チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

愛を複製する女

バネデク・フリーガオフ監督作「愛を複製する女」("Womb" : 2010)[DVD]

愛する恋人を失った女が、遺伝子を基に恋人のクローンを産み、育てていく様を描くSFドラマ作品。

 

9歳のレベッカは親元を離れ、英国のとある海沿いの町で暮らす祖父の元に一時預けられる。程なく、レベッカはビーチで同じ年頃の無邪気な少年トーマスと出会う。二人はすぐに意気投合し、親密な関係を築く。やがて、レベッカは母親の仕事の都合で、急遽、東京に移り住む事になる。トーマスはフェリーで発つレベッカを見送りに行くと約束し、見せたい物があると伝える。しかし、当日、トーマスは姿を見せず、レベッカは後ろ髪を引かれる思いで町を離れる。

それから12年後、東京の大学を卒業し、エンジニアの職能を得たレベッカは、トーマスとの再会を切望して町に戻ってくる。レベッカは亡き祖父の家に身を寄せると、早速、トーマスの実家を訪ねる。トーマスの母ジュディスは、トーマスが堤防近くの入江にある小屋に住んでいる事を伝える。

レベッカはその足で小屋を訪ね、昔と変わらぬ無邪気なトーマスと再会を果たす。その場に居合わせたトーマスの女友達ローズは、自分をそっちのけで旧交を温める二人に腹を立て、トーマスの元を去る。トーマスはかつて見せたかった物について、小箱に入れたかたつむりを見せ、東京を見せてやろうと思ったのだと述懐すると共に、当日寝過ごして行けなかった事への後悔を伝える。二人は再び昔の様に意気投合する。トーマスは環境活動家グループの一員として、ゲリラ的な闘争に従事しており、対象への潜入、攻撃計画を目前に控えている事を明かす。レベッカはその作戦に賛同し、同行を希望する。

当日、二人は準備を整え、車で現地へ向かう。道中、レベッカはトイレの為に停車する様に請う。レベッカが車から離れた途端、その後ろで車から降りたトーマスが後方からやってきたバンに轢かれて即死する。悲しみに打ちひしがれるレベッカは、かたつむりの死骸が入った小箱の奥に、当時のトーマスが「いつまでも君を待っている」と記した紙切れを見つける。

レベッカはトーマスのクローンを出産する決意を固めると、トーマスの両親にそれを伝え、遺伝子複製組織採取同意書へのサインを求める。父親のラルフは同意するが、ジュディスは頑なに拒否する。結局、レベッカの熱意に折れる形で両親はサインに応じ、レベッカの代わりに町を離れる。程なく、レベッカは医療施設でクローンの人工授精の施術を行う。その際、施設職員として勤めるローズがレベッカの姿を目撃する。

妊娠期間を経て、レベッカは帝王切開によりトーマスを出産する。年月が経ち、トーマスはレベッカがかつて出会った年頃にまで健康に育つ。トーマスは父親について知りたがる様になり、レベッカは交通事故で死んだのだと教える。

一方、巷ではクローンで誕生した者はコピー人間と揶揄され、根拠も無く明確に差別の対象とされる様になる。レベッカはトーマスがクローンだと悟られぬ様に気を揉むが、ある時、ローズが意趣返しに吹聴した事で、事実が町の住民に知れ渡り、トーマスは露骨に疎外される様になる。レベッカはトーマスに真実を伝える事無く、トーマスと共に町を離れて、ビーチに立つ小屋に移住する。

青年へと成長したトーマスは、同じ年頃の娘モニカを連れ込み、同棲を始める。二人は公然とイチャつく様になり、レベッカは嫉妬心を募らせる。ある時、突然、ジュディスが小屋にトーマスを訪ねてくる。ジュディスは成長したトーマスと対面すると、何も語らずにその場を後にする。トーマスは只ならぬ事情を察し、その老女が何者なのか、レベッカに何度も問い質す。レベッカは明言を拒み続け、トーマスはいよいよ癇癪を起こす。モニカはトーマスの変化に心離れを起こし、小屋を出て行く。

レベッカはトーマスに真実を明かす様に請われ、かつて亡きトーマスが愛用していたPCを授ける。トーマスはその中に記録されている、オリジナルのトーマスの人生の一端を目の当たりにした事で、自己の根幹を揺さぶられ、戦慄する。トーマスはレベッカが一体何者で、なぜこんな事をしたのか、また、こんな人生をどうやって生きていけばいいのか、この気持ちが分かるのかと詰問する。レベッカはトーマスがこうして生きていると諭すが、トーマスはそれを拒絶する。トーマスは衝動に駆られてレベッカを犯し、レベッカはそれを受け入れる。トーマスはレベッカの処女を奪った事を知る。その後、トーマスは「母」では無く「レベッカ」に対して「ありがとう」と告げ、小屋を出て行く。

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