チラ裏レベルの人生記(仮)

自分が自分で無くなった時に、自分を知る為の唯一の手掛かりを綴る、極めて個人的な私信。チラ裏レベルの今日という日を忘れないように。6年目。

最後の猿の惑星

J・リー・トンプソン監督作「最後の猿の惑星」("Battle for the Planet of the Apes" : 1973)[BD]

猿による革命と人類による核兵器使用の後、壊滅した都市を離れて平和に暮らす猿達と、放射能汚染で変異しながらも、猿の絶滅を企てる人類との戦いの行方を描くSF作品。

 

北アメリカ。シーザー率いる猿達が企てた革命の後、人類は各地で核兵器を用いた戦争を繰り広げ、地球は荒廃する。数年後、シーザーを長とする猿の群れと一部の人間達は、壊滅と同時に放射能で汚染された都市を離れて町を作り、最も神聖な掟「猿は猿を殺すべからず」の下、原始的で平和な暮らしを営み始める。人間は猿とは対等に扱われず、主従関係を強いられる。シーザーはリザと結婚した後、一児を儲け、父由来のコーネリアスと名付ける。一方、ゴリラの軍隊を率いるアルドー将軍は好戦的で、日頃からシーザーと対立する。

ある時、学校で初等教育を担う人間のエイブが、授業に参加したアルドーの文字の拙さを指摘し、それが生徒達の笑い草となる。アルドーがエイブに悪態を付くと、エイブは、猿に奴隷時代を想起させる為にシーザーが禁句に指定した「ノー」という言葉でアルドーを咎める。シーザーの親友で上等教育を担うオランウータンのバージルは、アルドーに謝る様にエイブに促す。しかし、アルドーはエイブの弁解に聞く耳を持たずに激昂し、エイブを檻に入れ、罰を与えると主張する。そこへシーザーが駆け付け、バージルから事情を聞き、その場を執り成す。アルドーはシーザーに敵意を剥き出しにする。

孤児として育ったシーザーは、町の長として抱える苦悩について、見ず知らずの両親に判断を仰げない事への無念さを吐露する。革命以前からシーザーの理解者であり、町の人間の代表格のマクドナルドは、猿と人間の関係の見直しをシーザーに請う。シーザーは猿が人間に好意を抱き、理解と信頼が進めば、世界の終わりまで友達だと説く。マクドナルドは世界の終わりが近い事を指摘するが、シーザーは猿が支配していれば地球は時の終わりまで安全だと主張する。それを受け、マクドナルドは壊滅した都市の地下の保管所に、シーザーの両親の姿と肉声を収めた記録テープが残っており、その中で2人が地球の未来について証言しているらしい事を明かす。シーザーは両親の考えと知識に触れる事を熱望し、マクドナルドと、放射能の知識を有するバージルと共に、汚染された都市に赴く決意をする。

シーザー達は、武器庫を管理する老オランウータンのマンデマスに、知識追求の為の自衛と称して、機関銃と拳銃、放射能測定器を持ち出す許可を得ると、日の出前に町を出発する。三人は不毛な砂漠を超え、かつての都市の跡地に到達する。三人は汚染度の増す地下を通り抜け、間もなく保管所へ辿り着く。一方、都市の地下では、滅亡を免れながらも、放射能による影響で変異した人間達が隠れ住んでおり、長たるコルプ知事は司令室でシーザー達の侵入を察知する。コルプはシーザー達がやってきた目的を訝り、直ちに側近のメンデスに緊急警備を発令する。

シーザー達は大統領査問委員会のテープを発見し、スクリーンに再生する。シーザーは両親の姿と肉声を初めて確認すると同時に、地球がゴリラによって3950年に破壊される事を知り、その為にかつて人間が自らの出生を恐れたのだと悟る。バージルはその結末が数ある未来の一つに過ぎないと説く。シーザーは未来を変える事を望む。コルプは保安部隊にシーザー達の捜索と捕獲を命じる。メンデスはシーザー達を攻撃する事で、平和が潰える事を危惧する。

間もなく、シーザー達は人間の存在を察知し、逃走を図る。それを受け、コルプは部隊にシーザー達の射殺命令を発する。シーザー達は部隊の襲撃から逃れ、辛うじて都市を脱出する。コルプは部隊の失態に憤慨する。メンデスはシーザー達が攻撃してこなかった事から、平和の使者の可能性を説き、見逃す様に進言するが、コルプは猿が人間を全滅させる為に戻ってくる可能性を主張し、直ちに偵察隊を組織し、シーザー達を尾行する様に命じる。

シーザー達が町に戻ると、アルドーは禁止地帯の都市に行った理由をシーザーに問い質す。シーザーは自らの過去を探しに行き、自分達の未来を見つけた事を明かす。アルドーは自らが武力で未来を創ると主張する。シーザーはそれがすぐに過去になると一笑に付す。

程なく、人間の偵察隊は猿の町の傍まで到達し、町の様子を窺う。その頃、シーザーは旅の経緯について報告すべく、委員会を招集すると、都市に人間の生存者がおり、彼らが放射能による汚染で変異し、敵意に満ちていた事を明かすと、彼らに発見される日に備える必要性を説く。シーザーはマクドナルドを始めとする町の人間達を招き、危険を避ける為の助言を求めようとするが、アルドー達は人間の関与に強く反発し、委員会をボイコットする。

猿の町から戻った偵察隊は、コルプに町の位置とその様子を報告する。コルプは先制攻撃を企図し、出撃の準備を始めさせる。一方、リザはシーザーが革命の夜に人間と仲良く暮らしていくと誓った事を挙げ、人間と話し合う様に促すが、シーザーは都市の人間は町の人間とは異なり、放射能の影響で異常になっていると説く。

その夜、コルプは自ら軍隊を率いて出撃する。一方、コーネリアスは飼育するリスが逃げ出した事に気付くと、森へ探しに行き、そこで反乱を企てるアルドー達ゴリラの集会を目の当たりにする。アルドーは銃を手に入れ、権力を握り、人間と戦った後、シーザーを倒す決意を示す。その最中、アルドーは樹上のコーネリアスを見つけると、枝を刀で切り落とし、転落させる。アルドー達は直ちにその場から退散する。コーネリアスがいない事に気付いたリザは、森へ探しに行き、そこで致命傷を負ったコーネリアスを見つける。

夜が明け、シーザーは付きっきりでコーネリアスの容態を見守る。一方、マクドナルドは枝が折れたのでは無く、切り取られた痕跡を見つける。その頃、コルプ一行は砂漠を見張るゴリラ2人を砲撃で退け、進軍する。町に生還したゴリラの1人は、人間の軍隊が迫っている事をアルドーに報せる。アルドーはシーザーがいない間に長の座を取って代わると、戦闘準備を始めさせると共に、町に戒厳令を発出し、町の人間を檻に入れる様に命じる。更に、アルドーはマンデマスの制止を振り切り、武器庫から全ての銃火器を強引に持ち出し、ゴリラ達に武装させる。

バージルはアルドーの反乱をシーザーに報せ、町中の猿と人間がシーザーを必要としていると説く。その直後にコーネリアスは、自らを襲い、更にシーザーをも殺そうと企てている存在を示唆し、息を引き取る。シーザーはリザと共に慟哭する。間もなく、コルプの軍勢が町の前に到達し、攻撃態勢に入る。

シーザーはバージルに促され、人間達の入れられた檻に駆け付けると、アルドーに解放する様に命じる。その時、コルプの軍勢が一斉に砲撃を始める。アルドーはゴリラの騎馬隊を率いて姿を消す。シーザーはバージルと共に、即製のバリケードからコルプの軍勢にライフルで応戦し、他の猿達もそれに続く。猿達は劣勢を強いられ、多くの犠牲を払う。シーザーはバリケードの放棄を決意し、猿達に後退を命じる。コルプの軍勢は家々を破壊し、町に侵攻する。

シーザーは一計を案じ、猿達に死んだふりをさせる事で、コルプの軍勢を町の中に引き入れ、追い詰められた様に欺く。間もなく、シーザー達は敵の不意を突いて一斉に奇襲攻撃を仕掛け、敵を一網打尽にし、捕虜にする。コルプは僅かに残った部下と共に町から逃走を図る。アルドー率いる騎馬隊はシーザーの生け捕りにせよとの命令に背き、コルプの一行を襲撃し、皆殺しにする。

シーザーは檻の人間の解放と武器の返納をアルドーに命じるが、アルドーはそれを拒み、部下に人間とシーザーを殺させようとする。そこでバージルは、アルドーがコーネリアスを殺した事を、皆の前で明かす。猿達は一様に最も神聖な掟を破ったアルドーを指弾した後、猿は猿を殺して良いと囃し立てる。それを受け、シーザーは退くアルドーを樹上に追い詰めると、猿殺しと非難し、抵抗しようとしたアルドーを転落死させる。バージルは復讐が許されるか否かは未来が決めると説き、シーザーに町の再建を促す。シーザーは人間達を解放する。マクドナルドは、この機に人間を完全に自由にする様に請うと、猿と人間が平等の生き物であり、尊敬し合い、愛し合って暮らしたいのだと主張する。シーザーは人間の愛が死に通じると説くが、バージルはアルドーの死を挙げ、シーザーに翻意を促す。

シーザーはマクドナルドの要請に応じ、人間と手を取り合って町の再建を始める。武器庫に全ての銃火器が返納されると、マンデマスは危機が去ったと説き、シーザーに武器の爆破を希望する。バージルはそれが早計だと指摘し、またシーザーは辛抱強く待つべきだと主張する。

シーザーの死から600年後の2670年。町では猿と人間が良好な関係を維持し、暮らしている。立法者を担うオランウータンは、猿と人間の子供達に歴史を語り聞かせ、希望ある未来を説く。一人の少女が、誰が未来について分かるのかと尋ねると、立法者は故人には未来が分かるのだと諭す。その時、その傍らに立つシーザーの彫像が一筋の涙を流す。

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