チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

「シン・ゴジラ」絶賛の旋風が吹き荒れる中、言葉にするのも憚られるが、心に刺さる要素が皆無の微妙過ぎる作品だった。

昨日は映画「シン・ゴジラ」を観てきた。予告トレーラーだけで微妙さがありありと伝わってきたから、スルーするつもりだったのだが、試写会で観てきたという人達の感想が概ね好意的だったというか、手放しで絶賛する様な内容だったので、ミーハーな俺は公開直前になって翻意したのである。ゴジラにさほど愛着があるワケでもなく、庵野監督の作品といえばエヴァシリーズだけしか観ていないのだが、仮に微妙だったとしても怪獣が登場するなら、それなりに楽しめるだろうと踏んだワケである。しかし、結論から言うと、予想を大幅に下回る微妙過ぎる作品だった。この言葉はできるだけ使うまいと心に決めているが、あくまで個人的な感想として「駄作」と言わざるを得ない。劇場で映画を観る際には、事前のネタバレを回避する為にネットの情報などを遮断するので、どんな評価が大勢を占めているのか知らなかった。映画を鑑賞している最中、しかも序盤の段階でこれはネットで相当非難轟々だろうと思い、観終わってからブログやら掲示板の書き込みやらを概観してみたら、どこも絶賛の嵐で、いかに自分が少数派なのか思い知らされ、愕然としてしまった。このまま行けば評価的にも、興行的にも大成功の様だが、俺には本当に全くハマらなかった。端的に言えば、巨費を費やしたB級SFコメディとしか思えず、これが「日本映画の最高傑作だ!」とか「ハリウッドを超えた!」だとか評されている事には違和感を禁じ得ない。逆に稀に見る駄作だと思う、本当に個人的に。庵野の作品を観に来ておいて、お門違いも甚だしいのかも知れないが、もっとストイックでシリアスな作品を期待していたから、それとの落差がハンパないコレジャナイ感を生じさせるのかも知れない。全てにおいて冗長な演出の数々と、延々と出続ける肩書や地名などのテロップ。随分と早い段階で出現するゴジラ初期形態のチープさ極まるデザイン。コントレベルの政治家と官僚達のやり取り。極めつけはバイリンガルな日系米国人を演じる石原さとみの絶望的な大根ぶりと、役柄のショボさ。将来の大統領候補ってお前マジかと。そこへ追い打ちをかけるのが、米軍の爆撃を浴びてゴジラが発光し、いよいよ本気を出すのかって、こちらの気分が幾分高揚させられたところで、背びれからビームがバシュバシュ放出されて、その上、ぐばぁっとクリーチャー感丸出しに開いた口から既視感ありまくりの白熱光ならぬビームを発射。まんま使徒じゃねえか。あるいは巨神兵か。この段へ来て、あぁなるほど、今作のゴジラ庵野のおもちゃに過ぎないんだなっと確信に至った。挙げ句の果てには、尻尾の先からも同様のビームが出る始末で、この辺まで来るともう何でもアリだと思える様になった。それで、そんな超絶人智を超えたゴジラはもう核でしか倒せんでしょっていう雰囲気が世界中で支配的になるワケだが、都合良く、ゴジラの弱点が発見されちゃう。そこからがまた微妙過ぎる展開で、あんな強大なゴジラを首尾良く転倒させてピヨらせ、口にイチエフを想起させる様な放水車で、ゴジラの血液を凍結させる薬剤をゴボゴボって作業ゲーじゃないんだから。シリーズとしては禁じ手の邪道だが、予定調和を崩して、今作は核を使用するのでは無いかとも予想したが、神殺しの妙技がゴボゴボからのカチーンとは恐れ入谷の鬼子母神。ピヨった状態のゴジラと同じくらい、こちらも開いた口が塞がらなかった。加えて、エヴァを彷彿とさせる露骨に媚び媚びのBGMが何度も流れるのだが、アニメでは無くリアル映像に乗せるとダサさ極まりなく、より一層コメディ感が増すから、もうやめてぇ~って感じだった。リアルさに徹底的に拘った割には劇中、皇族や国体護持に関する言及が無かったのも気になった。そのくせ、逃げ遅れた老人にフォーカスして、攻撃中止するイミフぶり。今作で良かったと思えるのは竹野内豊の演技くらいで、何をさておいても石原さとみは酷かった。イーオンがスポンサーだったりするのかしら。でも、こんな感想を抱くのが圧倒的に少数派ってのがゲンジツなんだよな。記憶をそっ閉じして次行くか。ちなみにエヴァの新作には期待しているし、劇場で必ず観る予定。ゴジラの続編はもう御免被りたい。

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