病棟の入院歴があったからである。ジルは証言の矛盾を指摘されると暴力的になった為、再び精神病院に数ヶ月間強制入院させられた。退院したジルはポートランドの閑静な住宅街の一角に移り住むと、精神科医のカウンセリングと服薬を続けながら、ダイナーでウェイトレスとして働き始めた。その傍ら、ジルは連続誘拐犯に繋がる穴の場所を見つけ出すべく、広大な森林公園を独力で探索し始めた。その内、唯一の肉親であり、大学院生の妹モリーが、家賃の節約と称して、ジルの家に同居する様になった。

ジルの誘拐からおよそ一年後の金曜日。期末試験を翌日に控えたモリーは勉強に励む一方で、犯人探しに腐心するジルを慮り、自らの恋人ビリーとそのいとことの明晩の夕食への参加をジルに打診する。ジルはそれに難色を示す。ジルは自分の車の代わりにモリーの車を借りて、いつもの様に護身用の格闘術の教室に参加した後、深夜勤のシフトに入る。勤務中、ジルは自分を見つめる帽子を被った見慣れない男に気付くが、男が多めのチップをくれた事に気を良くする。

早朝に帰宅したジルは約束通り、モリーを起こしに行く。しかし、モリーの姿はどこにも無く、勉強道具はそのままで、書き置きや着替えた形跡も無ければ、携帯に応答も無く、施錠はしっかりされており、更に両親がモリーに贈ったピアスの片方が落ちていた事、家族写真の一枚が抜き取られていた事から、ジルはモリーが自分の代わりに誘拐されたのだと確信する。ジルはこれまで独自に集めた資料一式と護身用の拳銃を携え、警察署を訪ねると、一年前の自らの誘拐事件を担当した刑事パワーズに掛け合い、モリーが同じ男に誘拐され、また他にも同じ様に失踪した女が大勢いると訴える。パワーズに加え、上司ボーズマン、部下ロンズデールは、今回も誘拐の形跡が無い事から、妄言と見做して真剣に取り合おうとせず、月曜までモリーの帰りを待つ様に促す。憤慨するジルに対し、配属されたばかりの新任刑事フードは、密かに調べる意向を示し、連絡先を伝える。パワーズはジルに帰って休む様に促す。

ジルから報せを受けてやってきたビリーもまた、ジルの主張に疑義を呈しながらも、正午から始まる試験にモリーが出席するか確かめに行く意向を示す。ジルは向かいの家に住む男を訪ね、バイクを盗まれたと称して、夜中に不審な人や車を見なかったか尋ねる。男はジルの家の前に鍵屋の営業車が停まっていた事を伝える。ジルは男から聞いたその車の特徴から、該当する営業車を見つけ出すと、尾行して、その鍵屋に押しかける。店を営む父ヘンリー、息子ニックのいずれも夜中に営業車を使った事を否定する。ジルは無断で営業車の中に押し入り、前日にガムテープ、ビニールシート、ロープ、灯油、ランプを購入した工具店のレシートを見つける。そこへニックが駆け付けると、ジルは拳銃を突きつけ、レシートについて問い質す。ニックは昨晩、荷物を運びたいと言う面識の無いディガーと称する男に、営業車を数時間貸した事を明かし、ディガーが長身で帽子を被っていた事を伝える。ジルは直ちに工具店へ向かう。

ジルに銃で脅されたとの鍵屋からの通報を受け、パワーズはジルに連絡し、強制入院させられた者は銃を持つ事を禁じられており、直ちに出頭しなければ逮捕されると警告するが、ジルは説得を諦めて連絡を絶つ。フードもまたジルに連絡し、自らがジルの担当になったと欺いて協力する意向を示し、懐柔を図ろうとするが、ジルはそれをも拒否する。事態を憂慮するボーズマンはパワーズ達にジルの逮捕を厳命する。それを受け、ジルはパトロール中の警官達に緊急手配される。ジルはビリーから連絡を受け、モリーと研究室の仲間のトレイが試験を欠席した事を知る。

ジルは工具店を訪ねると、アルツハイマーを患う祖父が昨夜から戻らないと偽り、同行していた人物について店主に訪ねる。店主はジルの提示したレシートの購入品目を見て、それが40代くらいの男であり、古くて大きいワインレッドのクライスラーに乗っていた事、その車の大きさが災いして「ロイヤルホテル」を追い出されたと話していた事を明かす。一方、巡回中の警官が工具店の前に停まったジルの車を見つける。ジルは店を出ようとした矢先に、車を調べる警官を目の当たりにし、店の裏側のトイレの窓を壊して脱出する。ジルは住宅街に逃げ込み、追ってきたパトカーをやり過ごす。ジルはその足で大学の学生寮にトレイを訪ねるが、モリーが来ていない事を知る。パワーズはジルを取り逃がした事に苛立ち、交通機関の制御をフードに命じる。

ジルは警察の捜索網を掻い潜って、古びた雑居ビルの一角を占めるロイヤルホテルを見つけ出すと、ディガーが居たと思しき部屋に忍び込む。ジルは既にもぬけの殻となった室内で、監禁されていた時のガムテープと、自らが勤めるダイナーのマッチを見つける。ジルは昨晩自分を見つめていた男がディガーだと確信する。そこへホテルの管理人の男が様子を見に来る。男はディガーが仕事で北へ転居すると話していた事を伝える。ジルは持ち合わせの金で男から車を借り、同僚シャロンの家に向かう。

間もなく、心配した主治医から連絡が来る。ジルは誘拐が妄想では無く、モリーを救えるのは自分だけだと訴える。主治医はそれを信じるふりをし、話し合いに応じる様に諭す。ジルはそれがパワーズ達の差し金だと見抜き、連絡を絶つ。ジルはシャロンに会うと、事情を伝え、昨晩店に来た男について尋ねる。シャロンはジムと称するその男が、一人暮らしの無職で近々引っ越す予定だと話していた事を明かし、ジムから受け取った電話番号をジルに手渡す。ジルはシャロンが止めるのを聞かずに、ジムを探しに出かける。やがて、日が暮れる。ジルは警戒中のパトカーに見つかるも、辛うじてこれをやり過ごす。署にシャロンからジルについて連絡が入る。一方、フードは母の看病と称して署から姿を消す。

ジルは車を乗り捨て、再びシャロンの家に戻ると、今捕まれば病院送りにされ、その間にモリーは殺されてしまい、いつか自分が正しかったと証明されても一生後悔するのだと説き、車を貸して欲しいと哀願する。シャロンはジルを信用し、車を貸す。ジルは車を出すと、ジムに電話をかけ、誘拐犯だと指摘する。ジムはそれを否定すると、誰にも信じてもらえないジルの精神状態を慮り、二人きりで会う事を提案し、場所を指示する。ジルはそれに従って、森林公園内のパークレンジャー事務所に辿り着く。その時、ビリーが連絡を入れ、モリーが戻ってきた事を報せる。ジルはモリーに代わる様に促す。ビリーはモリーがシャワー中であり、泥酔して寝過ごし、バツが悪くて出てこれなかったと代弁する。筋書きを書いたロンズデールが署に連絡する為に離席すると、ビリーはジルの家の周辺が警官に包囲されており、モリーでは無く、ジルを探している事を明かす。ジルは誘拐犯に会いに行くと伝えて連絡を絶つ。その直後にパワーズが連絡を入れ、かつて強制入院中のジルの容態を慮って、自らがモリーを世話の為に一緒に住まわせた事を明かす。

再びジムから連絡が来ると、ジルは指示に従って、林道を更に奥へと進む。ジムはどうやって穴から逃げ出したのか尋ねる。ジルは日没後に「時間だ」と告げて、ロープで降りてきた男の肩に、遺体の骨を刺し、一目散に逃げた事を明かすと、犠牲者に何をしたのか問い返す。ジムはそれに答えず、徐々に電波が届かなくなる。ジムは最後に、行き止まりで車を降りて、小道を進む様に命じる。ジルはそれに従い、ライトと拳銃を携え、森の奥へ向かう。

間もなく、ジルはテントを見つけ、その中でモリーを含む、テープで縛られた女を撮った複数の写真を目の当たりにする。ジルは人の気配を察知し、傍にあるランタンの方へ歩み寄る。一方、ジルの家の縁の下で、ガムテープで縛られた状態のモリーが目を覚ます。モリーは自力でテープを解いて外に逃れたところを、ビリーに発見され、保護される。モリーは殴られて注射を射たれたと証言し、ジルを信じなかったパワーズ達を詰る。

ジルはランタンの傍に開いた縦穴の底に、モリーのパジャマを着た人形を見つけ、覗き込んだ矢先に、下に潜んでいたディガーに引きずり落とされる。ディガーはまた二人きりだと告げると、かつてジルが突き刺した骨で襲いかかる。ジルは咄嗟に銃撃で退け、穴を脱すると、ロープを引き上げ、モリーの居場所を問い質す。ディガーは助けてくれたら教えると答える。ジルはディガーに銃撃を続ける。ディガーは縁の下に生きたまま置き去りにした事を明かす。ジルは命乞いするディガーに灯油をかけ、ランタンを投げ入れて焼き殺す。間もなく、ジルはパワーズから、モリーが無事に保護されたとの報せを受けると、拳銃を森に投げ捨てて帰途に就く。帰宅したジルは、モリーと抱き合い、耳打ちで真実を伝えて安心させると、パワーズ達に対しては妄言だと取り合わなかった事を逆手に取って、誰もいなかったと欺く。

後日、ボーズマンの元に匿名で封書が届く。それにはジルがテントで見つけた写真の数々と、穴の位置を記した森林公園の地図が収められており、ボーズマンは直ちにパワーズを呼ぶ。

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