チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

ゴジラ

本多猪四郎監督作「ゴジラ」(1954)[DVD]

相次ぐ水爆実験で棲家を追われ、日本に姿を現した伝説の怪獣ゴジラの脅威に対処すべく、奮闘する学者達の姿を描く怪獣作品。

 

8月13日の夜、硫黄島近海の洋上で、南海汽船所属の貨物船、栄光丸がSOSを発信した直後に消息を断つ。その一報を受けた子会社、南海サルベージの尾形は海上保安庁へ赴く。その後、現場に急行した貨物船、備後丸もまた遭難する。程なく、現場海域で遭難した船員の内、三名が漁船に救出される。その内の一人はいきなり海が爆発したと証言する。船員を乗せた漁船は大戸島を目指すが、その漁船もまた途中で遭難する。

その後、大戸島の漁村に船員の山田政治が筏に乗って漂着し、何かにやられたと証言する。奇しくも漁村では原因不明の大不漁が続いており、村の老人の一人は、村に古くから伝わる恐ろしく巨大な怪物「ゴジラ」の仕業だと主張する。

その夜、島は激しい嵐に見舞われる。その最中、どこからともなく地響きが轟き始める。政治の弟、新吉は母と政治の制止を振り切って、屋外の様子を見に行く。その直後、新吉は巨大な怪物の足が自宅を踏み潰すのを目の当たりにする。

翌朝、村では死者9名、家屋の損壊多数という甚大な被害の実態が明らかとなる。村長の稲田は、島民達を率いて国会へ災害陳情に赴く。特別委員会において、新吉は確かに生物を見たと主張し、島に取材に訪れていた毎朝新聞の萩原もまた、単なる台風被害では無く、家屋が何かに押しつぶされたとしか考えられないと証言する。参考人に招聘された古生物学者の山根博士は、至急、調査団を編成し、現地調査を行う必要性を説く。

間もなく、山根の率いる調査団、尾形、尾形の婚約者で山根の娘の恵美子らが、海保の調査船で大戸島へ向かう。出発間際、尾形はめったに表に出ない旧知の間柄の芹沢博士が、港まで見送りに来ている事に気付き、その理由を図りかねる。

島に着くと、山根達は早速、災害の実態調査に乗り出す。村内では局所的な放射能汚染が確認され、また巨大な生物の足跡らしき陥没からはとりわけ高い放射線量が検出される。山根はその陥没の中で200万年前に絶滅したはずの三葉虫を発見する。その時、島にゴジラが出現し、山根達は体長50メートルに及ぶ怪獣の全貌を目の当たりにする。島民達がパニックに陥る中、ゴジラは間もなく、海へと帰っていく。

東京に戻った山根は、再び国会の委員会に出席する。山根は、ゴジラジュラ紀から白亜紀にかけて存在した種であり、これまでは海底に潜んでいたが、度重なる水爆実験により安住の棲家が脅かされた為に、地上に姿を現したのだと主張する。山根はその根拠として、三葉虫の殻から発見された砂がジュラ紀の特色を示す地層の物であると同時に、それから水爆由来の放射能を多量に検出した事を挙げると、ゴジラもまた相当量の放射性因子を帯びていると推測する。委員会は事の重大性と、それがもたらす内外への影響に鑑み、山根の報告を公表すべきか否かで紛糾する。

間もなく、政府は特別災害対策本部を設置する。一方、ゴジラの出現海域では、防衛隊のフリゲート艦隊による爆雷攻撃が実施される。その夜、ゴジラ東京湾に姿を現す。翌日、対策本部は山根を招聘し、ゴジラの生命を絶つ方策を問う。山根はそれが不可能だと説くと、寧ろ、その生命力を研究する事こそが急務だと主張する。

尾形は先の戦争で片目を失った芹沢の身を案じており、芹沢を山根の養子に迎え入れるべく、恵美子と共に説得の機会を探る。一方、萩原はスイスの特派員を通じて、芹沢の研究がゴジラ対策に活かせるのでは無いかという情報を入手し、芹沢の研究所へ取材に訪れるが門前払いされる。萩原はその足で恵美子の元を訪ね、芹沢への紹介を依頼する。

恵美子は萩原と共に芹沢の元を訪ねる。芹沢は萩原の指摘を否定した上で、研究についても黙秘を貫く。萩原が引き上げると、芹沢は絶対に秘密にするという条件で、命懸けと称する研究を披露すべく、恵美子を地下の研究室へ招く。恵美子はそこで、芹沢の悍ましい研究の成果を目の当たりにし、秘密を守ると固く約束する。

その夜、尾形は帰宅した恵美子の異変を察知する。山根が帰宅して程なく、東京湾ゴジラが再び出現し、防衛隊が機銃掃射で上陸の阻止を図る。山根達は高台に避難し、様子を固唾を呑んで見守る。ゴジラは上陸した後、橋や列車を破壊する等、多大な被害をもたらした後、海に帰る。

翌日、観音崎近海を移動するゴジラが確認され、京浜地区沿岸に警戒司令が発せられると、防衛隊は戦車と特車を多数出動させ、臨戦態勢を整える。東京では港区、品川区、大田区に完全避難命令が発せられる。山根は政府が貴重な研究資料であるゴジラの殺害ばかり考えている事に反感を抱く。尾形はそれに反対の意を示し、ゴジラが水爆そのものであり放置すべきでは無いと説く。山根は、その水爆を受けていながら、尚も生きているゴジラの生命の秘密を解く絶好の機会だと主張するが、理解しない尾形を突き放す。

間もなく、ゴジラは京浜地区に上陸を果たすと、強力な電流を帯びた鉄条網を容易く突破する。防衛隊は集中砲撃でゴジラを迎え撃つが、ゴジラはそれを物ともせず、建物を蹴散らし、白熱光で周辺一帯を焼き尽くしながら、進撃を続ける。戦車隊の攻撃も奏功せず、壊滅させられる。東京の街は火の海と化し、被害は拡大の一途を辿る。ゴジラは国会議事堂や電波塔を破壊した後、防衛隊の航空爆撃を逃れる様にして、再び海へ戻っていく。東京は都心部を中心に壊滅的な損害を被り、多数の死傷者が出る。 

翌日、山根を長とする対策研究班が設置される。病院で負傷者の救護を手伝う恵美子は、意を決し、尾形に芹沢の研究に関する一部始終を打ち明ける。芹沢は酸素の研究途上で、自らも恐怖を覚える程の思いがけないエネルギーを発見し、それを利用する事で酸素破壊剤「オキシジェン・デストロイヤー」、即ち、水中の酸素を破壊してあらゆる生物を窒息死させた後に液化させるという装置を開発しており、恵美子は水槽の中の魚達がオキシジェン・デストロイヤーで溶けてなくなる様を目の当たりした。恵美子はそれが兵器として悪用される危惧を指摘した。芹沢は装置が水爆同様に人類を破滅に導く可能性を認めながらも、社会の為に役立つ様にするまでは絶対に発表せず、それが叶わなければ死をもって研究を葬り去る決意を示したのだった。

尾形は恵美子と共に芹沢の元を訪ねると、オキシジェン・デストロイヤーの使用を要請する。芹沢は白を切るが、恵美子は全てを尾形に話した事を明かし、許しを請う。尾形は恵美子が東京の惨状を見かねた上での決断だと説き、理解を求める。芹沢は要請を頑なに拒否し、研究資料の隠滅を図ろうとするが、尾形はそれを制止し、現状を打破できるのが芹沢だけだと諭す。芹沢は現状ではオキシジェン・デストロイヤーが恐るべき破壊兵器に過ぎず、一旦使えば、原爆、水爆に次ぐ兵器として悪用される危惧を説き、そんな恐ろしい兵器を創りだしてしまった事の苦悩を露わにする。その時、テレビで学童少女達による平和を希求する祈りの合唱が中継される。芹沢はその歌を聞いて意を決すると、オキシジェン・デストロイヤーの使用が今回一度限りだと説き、設計図をはじめとする研究書類の一切を全て焼却する。

芹沢はオキシジェン・デストロイヤーを携行し、尾形、恵美子、山根らと共に、海保の巡視船でゴジラの潜伏海域へと向かう。やがて船は海底に潜むゴジラを感知し、その真上で停船する。芹沢は完全な状態で装置を作用させるべく、自らが海底に潜り、水中操作を行う意向を示す。尾形は芹沢を支援すべく、同行する事にし、二人は潜水服を着て海底へ向かう。

海底に降り立った二人は、休息状態のゴジラを発見し、接近を図るが、ゴジラに察知されてしまい、芹沢は尾形に船に戻る様に促す。尾形を見送った芹沢は、その場に留まり、装置を起動させる。芹沢はゴジラがオキシジェン・デストロイヤーの影響下に入ったのを見届けると、船上の尾形達に別れを告げ、ケーブルを切断する。ゴジラはもがき苦しんだ後、跡形も無く溶けて消え去る。船上では芹沢の勝利が讃えられる一方、尾形と恵美子は芹沢の死に悲嘆する。山根は水爆実験が続く限り、ゴジラの同類が再び出現する可能性を説く。船上の一同は海に向かって敬礼し、芹沢を弔う。

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